古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

日米関係のこれから

2011-06-17 | 経済と世相
「日米関係のこれから」と題するコラムが、6月11日の中日夕刊に載りました。筆者は鈴木修さん、浜松医科大学の法医学の先生です。

【福島原発で、低放射性物質汚染水1万トンを勝手に海に放出し、近隣諸国のひんしゅくを買った。これは米国のアドバイスに従ったためだとの報道があり、私は大変びっくりした。これが本当なら日本人として情けない話だ。

 私はこれからの日米関係が、今まで通りで果たしてよいものかと思う。政権政党が代わり、霞ヶ関と政界との間に距離が生じている現在、沖縄の米軍基地問題も暗礁に乗り上げたままだ。沖縄県の人々の意見を最大限に尊重するのが日本政府の義務だ。米国による日本への影響力は現在やや低下し、米国はいらいらしているらしい。

 私は米国と袂を分かつ方が良いとは思わない。同盟関係は確かに必要だが、米国至上主義には反対である。また、米国にノーといえない日本の姿勢こそ大問題なのだ。】

 汚染水の海中放出だけでなく、浜岡原発の停止についても、次の風評があります。(注)

『菅首相が浜岡原発停止を決断したのは、米軍の強い要請があったからだ。もし浜岡で原子炉が事故を起こしたら、放射性汚染物質が、風に乗って横須賀の米軍基地に舞い降りると米軍は心配した。』というのです。

 汚染水放出も、浜岡の停止も、米国の示唆があったというのは、事実かどうか知る由もない。しかし、私が思うに、そうした噂が(菅総理なら)ありそうな話だと伝えられる。そこに問題があります。

注;中央公論5月号で、神戸大学名誉教授の石橋克彦氏は次のように述べている。
<東海地震の想定震源域の直上の中部電力浜岡原発を止めるべきだ。これが原発震災を起こすと、最悪の場合、南西からの卓越風によって首都喪失に至る。また、在日米軍の横田・横須賀・厚木・座間などの基地も機能を失い、国際的に大きな軍事的不均衡が生ずる。すでに米国からの強い要請が来ているかもしれないが、日本政府が自国民と世界のために決断を下すべきである。>