古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

石先生の主張

2010-04-11 | 経済と世相
放送大学の学長、石先生が10日の朝日朝刊で語っていました。
「地方分権には懐疑的」という意味の話です。
【地域主権は、決定も実行も地域が自分たちで主体的に担いましょう、というものですね。では霞ヶ関の官僚機構はどうなるのか。・・・
 民主党は国の出先機関を廃止するといってますね。ならば当然、職員も地方自治体に移さなければいけない。国家公務員30万人のうち20万人くらいを地方公務員にするわけです。どんなに反対があっても、ね。また、政府は補助金を廃止して一括交付金化するという。それはぼくも賛成だけど、実行すれば農林水産省や厚生労働省などの、かなりの部署が不要になりますね。その人たちは当然いらなくなるか、あるいは地方自治体に行ってもらう。権限と財源だけでなく、人も整理するか地方に出す。政府に必要なのはそういう覚悟です。」
「自治体には当然この20万人を受け入れ、使い切る覚悟が求められます。・・・」】
 「だから地方分権は出来ない」というのが、石先生の主張らしい。
最後に石先生はこう語っています・・・【「住民にも覚悟が必要です。(民主党)政府や地域主権の推進論者、本当の主権者は地域住民だ、住民が自ら地域のことを担うんだ、といっています。地域住民のみなさんは、仕事や家事を休んでも、地域のために役割を担う覚悟がありますか。」】
この最後の点は別として、「地方分権のためには国家公務員を地方に移さねばならない」という点では、石先生とまったく同意見です。ただ、だから地方分権は出来ないというのでなく、だから公務員制度を改革して、地方分権を可能にしようというのが私の意見です。
 本当に地方分権を実現するためには、国家公務員と地方公務員の人事交流を可能にするシステムを作り上げる必要があると思う。
 ついでながら、霞ヶ関のお役人は、財務省は財務省、外務省は外務省で採用しています。これを改め、一括採用して各省に配置する。あるいは各省間の人事を交流する仕組みにする必要があります。また、天下りの問題も、次官が決まったら、その先輩はすべて天下りさせるという現状の人事制度を改めなければ、問題は解決できない。この意味で、民主党の公務員制度の改革案は、きわめて不徹底なもので、がっかりしています。
 要するに、現在の公務員制度が時代にそぐわないものになっているため、官僚制度が機能しなくなっている。「政治主導」は、「官僚を機能させなくする」という意味であってはならないと思うのですが・・・
追伸:石先生は財政学が専門、小泉内閣時税制調査会会長。税金の大家として著名です。私は、石先生の税に関する議論には共感を覚えませんが、長くなりますので、その理由は別の機会にしたいと思います。