古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

曽野綾子さんの日記

2009-12-24 | 経済と世相
作家の曽野綾子さんは、雑誌VOICEに毎号、日記を掲載して見える。例の日本郵政の取締役就任に関して、何か書いているかな?22日、愛知県図書館で新年号を見ました。
やはり、10月26日の項に下記の文がありました。()内は私の追記です。
 【10月26日
日本郵政の件に関しては、私は28日(株主総会)まで黙っているつもりだったのだが、お昼のニュースで発表があったらしく、「あれはいったいどういう話?何をするの?」という電話が知人からかかってきた。私もわからない。
 しかしそれよりも時差(2日前に海外から帰国し、前日亀井大臣と斉藤社長が尋ねてきて役員就任を要請されたとのこと)で眠い眼が覚めたのは、ある出版社から素早く「日本郵政の取締役になるなら、曽野さんのインタビュー記事の転載が決まっていたのを、キャンセルしたい」と言ってきたことだ。恐ろしく早い反応である。
 記事の転載など、私は何も働いていないのだから、全くどうでもいいのだが、勘は悪い癖に好奇心だけ旺盛な私は、なぜそのような反応になるのか聞いてみたくなった。斡旋をしている出版社に電話をかけると、係りの編集者も面白がっていたようで、すぐに経緯を詳しく教えてくれた。
 つまり私のインタビュー記事は初めある雑誌に掲載されたのだが、それをそのままそっくり三井信託銀行が行内で配るパンフレットに転載しようとしていた。しかし今回日本郵政を辞める西川善文氏はもともと三井信託銀行の出の方なので、今回(反乱軍に属するような?)私の記事は自粛し、お眼に止まらぬようにした、ということらしい。私のインタビュー記事が上等だと思っているわけでは全くないけれど、こういう見え透いたおべっか遣いは私の周囲には一人もいない。
 西川社長という方は有能でいらしたに違いないのに、こんなくだらないことに配慮する部下をお持ちだったとすれば、ほんとうにお寂しいことだろう。私はただで面白い世間の裏話を聞かせてもらえたので、午後いっぱい退屈しなかった。】

 やはり、小説家は表現が巧いですね。「ごますりが周囲に集まるのは誰の所為?」と、痛烈な皮肉です。