古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

日本的経営と株価

2009-12-01 | 経済と世相
 「未来工業」(名証2部)という会社があります(岐阜県大垣市)。15~16年前、工場見学に輪之内町の同社の工場を訪れたことがあります。

 まことにユニークな会社で、そのユニークな会社の記事を、今朝インターネットで見つけました。

【未来工業では同じ仕事をしていれば、パートや正社員で給与を変えるような雇用体系は取っていません。同じ仕事をしても同じ給料をもらえなかったら、やる気が出ないと考えたからです。これではいい商品を作ろうというモチベーションには繋がりません。

 認めていただけるようなブランドを作るためにも、そのような賃金体系は通用しないとも考えました。

 また能力にはポジションを与え、年齢には報酬を与えています。人にはさまざまな能力があるので、何をもって能力が高いとするかの判断は難しいですが、周りが「あの人は仕事ができる」と認めることが1つの基準になります。

会社は人で成り立っています。世の中がどんなに変わっても、人を中心とすることは変えてはいけないと思っています。海外進出を推進しなかった理由もそこにあります。

以前、韓国や台湾へ展開しましたが・・・ところが、これが見事に失敗しました。なぜ失敗したかと言うと、暗黙知ではダメだったんです。日本で私たちが当たり前に行っていることが彼らの当たり前でもなく、・・・うまく機能しなかったんですね。元々安い商品を海外で作ろうとか、人件費を削るという目的での海外進出ではなかったので、結局現地企業に売却しました。】

http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20091125/210540/

前編をご覧になりたい方は

http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20091124/210456/

【組織というのは2:6:2に分かれるものです。上が2割、中が6割、下が2割。大多数を占める6割の人がどちらを向くかで企業の成長も決まってくると思います。6割の人が上を向けば、組織全体の意識も上がってくるわけです。逆に、6割の人が下を向けば下降してしまう。真ん中で企業を支える人たちがどれだけ“やる木”になれるかが、とても大事です。】

こういう会社は、株価は安いだろうナ、とインターネットで見てみたら、675円(27日)。

「安いだろうナ」と思ったのは、「海外に進出しない」、「能力給は採用しない」など、あまりにも日本的経営を貫く会社が、外国人投資家に評価されるはずがない。今日、証券市場の出来高は6割が外国人だから、外国の投資家に評価されない会社は高値がつかない。

 そう思った時、思い出した新聞記事があります。

 『日本だけが株安か』と、水野和夫さんが十一月24日の中日夕刊に寄稿していました。

【日経平均株価は8月下旬にピークをつけ、10月下旬から下落トレンドを強めている。他国に比べ日経平均のパフォーマンスが著しく悪いのは、鳩山政権に成長戦略がないからだとの批判がある。しかし、日経平均の下落率が目立つというのは表面的な見方であり、需要追加型の景気対策を講じても大した効果は期待できない。

たしかに、2009年年初からの上昇率を他国と比較すると日本株は分が悪い。日経平均は35%しか上がっていないが、米英仏独の四カ国の株価は5~6割も値上がりしている。しかし、1990年代半ば以降、国際資本は国境を自由に越えて移動するようになり、外国人投資家の株式市場に占めるウェートがどの市場でも高くなっているのだから、各国の株価はドル建てで比較すべきである。ドル建てなら09年年初から今年のピークまで、日米ともに6割弱上昇している。一方、欧州3カ国の株価は8割も上がり、一見すると成績がいい。

日本と欧州の差は値上がりする前の下落率の多寡に過ぎない。サブプライムショック後、欧州株価は大幅に下落したから、日米以上に上がっただけである。現在の水準を07年のピークと比較すれば、各国とも3割前後下回っている。】


確かに、1ドル100円の東証株価1万円は、100ドル、東証株価9000円は、1ドル90円なら、やっぱり100ドル。

そう思っても、日本人投資家の慰めにはなりませんね!

 水野さんは、こうも言っていました。

【グローバル化すると、生産と企業収益の改善だけで「景気回復」と認定される。国内対策は総需要追加でなく、雇用対策を中心にすべきだ。】