古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

「子育て支援」の中止

2009-10-16 | 経済と世相
民主党が政権を握り、不慣れの政権運用のためか「てんやわんやの大騒ぎ」みたいです。
特に疑問なのは、この「子育て支援手当て」の中止です。
自民政権の決めたこの手当ては、学齢前3年間の児童を対象に3万6千円を平成21年度に支給するというものらしい。つまり、平成14年4月2日から17年4月1日までに生まれた子で、一人3.6万円を2009年度に支給する(2008年度にも支給されたが、第二子以降の子どもが対象だった)。補正予算で成立したのだそうです。
一方、民主党のマニュフェストによるこども手当ては月額2.6万円を総ての子どもに支給する恒久的な制度ですが、直近のニュースでは、通常国会に法案を提出するようで、実施は来年6月かららしい。
 問題は、補正予算の見直しで、ムダな予算を返還させて、民主党の公約実現の財源にと、必死に洗いなおしたが目標額に達しないと言うことで、長妻大臣が、この子育て支援を止めようと言い出した。「こども手当てが出るから止めてもいいのでは?」というのです。
でも、待ってください。自民の子育て支援は、平成21年の話、民主党のこども手当ては、22年6月以後の話。全然違う話です。
「子ども手当て」が出るからというのなら、「子ども手当て」を21年度に前倒しして実施すべきです。
自民の子育て支援も民主の子ども手当ても、子どものいる家庭の支援という意味では同じで、民主の子ども手当てが正しい政策なら、自民の子育て支援も正しいはず。正しい政策、しかも決定し、実施の準備もはじまっている施策を取りやめるのは全く理に合わない。
そもそも、補正予算の見直しの話は、「自民政権にはムダが多いから、ムダを洗いなおせば、民主党の公約実施の財源を見つけるのは、簡単だ」と、考えたようです。
私は「ムダは沢山あるだろう」と思います。しかし、1週間や2週間で発見できるようなムダを優秀な官僚がやっている筈がない。ムダをすべて洗い出すには政権期間の4年間が必要と思います。見直しは、事業の本質で見直すべきで、金額が足りないから見直しするというのは愚策です。
3兆円の目標に達しないからと言って無理をする必要はない。ケインズが言っているように、政府がお金を使えば、その使途はどうあれ、使っただけの効果はある。逆に、補正予算を圧縮すれば、それだけ景気を押し下げるのです。
こども手当てを前倒しできれば、それだけ景気の下支えになるし、「子育て支援」を止めても差し支えない。

もう一つ、高速道路の無料化は問題がある。温暖化ガス25%削減をうたうなら、全部無料ということでなく、排ガスの少ない車は料金を無料にするなど、差をつけた方が良いと思うのです。
かつて、第一次オイルショックの際、排ガス規制をクリヤしようと、カーメーカーが懸命に努力した結果、日本車が世界を席巻しました。