古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

『知識社会』とは

2009-03-29 | 経済と世相
「日経ビジネスオンライン」を見ていて“「工業社会」から「知識社会」へ”という記事を見つけてアクセスしてみました。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20090325/190043/

以下、そのくだり。

【「スウェーデンの最大の外貨収入源となる産業は何だと思いますか?」

聖心女子大学で開催された講演の壇上から、モハメッド・チャイブ教授(ヨンショーピン大学教授/スウェーデン全国生涯学習センター所長)は聴衆に問いかけた。

 「重工業は国を代表するイメージが強いですが、企業が大きくなれば工場を低賃金で勝る海外に移さざるを得ません」(チャイブ教授)。転出した国で雇用、製造し納税するのだから一昔前とは“国産”の意味も“国益”の本質も変わってきている。グローバル化の中で、コンパクトに最大の外貨の獲得できるのは知的・文化的産業、というわけだ。

 「これからの時代を担う知的産業の基礎となるのが、人が生涯を通して必要に応じて学び続けることを推進する生涯学習社会なのです」(同)。

 大量生産・大量消費、工場設備や低賃金労働によって支えられてきた「工業社会」から、資源の持続可能性を基本とした生産・消費、知的労働よって支える「知識社会」へ向けて、スウェーデン、北欧、そしてEUは大きく舵を取っている。 】

ここまで読んで思い出したことがあります。先日の麻生首相主催の有識者会議。経団連の有識者氏は「製造業への派遣を廃止すると、企業は工場を海外に移転してしまうから、望ましくない」と述べたそうです。

 私が思うに、経済をグローバル化するということは、先進国では低賃金に支えられる工場は成り立たない。そういう工場には、海外に行ってもらうしかない。それがいかんというならグローバル化を止めるしかない。グローバル化する以上、賃金が高くても成立するビジネスモデルを探求するのが経営者の仕事。派遣によって低賃金を維持しようと言う人が何故有識者?

 もうひとつ思ったことは、堺屋太一さんが、数年前から『知識社会』という言葉をさかんに述べているですが、いまひとつ『知識社会』の意味がぴんと来なかったのですが、この文を読んで明確に分かりました。

『知識社会』とは、知識と技能によって高賃金を維持できる社会のことなのだと。