古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

続・「後期高齢者医療」について思う

2008-05-17 | 経済と世相
続きです。腹が立つのは、こうした悪法を国会の委員会で強行採決して、ろくな審議もなく可決成立させたというもう一つの問題です。

成立させたのは、例の郵政選挙で3分の2を勝ち取った議員たち、即ち、「郵政の民営化のため」と称して得た3分の2を使って、「ガソリン代値上げ」法案の再可決や「インド洋の無料給油法案」を再可決した議員たちです。

もっとも、野党の議員もこの医療制度に関心もなかったらしく、最近に至るまで法案の実態を知らなかったようだから同罪です(私も、今年の保険証が送られてくるまで、こんなことになっているとは知らなかったのだから大きなことは言えないが)。

この制度にあっては、医療費の1割を後期高齢者、4割を現役世代の健保、国保からの支援、5割を国・地方自治体が負担するというのが骨子になっている。

1割負担ということは、今後医療費が増加したら保険料が増えることを意味する。75歳以上になれば収入はほとんどが年金だけになる。その年金から有無を言わさずに天引きするから、これは、年々年金を減らすと言っているのに等しい。繰り返すが、子どもの扶養家族になっていて、今まで保険料を払っていなかった人の年金も減らすのです。 

企業の健保や国保の4割負担も問題ありです。企業健保の負担額が大きくなって、もはや企業健保を独立させておく意味がなくなる(健康保険を企業や公務員、中小企業等で分割させて運営する意味がなくなっている)のでは?

それなのに、今の制度のままで、お金の帳尻だけ合わせるための制度が後期高齢者医療です。確かに今後高齢化が進むに従い、高齢者の医療費は多くなるでしょう。しかし、この制度変更で、増える医療費が減るわけではなく、ただそれの相当部分を年金以外の収入を持たない高齢者に、「お前たちが使う医療費だから、お前たちが負担せよ」と押し付けただけ。『姥捨て山』というネーミングが、一部で唱えられているが、決して大げさなものでない。

この法律こそ、日本の政治家と官僚の劣化を実証するものでは?