古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

景気は回復したの?

2004-05-20 | 経済と世相
尾張名古屋のNOZUEです。
 内閣府18日の発表によると、1~3月期のGDPは、実質で前期比1.4%増、
年率換算では5.6%の成長になるそうである。
 「そんなに高い成長率になるの?」と疑問を感じられた方も多いでしょう。
 我々の感ずる景気は名目で感じますから、名目値でみると、この四半期は年率0.
8%増だそうです。(実質は名目からGNPデフレータ(物価上昇分)を引いて出し
ますから、物価上昇は-0.6%ということになる)ということは年率3.2%成長で
す。
 UFJの赤字決算の噂から、月曜日暴落した株価は、この発表から「景気本格的回
復?」と早くも持ち直しつつあります。でも、やはり実感と違うなあ?と思いません
か?
 景気は成長率の数字のように回復したのだけど、90年代までの景気回復と違うん
じゃないかな?そう思うのです。
 昔の景気回復は、ある産業が好景気になると、それが次々に別の産業に波及し、雇
用労働者の賃金が上昇、消費景気に波及するというコースをたどりました。今は、そ
うならないんです。ある産業が好景気になっても、他の産業に波及しにくい。賃金水
準も波及していかない。
 だから、GDPの成長率は、平均としては、好況産業の数字に引きずられ、確かに
上昇するのだけれど、それは全産業の好況を意味しない。
 こういう状況を「景気回復」と言って良いのか?

 これは、経済のグローバル化の進展の結果?と考えるのは、私の独断と偏見でしょ
うか。
 例えば、政府が景気回復のために積極財政策を取る。簡単に言うと、民間に金が流
れるようにする。その金は殆ど国内に流れた。ところが、今は流した金が必ずしも全
部国内に流れず、海外に流れて、海外の景気を刺激する。だから、景気の上昇した産
業の影響が、国内の他産業に波及する前に、海外の他産業に波及してしまう。つま
り、国際競争力のない産業・企業には何時まで待っても好景気は来ない。そういった
現象が起きているのではないでしょうか。(小泉内閣の構造改革とはこういう社会を
ねらった?)
 データ面でこれを裏付けるデータを集めていませんが、そんなふうに思えるので
す。21世紀の景気はそういう状態だということになり、産業間・企業間の差が大き
くなる。いきおい、貧富の差の大きい社会になることを意味する。経済のグローバル
化は、国民を幸せにするのか?貧富の差の少ない社会を作るのは、政府の責任と思う
が、その政府が無条件で経済のグローバル化を進めてよいのだろうか?
 そんなことを考えています。