shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

If I Were A Bell / Doris Day

2012-04-23 | Jazz Vocal
 少し間が空いてしまったが、今日からまた “ドリス・デイ祭り” 再開である。まずは前回やった1950年代前半の続編からいこう。まだ本格的なLP時代に入っていなかったこともあって、この時期にリリースされた彼女の50枚近いシングル盤音源の多くがLP未収録の憂き目にあっており、CD時代に入ってようやく色んなベスト盤に少しずつ入るようになったのだが、そんな “オリジナル・アルバム未収録のシングル盤音源” の中で私が特に気に入っているのが以下の5曲。③は10インチ盤「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」に、④⑤は12インチ盤「グレイテスト・ヒッツ」にそれぞれ収録されていたが、①②はあまり知られていないレアな音源だ。

①If I Were A Bell
 ポールもリスペクトする大作曲家、フランク・レッサーの名曲「イフ・アイ・ワー・ア・ベル」は私の大好きな曲で、この “ドリス・デイ祭り” を通じて初めて彼女が歌うヴァージョンの存在を知った。早速 YouTube で試聴してみると、ビッグバンドを従えてダイナミックにスイングするパワフルな歌唱が圧巻で、アルバム未収録ということで埋もれさせてしまうには惜しい名演だ。
 ただ、YouTube にアップされてるのは間違いなくドリス・デイの歌声なのだが、「Girl Next Door」「Absolutely Essential」「Bewitched」といったベスト盤CD に入っている音源はその声や歌い方から判断してどうしても彼女のものとは思えない。真相を確かめるために eBay でオリジナルのシングル盤を獲ってみたら、やっぱり YouTube のが本物だった。尚、アマゾンの MP3 ダウンロード版では2種類ともアップされているが、2:45ヴァージョンが偽物で 2:58ヴァージョンの方が本物だ。興味のある方は一度聴き比べてみて下さいな。
Doris Day - If I Were A Bell


②From This Moment On
 この「フロム・ジス・モーメント・オン」も我が愛聴曲で、①と同じく “祭り” の最中に YouTube でドリス・デイを集中的にチェックしていてたまたま見つけたのだが、一瞬クリス・コナーかと思わせるくらいハスキーな歌声がすっかり気に入って、この曲が入っているドリス・デイ盤CDを調べ上げてUKアマゾンで即ゲット。廃盤を £1.35(180円!)で買えてラッキーラララである。「センチメンタル・ジャーニー」のノスタルジックな歌声とは別人のようなジャジーなヴォーカルは一聴の価値アリだ。
Doris Day - From This Moment On


③Just One Of Those Things
 10インチ盤「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」収録の全8曲中で他を引き離して圧倒的に素晴らしいトラックがこの「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングズ」だ。前回取り上げた「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」の時にも書いたが、 “アップテンポで軽やかにスイングするドリス・デイ” の魅力は筆舌に尽くし難い。後半部で炸裂するバディ・コールの疾走感溢れるピアノ・ソロもめっちゃスインギーで名演度アップに大きく貢献している。やっぱりジャズはインストもヴォーカルもスイングしなけりゃ意味ないですね(^o^)丿
Doris Day - Just One of Those Things


④Shanghai
 美空ひばり、ペギー・リーと並ぶこの曲の三大名唱と私が信じて疑わないのがドリス・デイのこのヴァージョン。弾むようにスイングする彼女の歌声が耳に心地良い。ただ、ここに貼り付けた YouTube の音源もそうだが、まるで風呂場で歌っているかのように過剰なエコーがかけられた不自然なミックスのものが結構出回っているので要注意だ。
Doris Day ~~ Shanghai


⑤A Guy Is A Guy
 私がこの曲を知ったのは江利チエミのヴァージョンで、ずっとそれが自分の中のベンチマークだったのだが、このドリス・デイ・ヴァージョンはチエミと双璧を成す素晴らしさである。そういえば車の中でこの曲が鳴った時、横に乗ってたウチの母親が “エエ声やな...” と即座に反応したのにはビックリした。さすがはウチのおかん、エエ耳しとるわ(笑)
Doris Day: A Guy is a Guy