shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ビートルズ・ルーツ特集⑦Chuck Berry-4

2015-10-25 | Oldies (50's & 60's)
①Sweet Little Rock And Roller [Chess 1709]
 「スウィート・リトル...」とくれば “シックスティーン” で決まり、みたいな風潮があるが、この「スウィート・リトル・ロックンローラー」という曲ももっと広く認知されて然るべき隠れ名曲だ。私が初めて聴いたのはベスト盤CDだったが、チャック・ベリーが一生かけて歌い、弾き続けてきたメロディーやリフを一点に凝縮させたようなこの曲がめっちゃ気に入り、何度も何度も繰り返し聴いたものだった。例えるなら彼のヒット曲の断片が現れては消え、消えては現れるような、そんな感じで、チャック・ベリー節が大好きなファンにとってはたまらない1曲なのだ。
 私が買ったのはとっても珍しいチェス・レコードの白レーベル盤(プロモ盤)で、ピカピカ盤だけあって$14.00(約1,740円)もしたが、再発盤やCDではとても味わえないゴリゴリした野太いサウンドが楽しめて、値段相応の価値はあったと思っている。尚、レーベル面の曲名表示は「Sweet Little Rock And Roll」になっているが、ロックンロールが大好きな9歳の女の子のことを歌ったこの曲のタイトルは当然 “可愛い小さなロックンローラー” が正しい。
Sweet Little Rock 'N' Roller by Chuck Berry 1958


 この曲のカヴァーは非常に少なく、私の知る限りではビートルズもストーンズも録音を残していない。そんな数少ないカヴァー・ヴァージョンの中で私が気に入っているのがロッド・スチュワートのアルバム「スマイラー」(74年)に入っていたヴァージョンで、まだ豹柄パンツにハマる前の(笑)ロッドのストレートアヘッドなロックンロールが楽しめる。それと、レコードにはなっていないが、イギリスの「スーパーソニック」というTV番組でマーク・ボランがデイヴ・エドモンズやレイ・デイヴィスらとの共演で歌ったカヴァーが個人的には一番好きだ。それにしてもT.レックスの音楽ってホンマにチャック・ベリー直系やね(^.^)
Sweet Little Rock'n' Roller - Rod Stewart

Sweet Little Rock and Roller


②Little Queenie [Chess 1722]
 この「リトル・クイニー」という曲は本来は「オールモスト・グローン」のB面であり、しかもわずか4ヶ月前にリリースされたばかりのクリスマス・シングル「ラン・ルドルフ・ラン」のメロディーはそのままに歌詞だけをオール・シーズン用(?)に変えただけという曰くつきのナンバーなのだが、その知名度の低さに反してビートルズやストーンズを始めとして様々なアーティスト達にカヴァーされているのが非常に興味深い。ひょっとするとロッカー達を駆り立てる何かが原曲のグルーヴに潜んでいるのかもしれない。
 カヴァー以外でも、例えばクイーンは名盤「シアー・ハート・アタック」の冒頭を飾る痛快なロック曲「ナウ・アイム・ヒア」の後半部で “Go, go, go, little queenie♪” と歌って敬意を表しているし、T.レックスもあの大名曲「ゲット・イット・オン」のエンディング部分に“Meanwhile I'm still thinking...♪” とこの曲の歌詞をそのまんま引用している。というか、「ゲット・イット・オン」の曲想そのものがこの「リトル・クイニー」にインスパイアされていると言っても言い過ぎではないだろう。
 このレコードは例のアメリカのレコ屋からの一括購入でNM盤を$6.75(約840円)でゲット。チェス・レーベルのオリジナル・シングルのキレイな盤ってオークションでも中々出てこないので、こういう古~いレコ屋のセット・リストから探した方が良いのかもしれない。それにしてもこの時代のアナログ・シングル盤ってホンマに凄い音しとるなぁ... (≧▽≦)
 それと、下に貼り付けたのは映画「ゴー・ジョニー・ゴー」の中でこの曲を歌うチャック・ベリーの映像なのだが、バック・バンドとして出演しているメンツにご注目! 何とピアノがデイヴ・ブルーベックでベースがチャーリー・ヘイデンと、バリバリのジャズメンたちなのだ。もちろん音の方は彼のレギュラー・バンドなのだが、テーブル席で女の子たちと楽しむリッチー・ヴァレンスの姿も含め、見どころ満載の映像だ。
Chuck Berry - LITTLE QUEENIE - 1959 HQ!

T. Rex - Get It On [Lyrics] [HD]


 私にとってこの「リトル・クイニー」はビートルズの「スタークラブ・ライヴ」で初めて聞いて以来の愛聴曲で、A面の「オールモスト・グローン」や原曲「ラン・ルドルフ・ラン」なんかよりも遥かに馴染み深いナンバーだ。「スタークラブ・ライヴ」の音の悪さなど気にならないぐらい “ギター・バンド” としてのビートルズの魅力が爆発している。
 一方ストーンズによるカヴァーは69年USツアーのライヴ盤「ゲット・ヤーヤ・ヤズ・アウト」に入っているが、若さ溢れるビートルズの演奏に対しこちらはテンポを落とし過ぎな感じで私としてはイマイチ(ー_ー)  来たるべき「イッツ・オンリー・ロックンロール」の予行演習(?)と考えればコレはコレでいいのかもしれないが、オリジナル・ヴァージョンの絶妙なテンポ設定が生み出すえもいわれぬグルーヴを考えればコレはやっぱり遅すぎるわ。
Little Queenie - Star Club tapes remaster

The Rolling Stones ? Little Queenie (Mule Version)?

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