shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Be-Bop-A-Lula / John lennon

2016-02-21 | John Lennon
 ジョンのUKシングル盤を制覇した後、US盤も何枚か手に入れてUK盤や国内盤と聴き比べながらその音質の違いを楽しんでいたのだが、そこでふと気になったのがイギリスでもアメリカでも出ていない、日本独自のシングル・カット曲「ビー・バップ・ア・ルーラ」の存在だ。東芝EMIでビートルズを手掛けたプロデューサーの石坂敬一が書いたアルバム「ロックンロール」のレビューに “ジョンは我が日本のためだけにこの曲のシングル・カットを指定してきた” とあったのを鵜呑みにしててっきり日本だけでリリースされたシングルだと思い込んでいたのだが、このブログでも取り上げた「マインド・ゲームズ」のフランス盤シングルを45回転盤専門サイトの “45cat” で調べていた時に偶然この「ビー・バップ・ア・ルーラ」がフランスでもリリースされていたことを発見。今までは国内盤シングルのショボイ音で我慢してきたが、名盤「ロックンロール」の冒頭を飾るジョン屈指の名唱がパワフルな45回転サウンドで聴けるかも、と思うと居ても立っても居られない。
 慌てて eBayで検索してみると、何とフランス盤以外にもドイツ盤やスペイン盤、デンマーク盤にアルゼンチン盤まで出ているではないか! 南米盤は音が悪いので論外として、フランス、ドイツ、スペイン、デンマークのどれにするか迷ったが、ジャケットのカッコ良さとB面曲がこれまた大好きな「ムーヴ・オーヴァー・ミズ・L」なこともあってフランス盤(2C 004-05.899)に決定! 英米のセラーは大体$25~$50ぐらいの値付けだったが、international sellers 枠を見ると、1人のフランス人セラーがNMコンディションの極上盤を€7.20(約900円)で出している。送料もヨーロッパからということで€6.60(約830円)とアメリカからの約半値だ。私は迷わず BUY IT NOW をクリックした。
 届いた盤はジャケット・盤共にピッカピカの美麗盤で、ワクワクしながらレコードに針を落とすといきなりジョンの “ウェ~ッ♪” という掛け声が勢いよくスピーカーから飛び出してくる。その音圧は国内盤など足元にも及ばない凄まじさで、マトリクス-1UのUKオリジ初版LPと聴き比べてみても断然こっちの方が良い。一番の違いは躍動感で、それぞれの楽器が元気に自己主張しながらも一体となって音楽を前へ前へと押し進めていく様は圧巻だし、ジョンの歌声もまるで目の前で歌っているかのような生々しさだ(≧▽≦)  これは私がこれまで耳にしてきた中で最強の「ビー・バップ・ア・ルーラ」と言っても過言ではない。最近はアホの一つ覚えのようにシングル盤ばかり買っているのだが、こういう轟音盤を聴いてしまうとますますこの “45回転盤桃源郷” から抜け出せなくなりそうだ(^.^)
John Lennon - Be Bop A Lula


 B面の「ムーヴ・オーヴァー・ミズ・L」はジョンがキース・ムーンに贈った乱痴気騒ぎ系(?)ロックンロール。ヨーコの呪縛から解放され、水を得た魚のように活き活きしたヴォーカルで疾走するジョンが最高だ。やっぱりジョンにはこういう竹を割ったようなイケイケのロックンロールがよく似合う... (≧▽≦) 因みにこの曲には「ようこそレノン夫人」という間抜けな邦題が付けられているが、“move over” は “脇へどく、場所を譲る” という意味だから、要するにこれは「ちょっとどいてくれ」と言っているのであって、一体どこをどう解釈すれば「ようこそ」になるのだろう? 「ノルウェーの森」(←文脈完全無視)といい、「冷たい七面鳥」(←アホ丸出しの直訳)といい、東芝EMIの洋楽制作チームはいつも笑いのネタを提供してくれますな...(笑)
John Lennon - Move Over Ms. L (2010 Remastered Single)


           
 折角なので、オリジナルのジーン・ヴィンセント盤(Capitol:F3450)も取り上げよう。このレコードは去年の9月にオールディーズのオリジナル・シングルをアメリカのレコ屋から大量購入した時に買ったもので、VG+で$5.00という破格の安さ(^o^)丿 それまでジーン・ヴィンセントのCDもLPも持っていなかったのでスピーカーに対峙してちゃーんと聴くのはその時が初めてだったが、第一印象は “うわー、ジョンのヴァージョンにソックリや...(゜o゜)” というもの。これはつまりジョンがジーン・ヴィンセントのオリジナルを完全に自家薬籠中のものとしていたことを意味しており、ジョンの50年代ロックンロールに対する深~い造詣と愛情を再認識させられる。そういえばジョンがポールと初めて会った日にステージで演奏していたのがこの曲だった。若き日のジョン・レノンが憧れた気持ちがよくわかるカッコイイ歌と演奏だ。
Gene Vincent - Be-Bop-A-Lula

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