shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ジョンのシングル盤特集 ~英米対決3番勝負~

2016-02-14 | John Lennon
 私はビートルズに関する限りガチガチのUK盤至上主義者で、アメリカ編集の「マジカル・ミステリー・ツアー」や「ヘイ・ジュード」ですらUK盤で揃えるくらいUS盤を忌み嫌っている。中学生の時に何も分からずに買った「セカンド・アルバム」や「ビートルズ'65」の、まるで風呂場の中で聴いているかのようなエコーまみれのミックスがトラウマになっているのだ。60年代のキャピトル・レコードはデュオフォニックという独自の疑似ステレオ技術を売りにしていたようだが、あんな気持ち悪い音の一体どこがいいのかサッパリ分からない。
 だからビートルズ解散後のソロ作品に関してもアルバム、シングルを問わずUK盤を買ってきた。ポール、ジョージ(←ワーナー盤はUS盤の音が良かったけど...)、リンゴに関してはそれで何の問題も無いと思っているが、唯一気になっていたのがジョンのNY移住以降の作品群(「イマジン」が分水嶺か...)だ。
 私がUK盤に拘るのは何もアメリカが嫌いというわけではなく(笑)、ただ単にそのアーティストが活動の拠点としている国でリリースされた盤が一番マスターテープに近いという意味で鮮度の高い音が楽しめるからというだけのことで、例えばイーグルスはUS盤で、フランス・ギャルはフランス盤で集めている。もちろん盤によって例外もあるにはあるが、私の知る限りでは「ホテル・カリフォルニア」はUS盤が一番鮮烈な音がするし、「夢見るシャンソン人形」はフランス盤の音が一番生々しい。
 ということで昨年の11月に一念発起してジョンのシングル盤を他のビートルたちと同様にUK盤で買い揃えてはみたものの、US盤の音への興味は捨てきれなかった。私は去年の夏以降アメリカのレコ屋からオールディーズのシングル盤を大量に一括購入していて一回の取り引きで20~30枚まとめて送ってもらっているのだが(←ウチのおかんが “何か鉛みたいな荷物届いてるでー” ってメールしてきよった...笑)、ある時ふと閃いてリストを見てみるとジョンのシングル盤もちゃーんと載っていたのだ。それが「インスタント・カーマ」「パワー・トゥ・ザ・ピープル」「イマジン」の3枚で、どれもみな盤質VG++で$2.50という超お手頃価格だったので即オーダー、届いてすぐに手持ちのUK盤と比較聴きしてみた。

①Instant Karma (1818)
 前にもこのブログで書いたようにUK盤シングルはジョンの指示でまだスペクターが最終OKを出していないミックスが使われたのに対し、US盤シングルの方はスペクターがロスのスタジオにこもってジョン抜きでじっくりと仕上げたミックスが使われている。実際に聴き比べてみると両者とも音圧は同じくらいだが、UK盤の方はあくまでもジョンが主役でヴォーカルがアグレッシヴに前面に出てきてでカッコイイのに対し、US盤ではヴォーカルとバックの演奏が横一線に並んでいる感じでUK盤に比べるといまいちスリルに欠ける。ひょっとするとスペクターはジョンの声も楽器の一つとして捉えていたのかもしれないが、ジョンの声は唯一無比であり、私的には迷うことなくUK盤に軍配を上げたい。
Instant Karma


②Power To The People (1830)
 UK盤のランオフには手書きでPORKY刻印が、US盤には機械打ちでBell Sound刻印があって聴く前から興味津々。音圧は両者とも甲乙付け難いレベルの高さで、音の塊がスピーカーから迸り出てくるのがたまらない。普通に聴いている分にはそれほど大きな差はないが、US盤の方がエコーが深くかかっており、音の切れ込みも鋭く、全体的な音作りとしてはUK盤よりも派手な印象を受ける。一方UK盤は中低域が充実しており、ベースがズンズンと腹にくる感じ。私としてはその時の気分によってUK盤を聴くかUS盤を聴くかを選ぶ贅沢を享受できてラッキーだ。ということでこの曲に関しては引き分けですな。
Power To The People


③Imagine (1840)
 この曲のUS盤のカッティング・レベルはUK盤の気持ち2割増しぐらい高く、ジョンのヴォーカルを包み込むようなストリングスが左右にフワーッと広がって気持ちイイったらない(^.^)  この音場の広さはクセになる。一方UK盤の方はヴォーカルもバックの演奏もこじんまりとセンターにまとまっている感じで、US盤を聴いた後に続けて聴くと力のないモノラルみたいに聞こえてしまう。UK盤はUS盤に遅れること4年(!)の1975年発売ということなのでハッキリ言って再発盤みたいなモンだからこの違いも仕方ないが、1971年にリリースされたUKオリジのマト1LPと聴き比べてもやはりこのUS盤シングルの方が音が良いように思う。ということで「イマジン」に関してはUS盤の圧勝だ。尚、初期プレスはレーベル面のリンゴが薄茶色で、1975年以降のプレスでは薄緑色になり、レーベル下面に Unauthorized duplication is a violation... の文言が入るようだ。
Imagine


【おまけ】
少し前にYouTubeでめっちゃオモロイ放送事故の映像を発見、久々に大笑いさせてもらったんで貼っときます。もガチャピンが気になって肝心の天気が全然アタマに入ってこない...(^_^) そう言えばガチャピンのトレードマークであるタレ目はポールがモデルっていう話があったけどホンマかいな???
ガチャピンが消える放送事故 SOLiVE24 2016.2.5

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