shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

オーストラリアの「With The Beatles」 ~ラウドカット最強盤~

2023-04-23 | The Beatles
 転勤してもうすぐ1ヶ月が過ぎようとしているが、今度の職場は奈良県の同業種の中でもICT化推進の最右翼らしくって、何かというとすぐにアカウントがスベッただの仮想デスクトップがコロんだだのと、ウザいことこの上ない。ワシはスマホもタブレットもウインドウズ10も大嫌いなんじゃい! そもそも仮想デスクトップって何やねん、気持ち悪い...(>_<)  そんな異次元空間みたいなとこで仕事できるかいな、ボケが!と思わず怒りの展開になってしまったが、すべてはレコード代を稼ぐための忍耐と割り切って心頭を滅却し(←大袈裟な...)、やっとのことで仕事も落ち着いてきた先週末、いつものように B-SELSの「日記」コラムを見ると、そこには “『WITH THE BEATLES』レア!オーストラリア・ゴールドパーロフォン モノラル UK初回マト1Nラウドカット ただものではない!” というタイトルが踊っていた。
 この数ヶ月、迫りくる収入減に備えてレコード購入を控えていた私にとって “ラウドカット” という禁断ワード(笑)だけでも目の毒なのに、“ただものではない” という煽り文句が続くのである。これで魂を揺さぶられなければ “ラウドカット至上主義者” の名が泣くというものだ。はやる気持ちを抑えながら内容を読むと、“「並み」のUK盤では太刀打ちできないほど音が大きい” “このオーストラリアのラウドカット盤はよほど音溝の状態が良かったのだろう” “両面とも深いキズが全くと言っていいほどない。だからまず音に出ない。音的にはEX以上を付けられるし、実際の音の破壊力は凄まじいというほかない。これぞ正真正銘のラウドカットの音、聴いてみていただくしかない。” とべた褒めである。
 Sさんとはこれまで何十枚ものレコードを一緒に聴いてその感想を語り合ってきた仲なので、どんな音をどう表現されるのかは大体熟知しているつもりだ。だから「日記」コラムの “行間” を読んでおおよその音を頭の中でイメージする自信があるのだが、この “音の破壊力は凄まじい” という表現を見た瞬間に “こいつはえげつない音しとるに違いない” という確信を持ち、“これは絶対に聴かなアカン!” と思った私はすぐにB-SELSに電話を入れて取り置きをお願いし、その日の夜にその凄まじい破壊力を持つというその OZ盤を買いに行ったのだった。
 転勤のゴタゴタで長いことご無沙汰していたこともあって、お店に顔を出すとSさんはとても喜んで下さり、早速問題のレコードを聴かせて下さった。私は全神経を耳に集中して音が出るのを待った... そして「It Won't Be Long」の出だしのジョンの第一声を聴いて私の予想が正しかったことを強く確信した。ハッキリ言ってこのラウドカットの音はヤバい、いやヤバすぎるくらい凄い音だ。私はこのレコードのラウドカット盤を何枚も所有しているが、これほど音溝の状態の良い盤は初めてだ。音圧の面だけとってもUKのスタンパー1G盤に匹敵するような凄まじいパワーが感じられるというのに、それに加えてこのレコードは音の響きも非常にキレイで、音の総合力で言うと間違いなく自分史上№1の「With The Beatles」だ。
 比較試聴用に手持ちの「With The Beatles」ラウドカットOZ盤を持参したので「It Won't Be Long」の出だし部分を聴き比べさせていただいたのだが、大袈裟ではなく月とスッポンほどの差があってビックリ。持参した方はごくごく普通のラウドカットの音だったのに対し、このB-SELS盤は桁違いのパワーでジョンのロック魂がスピーカーから迸り出てくるのが実感できたのだ。いやぁ~、これには参りましたわ... やっぱり音溝の状態って大事なんやなぁ... (≧▽≦)
 私が大コーフンしながらサムズアップするとSさんも満面の笑み。 “自分はこの音の凄さに自信があって、初めて針を落とした瞬間からコイツは明らかに違うと思ったんですよ。「Hold Me Tight」なんかもう大きなノコギリでザクザク切っているかのような、そんな感じでしたから、聴きながらお店の中で踊っちゃいました(笑) でもラウドカット・マニアのshiotchさんにはどうかとなると、そこまでの確信は持てなかったんです...” と仰ったので、“いやいや、日記に書かれてたのを読んで自分が想像してたのと同じ、いや、その斜め上を行く音ですよ、これは。この音のパワーはそれこそまさに異次元という感じで、例えるなら大谷翔平選手の大ホームラン級です!” と言ったらSさんに大笑いされてしまったが、この音の凄さの例えとしては結構マトを得ているのではないかと思っている。とにかく凡百のラウドカット盤とは次元が違うスケールのデカさで、この音のイメージとしてはまさにこんな感じ↓だった。
[WBC] 大谷翔平 驚愕のホームラン祭り!バンテリンドーム5階席に超特大アーチ!

 お店の商品説明ポップには “スゴイ音!! おそろしく音の良いラウドカット。絶対オススメ!” と書いてあったが、まさに看板に偽りなしの凄まじい音で、両面聴き終えて即このレコードを購入し、“今日は今年に入って最高の日になりました!” とお礼を述べるとSさんはとても喜んで下さった。
 家に飛んで帰った私は晩メシも喰わずに自室に駆け上がってこのレコードをかけてみたのだが、我がオルトフォン・モノ・カートリッジとの相性も抜群らしく、A面アタマからB面ラストまで、ほとんどノイズレスで凄まじい爆裂サウンドが楽しめて大喜び。これは上の動画のようにナゴドの5階席に飛び込むホームラン級の音(笑)である。ラウドカット桃源郷である。仕事のストレスなど消し飛んでしまう音、寿命が軽く十年は延びる音である。これから死ぬまでこの音を聴いていけるのかと思うと嬉しくってしようがない\(^o^)/ この盤との運命的な出会いをさせて下さったレコードの神様に感謝! そして何よりもまずSさんに感謝だ。
 このレコードは、例えば手持ちの「Please Please Me」で言えば UK両面 1G盤に、「Sgt. Pepper's」で言えばニンバス盤に匹敵する神棚級の1枚、といえばその凄さがわかってもらえるかもしれない。「With The Beatles」では間違いなく G.O.A.T.(Greatest Of All Time)... “音のデカさ” と “響きの美しさ” の二刀流で圧倒的な存在感を誇る文句ナシのMVP盤だ。
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