shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

An Atlanta Tribute To Sir Paul McCartney

2009-01-03 | Beatles Tribute
 私はレコードであれCDであれ、ジャケット・デザインを重視する。音楽を聴きながらジャケットを聴いているといってもいいかもしれない。だから音源のみで装丁のない「ミュージック・ダウンロード」などというものは私にとっては邪道以外の何物でもない。ロックでもジャズでも、音楽を聴いている時には必ずジャケットが思い浮かぶ。ビートルズの「ラバー・ソウル」はあの歪んだ写真でないと「ラバー・ソウル」にならないし、「サージェント・ペパーズ」の万華鏡の如き音世界を表現するにはあのカラフルなジャケットしかなかったように思う。「リヴォルヴァー」のサイケなサウンドはあのモノクロのリトグラフと密接に結びついているし、それはジャズの「サキソフォン・コロッサス」や「クール・ストラッティン」でも同様だ。ましてやそのアーティストへの愛情やリスペクトの度合いが勝負を決めるトリビュート物となると更にジャケット・デザインのセンスが問われてくる。そういう意味でビートルズ関係はパロジャケの宝庫なのだが、解散後のソロ・ワークス、特にポール関連で面白カヴァー・カヴァー(笑)を見つけるのは難しい。そんな中で私のイチオシがこの「ラヴ・イン・ソング~アトタンタ・トリビュート・トゥ・サー・ポール・マッカートニー~」だ。要するにジョージア州アトランタの地元ミュージシャンが一堂に会したポールへのトリビュート盤なのだが、元ネタであるポールの1stソロ・アルバム「マッカートニー」がテーブルの上にサクランボをたくさん並べていたのに対し、こちらは桃がいっぱい並んでいる。なぜ桃なのか... ジョージア州は「ピーチ・ステイト」とも呼ばれており、桃はジョージア州のシンボルなのだ。中々ヒネリが効いている。参加ミュージシャンはローカルなメンツばかりで知っているのは「ジョージア・サテライツ」のメンバーのみだが、かなりの力作が揃っている。中でも②「バンド・オン・ザ・ラン」(ソノママ ←変な名前!)、③「マイ・ブレイヴ・フェイス」(スター・コレクター)、⑤「ジェット」(ブラックライト・ポスターボーイズ)、⑧「レッティング・ゴー」(ヴァン・ゴッホ ←何者やねん!)、⑩「アナザー・デイ」(ポール・メランソン)といった、原曲に忠実なアレンジのトラックが気に入っているのだが、どれか1曲といわれれば意表を突いた女性ヴォーカルが楽しい⑥「ガールズ・スクール」(キャットファイト ←コレもふざけた名前やなぁ...)を挙げたい。ポールの作った軽快なロック曲がまるでシーナ&ロケッツのようなガレージ・ロック・サウンドに形を変え、実にカッコいいヴァージョンに仕上がっている。全20曲一気聴きしてみて、改めてポールの天才メロディー・メーカーぶりを再認識させられた。まさにカヴァー・アルバム・ハンター冥利に尽きる面白いCDだ。

Star Collector - My Brave Face

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