ビートルズのレコードには発売国独自のオリジナル・ジャケットが存在するケースが少なくない。しかもその多くはジャケットを見ているだけで幸せになれそうな秀逸なデザインのため、各国盤蒐集のモチベーションを大いに高めてくれるのだ。かく言う私もいわゆるひとつの “ディフ・ジャケ” にハマったクチで、1年ほど前に清水の舞台から飛び降りるつもりで買った「エスキモー・カヴァー」で味をしめてからというもの、理性という名のブレーキを失った私は「シェル・カヴァー」「バルーン・カヴァー」「チェア・カヴァー」「ミット・カティスタッド・カヴァー」と、コレクターの間で「○○カヴァー」と呼ばれる逸品を次々とゲットしてきたのだが、中には値段が高すぎて買えなかった盤もある。そんな恨めしいレコードが今日取り上げるエクスポート仕様の「ヘルプ!」で、通称「ビーチ・カヴァー」と呼ばれている1枚だ。
このレコードの存在を知ったのは半年ほど前のことで、Discogsでドイツ製の輸出仕様盤について調べていた時に偶然見つけたのが事の発端だった。カタログ・ナンバーのアタマがSMOで始まる盤を検索すると、「ヘルプ!」のジャケ左上のodeon/EMIロゴが青色の縁取りの盤、同じ構図でロゴの縁取りが緑色の盤、そしておなじみの手旗信号写真ではなくビーチで佇む4人のショットをフィーチャーした盤の3種類がヒット。ビーチの写真といえば見開き日本盤の裏ジャケやメキシコ盤のものしか知らないが、そのどちらとも違う写真が使われており、柔和なポールの表情とそれを見つめるジョンの屈託のない笑顔、ちょっとお疲れ気味(?)のジョージ、そしてペンキまみれで情けない顔のリンゴという4者4様のコントラストがめっちゃエエ味を出していた。
すぐに “コレは欲しい!!!” と思って値段を見たのだが、目の玉が飛び出るようなスーパーウルトラ・プレミア価格にビックリ... (゜o゜) ユーロやポンドで4桁行くなんて、とてもじゃないが手を出せる額ではない。ビートルズ関連で10万円を超えるのはステレオ金パロとブッチャー・カヴァー、インドSP盤ぐらいしか知らなかった私には衝撃的な出会いだった。その後、eBayでも網を張ってみたところ半年間で2回出品されたが、どちらも10万円前後で落札され、貧乏コレクターの私はただただ指をくわえて見ているしかなかった。
このレコードはドイツ製のスイス向け輸出盤(SMO 984008)で、レーベルは珍しいイエロー・オデオン。スイスの Ex Libris というクラブ・イシューで、プレス枚数が極端に少なかったため(←スイスやもんね...)鬼のようなプレミア価格で取り引きされているという。eBay を見てみると “MEGARARE”“MONSTER RARE(笑)”“ULTRA HARD TO FIND” といった煽り文句と共に出品され、大金持ちコレクターによる凄まじい争奪戦が展開されるのだ。
そういうワケですっかり戦意喪失した私は Discogs に戻って“SMO”の検索を再開したのだが、そこで見つけたのが2000年にリリースされた “ビーチ・カヴァー” のカウンターフィット盤。Discogs では今年の9月からアンオフィシャル・リリース盤、つまりブートレッグの取り扱いを禁止しているが、その時はまだカウンターフィット盤がカタログに載っていて堂々と買うことが出来たのだ。
もちろん本物を手に入れるに越したことはないが、宝くじでも当たらない限りそれは不可能に近いし、「ビーチ・カヴァー」に関してはあくまでもジャケット目当てなのでカウンターフィットの偽物音質でも気にならない。逆にたったの $25であの魅惑のジャケットが手に入ると思うと居てもたってもいられなくなり、私は即買いを決めた。
届いたレコードはさすがに偽物だけあってジャケットの造りはそれなりだが、価格差を考えれば致し方の無いところ。魅惑のジャケット・デザインをLPサイズで安く手に入れただけで十分だし、カウンターフィット盤なんて所詮そんなものだろう。将来万が一アブクゼニを手にするようなことがあれば是非とも本物を拝んでみたいものだ。
音の方はハッキリ言ってゴミ(笑)で、A①「ヘルプ!」なんか例のギターの下降フレーズが聞こえないに等しく、何じゃいこれは???という感じ。これ以上聴いても時間の無駄だと思って針を上げたので残りがどんな音か知らないが、元々目の保養のために買ったレコードなので正直どうでもいい。ただ、センター・レーベルだけはオリジナル盤を細部まで精巧に再現しており、唯一の違いはセンター・レーベル下部の “ST33” の3の字体が丸いかどうかだけというのだから恐れ入る。まぁこのレコードに関してはジャケットだけを壁に飾り、中身の方は隣室の “一生聴かないかもしれないコーナー” 行きなのでレーベル云々は関係ないのだが...
このレコードの存在を知ったのは半年ほど前のことで、Discogsでドイツ製の輸出仕様盤について調べていた時に偶然見つけたのが事の発端だった。カタログ・ナンバーのアタマがSMOで始まる盤を検索すると、「ヘルプ!」のジャケ左上のodeon/EMIロゴが青色の縁取りの盤、同じ構図でロゴの縁取りが緑色の盤、そしておなじみの手旗信号写真ではなくビーチで佇む4人のショットをフィーチャーした盤の3種類がヒット。ビーチの写真といえば見開き日本盤の裏ジャケやメキシコ盤のものしか知らないが、そのどちらとも違う写真が使われており、柔和なポールの表情とそれを見つめるジョンの屈託のない笑顔、ちょっとお疲れ気味(?)のジョージ、そしてペンキまみれで情けない顔のリンゴという4者4様のコントラストがめっちゃエエ味を出していた。
すぐに “コレは欲しい!!!” と思って値段を見たのだが、目の玉が飛び出るようなスーパーウルトラ・プレミア価格にビックリ... (゜o゜) ユーロやポンドで4桁行くなんて、とてもじゃないが手を出せる額ではない。ビートルズ関連で10万円を超えるのはステレオ金パロとブッチャー・カヴァー、インドSP盤ぐらいしか知らなかった私には衝撃的な出会いだった。その後、eBayでも網を張ってみたところ半年間で2回出品されたが、どちらも10万円前後で落札され、貧乏コレクターの私はただただ指をくわえて見ているしかなかった。
このレコードはドイツ製のスイス向け輸出盤(SMO 984008)で、レーベルは珍しいイエロー・オデオン。スイスの Ex Libris というクラブ・イシューで、プレス枚数が極端に少なかったため(←スイスやもんね...)鬼のようなプレミア価格で取り引きされているという。eBay を見てみると “MEGARARE”“MONSTER RARE(笑)”“ULTRA HARD TO FIND” といった煽り文句と共に出品され、大金持ちコレクターによる凄まじい争奪戦が展開されるのだ。
そういうワケですっかり戦意喪失した私は Discogs に戻って“SMO”の検索を再開したのだが、そこで見つけたのが2000年にリリースされた “ビーチ・カヴァー” のカウンターフィット盤。Discogs では今年の9月からアンオフィシャル・リリース盤、つまりブートレッグの取り扱いを禁止しているが、その時はまだカウンターフィット盤がカタログに載っていて堂々と買うことが出来たのだ。
もちろん本物を手に入れるに越したことはないが、宝くじでも当たらない限りそれは不可能に近いし、「ビーチ・カヴァー」に関してはあくまでもジャケット目当てなのでカウンターフィットの偽物音質でも気にならない。逆にたったの $25であの魅惑のジャケットが手に入ると思うと居てもたってもいられなくなり、私は即買いを決めた。
届いたレコードはさすがに偽物だけあってジャケットの造りはそれなりだが、価格差を考えれば致し方の無いところ。魅惑のジャケット・デザインをLPサイズで安く手に入れただけで十分だし、カウンターフィット盤なんて所詮そんなものだろう。将来万が一アブクゼニを手にするようなことがあれば是非とも本物を拝んでみたいものだ。
音の方はハッキリ言ってゴミ(笑)で、A①「ヘルプ!」なんか例のギターの下降フレーズが聞こえないに等しく、何じゃいこれは???という感じ。これ以上聴いても時間の無駄だと思って針を上げたので残りがどんな音か知らないが、元々目の保養のために買ったレコードなので正直どうでもいい。ただ、センター・レーベルだけはオリジナル盤を細部まで精巧に再現しており、唯一の違いはセンター・レーベル下部の “ST33” の3の字体が丸いかどうかだけというのだから恐れ入る。まぁこのレコードに関してはジャケットだけを壁に飾り、中身の方は隣室の “一生聴かないかもしれないコーナー” 行きなのでレーベル云々は関係ないのだが...