shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ビートルズのスウェーデン盤特集①「Let It Be」

2017-11-12 | The Beatles
 これまで何度も書いてきたように私を各国盤蒐集という桃源郷に引きずり込んだのは例のガイド本「アナログ・ミステリー・ツアー」だが、ページの半分以上を有象無象の再発盤やUS盤、日本盤に割いているあの本の中で私の興味を引いたのがインド盤とドイツDMM盤(←コレは再発やけどめっちゃ良かった!)、そして今日取り上げるスウェーデン盤だった。
 まず私の目に留まったのが「ホワイト・アルバム」のスウェーデン盤に関する記述で、“毎日お風呂に入りそうな、清潔な音” という表現に興味を抱き、次に「レット・イット・ビー」の “原盤の音情報を忠実に記録する技術力がある”“プレスが非常に丁寧で、NZ盤を彷彿とさせる幽玄な音を聴かせる” という記述に “何かちょっと面白そうやな...(^_^)” と好奇心をそそられ、“他のタイトルに関してもNZ盤のUKマザーといい勝負をするのではないか” “スウェーデン盤は中々市場に出回らず、いざ探そうとすると入手は難しい” という行を読んでコレクター魂に火が付いたというワケだ。
 まず最初にどんな盤が出品されているのか見ようと eBay で検索してみたのだが、ビートルズのスウェーデン盤はワンボックスEMIのシルバー・パーロフォン盤ばかりでガッカリ(*_*) 「ヘイ・ジュード」のUK輸出仕様LP以外の銀パロ盤に用はない。しかし Discogs を見てみると、“幽玄な音” とやらを聴かせるという「レット・イット・ビー」が何枚か出品されていたのでその中から一番盤質が良さそうなのを購入。スウェーデン盤は狙ってる人がまだ少ないせいか、€20で買うことが出来た。
 一口にスウェーデン盤と言ってもアップル・レーベルになって以降はそのヴァリエーションは多岐にわたっており、私が調べた限りでは一体どれが1stプレスなのか、はたまたどれが一番音が良いのかがハッキリしない。私が買った盤はジャケットがドイツ製(←裏ジャケ右上にドイツを表す国別コード 1C が記されている)でレコード本体は Made In Sweden、しかもセンター・レーベル右上にあるカタログ№はオランダを表す国別コード 5C で始まっており(←本に載ってたのはココが PCS 7096 で、多分スウェーデン国内向けプレス)、これはつまりスウェーデンでプレスした盤をドイツ製のジャケットに入れてオランダで販売したということを意味している。ややこしい話が苦手な私は、裏ジャケがレッド・アップルでマトが YEX 773-3U PCS 7096 A/YEX 774-3U PCS 7096 B MA ということで、たぶん初期プレスだろうと判断した。
 このレコードは私にとって初めてのスウェーデン・プレス盤ということで一体どんな音がするのか興味津々だったが、そもそも湯浅氏の言う “幽玄な音” とは一体どんな音なのか、何となく分かったような分からんような曖昧な表現でスッキリしない。「幽玄」を辞書で調べてみても「趣きが深く味わいが尽きないこと」となっていて、趣きや味わいとは無縁の生活をしている私にはいまいちピンとこなかったので、私はレコードが届くのが待ち遠しくて仕方なかった。
 届いたレコードはジャケットも盤もピッカピカで、もうそれだけでテンションが上がってしまう。で、肝心の音だが、ハッキリ言ってコレは「大当たり」!! 一番の特徴は倍音成分が豊かなことで、そのために音に厚みを感じるところが◎  A①のアコギなんかまるで弦の数が増えたかのように豊かな音色で響くし、ジョンやポールのヴォーカルも輪郭がハッキリしていてシャープに聞こえる。A③なんかまさに“幽玄” を絵に描いたようなサウンドだし、B②やB⑤といったストレートアヘッドなロックンロール・ナンバーも軽快で小気味よいノリが満喫できる。UKマザーながら手持ちのどの「レット・イット・ビー」とも一味違う独自のサウンドで、私はめっちゃ気に入った(^.^)  ニュージーランドとオーストラリアも一段落したので、次はスウェーデン盤を狙おうかな...

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