shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Burn / Deep Purple

2009-01-15 | Hard Rock
 日本におけるディープ・パープル神話は未だに絶対的なモノがある。私は日本のロック・シーンに最も強い影響を与えたバンドはベンチャーズとディープ・パープルの2つだと思っているが、実際に楽器を手にしたバンド少年達にとって、特にパープルの曲は教科書のような存在だったのだろう。彼らはシャウトするヴォーカル、延々と続くギター・ソロ、ヘヴィーなリズムと、まさに様式美ともいえる古典的なスタイルで何ものにも勝るカタルシスを与えてくれたし、何よりもコピーしやすかった。ギターを弾いたことのある人ならまず間違いなく「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のイントロを弾いてみたことがあるはずだ。だからハードロックを演るバンドのほとんどは複雑なゼッペリンではなくパープルのスタイルを踏襲していた。そう、日本でパープルというと必ず引き合いに出されるのがレッド・ゼッペリンなのだが、私にとってはこの両雄は同じハードロックを演ってはいても、そもそも立っている土俵が違っていたように思えてならない。どちらが良いとかそういう問題ではなく、例えればF1とラリーを比べるようなものだ。ヨーロッパ的なクラシック音楽に対する憧憬を内に秘めながらハードロックの究極の姿をとことんまで追求したパープルと、土着的なリズム&ブルースやブリティッシュ・トラッド・フォークの薫りを発散しながらハードロックの可能性に固執したゼッペリン。だからハードロックの様式美を何よりも尊重する日本でパープルが大ウケしたのだろう。
 私が最も愛聴したパープルのアルバムはご多分に漏れず「マシン・ヘッド」と「ライヴ・イン・ジャパン」だが、曲単位でいうとダントツにこの「バーン」が好きだ。この曲を初めて聴いてからもう30年以上経つが、未だにイントロのギター・リフを聴いただけで鳥肌が立つ。疾走感に溢れ、無駄な音が一つもない完璧なソロを弾ききるリッチー・ブラックモアのギターは神懸かっているし、間奏でリッチーと壮絶なバトルを繰り広げるキーボードのジョン・ロードも彼の生涯ベストのプレイを聴かせてくれる。デヴィッド・カヴァーデイルのヴォーカルも冴え渡ってるし、イアン・ペイスのドラム連打も凄まじい。とにかくこれを聴いて血沸き肉踊るような衝動にかられなければロック・ファンではない、と言い切ってしまいたいくらいカッコ良い演奏なんである。思わずコーフンしてしまったが、これこそが私のディープ・パープルなのだ。
 今回ブログに載せるにあたって「バーン」の映像はやっぱりカリフォルニア・ジャムのがエエかなぁとか考えながらYouTubeで検索してみたところ、めちゃくちゃオモロイ映像が見つかった。葉加瀬太郎率いる“クライズラー&カンパニー”が聖鬼魔Ⅱのギター、ドラムスとの共演で「バーン」をベートーベンの「運命」と融合させるという初期ELOもビックリの荒ワザが炸裂、情熱大陸をも深紫に染めんばかりの勢いはまさに新世紀のロール・オーヴァー・ベートーベンだ。タイトルがこれまた笑える... 題して「交響曲第5バーン(爆) 炎のベートーベン」... あかん、またハマりそうや... (≧▽≦)

Deep Purple-Burn


"Burn / Symphony No.5" - "交響曲 第5バーン"

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