shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

アイルランド盤で聴くビートルズ・ソロアルバム特集

2019-05-11 | Paul McCartney
 興味本位で買ったジョンの「ロックンロール」とポールの「アイルランドに平和を」のアイルランド盤が両方とも大当たりだったこともあって、私は他のビートルズ関連の LPもアイルランド盤で聴いてみたくなった。まず本体のビートルズを Discogsで調べてみたが、リアルタイムで出たアイルランド盤は「ホワイト・アルバム」しか載っていない。次に popsikeで過去の eBayデータを調べてみたところ、「アビー・ロード」と「レット・イット・ビー」もアップルのレーベルで出ていることが分かったが、他のアルバムはみんな70年代リイシューと思しき2ボックス EMIの銀パロ・レーベルしか出てこない。
 ソロの方もアイルランド盤は少なくて、ジョンでは「ロックンロール」以外に「ジョン魂」「イマジン」「シェイヴド・フィッシュ」、ポールでは「バンド・オン・ザ・ラン」と「バック・トゥ・ジ・エッグ」が出ているだけという厳しい状況である。私はそれらの中から盤質の良さそうな「バンド・オン・ザ・ラン」「バック・トゥ・ジ・エッグ」「ジョン魂」の3枚をオーダーした。
 まず最初に届いたのが「バンド・オン・ザ・ラン」で、センター・レーベルは他国盤とは違ってシルバー・パーロフォン(盤の重さは128g)。マトは -2/-5(IRL刻印あり)ということで70年代後半のプレスと思われる。私が持っているUK盤はパワフルな音が楽しめるラウドカット盤(マト-1/-1, 132g)と精緻を極めた極上サウンドが絶品のフィリップス・プレス盤(マト-3/-3, 130g)の2枚だが、このアイルランド盤は中庸を行くとでも言えばいいのか、手堅くまとめたカッチリとした音に仕上がっている。特にマト5の B面でもマト2の A面に遜色のないソリッドな音が聴けるので、Bラスの「1985」なんか結構力強いサウンド展開が楽しめる。とにかくマト番が若くないにもかかわらず芯がしっかりしたサウンドになっているのはさすがアイルランド盤といったところか。
 「バンド・オン・ザ・ラン」の翌日に届いたのが「バック・トゥ・ジ・エッグ」で、センター・レーベルはやはりシルバー・パーロフォンだ。マトは -2/-1で、やはり IRLの刻印がある。手に持った感触がズシリと重かったので量ってみると何と147gもある。比較対象としてUKオリジナル盤(マト-2/-2)を量ってみたが129gしかなかった。実際に音を聴いてまず感じたのは音が UK盤よりもデカいことで、A①「レセプション」のポールのベースが大音量でアグレッシヴに轟きわたるのを聴いて腰を抜かしそうになった。すぐに針をあげて UK盤をかけてみたが、こちらもかなりガッツのある音で鳴るものの、ラウドなアイルランド盤に比べると少々大人しく感じてしまう。特にA②「ゲッティング・クローサー」やA④「スピン・イット・オン」といったロック曲でその差が顕著なのだが、圧巻は何と言ってもB①「ロケストラのテーマ」とB⑥「ソー・グラッド・トゥ・シー・ユー」の2曲で、まるで巨大な音の塊が眼前に迫ってくるかのようなド迫力には言葉を失ってしまうほど。これだけでも “ホンマに買って良かったぁ...(^o^)丿” と大喜びした。
 それからかなり遅れて(←メールで催促するまで放置されてた... 他にもマト違いやレーベル違いを送ってきたりとか、最近の Discogsのセラーはホンマに質が低下しとるわ...)「ジョン魂」が届いた。こちらは1970年代初めということでグリーン・アップル・レーベルなのだが、マトは -2/-3 で重量も126gと軽め。UKオリジナル盤(マト -1/-1 で重量139gのホワイト・アップル・レーベル)と比較試聴してみたところ、こちらは完全に UK盤の圧勝で、A①「マザー」の鐘の音からして全然違うし、ベースの音の強さも雲泥の差。特にこのレコードは楽器構成が非常にシンプルなので、そのあたりの差が残酷なぐらいにハッキリと出てしまうようだ。それにしても「ジョン魂」UK 1stプレス盤の音ってホンマにエグいなぁ(≧▽≦)
 結局、今回のアイルランド盤チャレンジは、ポールの2枚が“当たり”で、ジョン魂は“ハズレ” という感じ。まぁ未知の世界に踏み込んでいくわけだからこれからも“ハズレ”盤をつかむことは多々あるかもしれないが、それと同じか上回る確率で“当たり”盤をゲットできれば御の字だ。「○○カヴァー」や「△△カット」といった有名なコレクターズ・アイテムもいいが、誰も知らない高音質盤を自分の手で発掘するのもまたファンの愉しみのひとつなのだ。

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