shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Pat Benatar特集①

2022-03-08 | Rock & Pops (80's)
 私は何の前触れもなく突然ある曲が頭の中で鳴り出して止まらなくなることがよくあるのだが(←ないですか?)、先週の土曜日にふとしたことからパット・ベネターの「All Fired Up」が脳内リフレインを始めた。ちょうどヒマだったのでオトシマエをつけようと手持ちのパットのレコードを片っ端から聴きまくったところ、すっかり気分は80'sへとトリップ。久々に聴くパット・ベネターのカッコ良さにすっかりやられてしまい、やっぱり80'sの曲はキャッチーでエエなぁ...などと感心しながら週末はずーっとパット・ベネター祭りで盛り上がった。早速このブログでも彼女を大特集... まずはデビュー・イヤーの1979年から全米を制覇した1981年まで。

①In The Heat Of The Night(CHE-1236)
 1979年、イギリスでは見かけ倒しのロンドン・パンクが、アメリカでは中身のない軽薄ディスコが流行っていて、真正ロックンロール好きの私はヴァン・ヘイレンやボストンを聴いて渇きを癒していたのだが、そんな中、彗星のように現れたのがパット・ベネターだった。“女性版ロバート・プラント” と言っても過言ではないハイトーンのシャウトをブチかます彼女に惚れ込んだ私は速攻でデビュー・アルバム「In The Heat Of The Night」を買いに洋盤屋へと走った。同じ系統の女性ヴォーカリストとしてはハートのアン・ウィルソンがいたが、声質の違いなのかパットのヴォーカルはキンキンこないので私はパットの方が好きだった。何はさておきA①「Heartbreaker」のアグレッシヴなサウンドをアンプのヴォリュームを上げて全身で受け止めるべし。泰平の眠りを覚ます衝撃のデビュー・アルバムだ。
Pat Benatar - Heartbreaker - live - best performance - HQ


②Crimes Of Passion(CHE-1275)
 パットの2ndアルバム「Crimes Of Passion」はリリースと同時にすごい勢いで売れまくり、全米アルバム・チャートでは5週連続で2位を記録、当時1位を独走していたジョンの「Double Fantasy」に阻まれて惜しくも1位獲得はならなかったものの、前作を超えるトリプル・ミリオンを記録する大ヒットとなった。その勢いを支えたのがシングル・カットされた「Hit Me With Your Best Shot」で、彼女の代表曲と言っても差し支えないこの曲が洋楽系ラジオ番組でガンガンかかっていたのを思い出す。他にも攻撃性むき出しのA⑤「Hell Is For Children」やダンナのニール・ジェラルドのギターが大活躍するB①「Little Paradise」B⑤「Out-A-Touch」など、ロック魂を煽るようなアッパーな曲が多く入っており、私のようなロックンロール中毒者にはたまらない1枚だ。そんな中で異彩を放っているのがケイト・ブッシュで有名なB③「Wuthering Heights」(嵐が丘)で、ニールのエモーショナルなギター・ソロが聴き所だ。
Pat Benatar - Hit Me With Your Best Shot (Live)


③Precious Time(CHR-1346)
 パットが前作で果たせなかった全米№1をついに獲得した記念すべきレコードが3rdアルバムの「Precious Time」だ。内容の方は1stと2ndアルバムで確立したスタイルを踏襲したハードでポップなアメリカン・ロックで、その手堅い作りが功を奏したと言えそうだ。とにかくあの小さな身体のどこにそんなパワーが潜んでいるのか不思議に思えるぐらいよく通るハイノートは痛快そのもので、ニールのギターも絶好調。ライヴ映像を見ればわかるようにこの人は曲に合わせて様々なスタイルで弾けるギターの名手なのだが、やはり小気味よいロックンロールがこの人には一番よく似合う。シングル「Fire And Ice」で聴けるように、必要最小限の短いフレーズで言いたいことを言いきってしまうところが凄いと思う。Bラスにビートルズの「Helter Skelter」のカヴァーが収録されているのもポイント高しで、パットの歌い方といい、バックの演奏といい、オリジナルへのリスペクトが強く感じられる名カヴァーだと思う。
Helter Skelter (Bonus track)