shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

各国盤頂上決戦⑤「A Night At The Opera」

2022-03-04 | Queen

 クイーンの各国盤は「Queen Greatest Hits」大特集をやる半年ほど前に「The Game」を取り上げたのが最初だが、その後「オペラ座の夜」の面白いヤツを手に入れたので、今回はそれも含めて「オペラ座」の各国盤を特集しようと思う。エントリーはUK盤の他にはビートルズの各国盤で実績抜群(?)のインド盤、ウルグアイ盤、イスラエル盤の4枚。US盤は音がショボすぎて各国盤の“頂上”を決める戦いに相応しくないのであえなく予選落ちとなった(笑)

①UK盤(YAX 5063-2 BLAIR'S / YAX 5064-3 BLAIR'S)
 「オペラ座」の UK 初版は両面マト2らしいが、私の持っているのは2/3盤。両面ともスタンパーは3桁だが、盤質がめちゃくちゃ良いせいもあってかなり凄い音で鳴ってくれる。例えばA①「Death On Two Legs」の出だしなんか色んな楽器が入れ代わり立ち代わり登場するので比較試聴には最適なパートだと思うのだが、このUK盤は “おぉ、これは凄いやん!” と思わず唸ってしまうくらいクリアーでクリスプなサウンドが楽しめるのだ。又、B④「Bohemian Rhapsody」のイントロ部分なんか “盤質こそが大正義” の最たるものだと思うが、この盤は余程音溝の状態が良いのか、チリパチ音のほとんど無い状態で(←これ結構貴重です!)あの万華鏡のようなコーラス・ワークを堪能できるのが嬉しい。

②インド盤(YAX 5063-1 / YAX 5064-1)
 インドの「オペラ座」のマトは UK 盤とは違うフォントの独自カッティング。ビートルズでこれまで何度も経験してきたようにインド盤の独自マトというのは大当たりか大ハズレかのギャンブル的な要素が強いのだが、この「オペラ座」に関する限りは最高に当たったのである\(^o^)/  まず手に持った感触がズシリと重く、“おぉこれは!” と思って重量を測ると、何と169gもあったのだ(→UK:122g、URY: 151g、ISR:115g)。次に盤面をパッと見て気が付くのはデッドワックスの狭さで、試しにA面の音溝の幅を測ってみると8.5cm(→他はすべて8cm)もあって、もうそれだけで期待が高まってくる。実際に聴いてみた音はと言うと、とにかく音圧が高く、各楽器のアタック音の強いことといったらオリジナルの UK 盤をも凌駕するほどで、ヴォーカルはめっちゃ近いし、ギターは切っ先鋭いナイフの如しだし、ドラムは豪快に爆裂するし、ベースはちゃんと存在を主張してるし、コーラスは分厚いしで、こんな凄い「オペラ座」はこれまで聴いたことがない。インド人もびっくりのスーパーウルトラ高音質盤だ。

③ウルグアイ盤(YAX-5063 / YAX-5064)
 ウルグアイ盤の「オペラ座」はジャケットにメンバー4人の星座をあしらった例の紋章ロゴが無く、白地にバンド名とタイトルだけというシンプル極まりないディフ・ジャケで、“クイーンのサージェント・ペパーズ” と言っても過言ではない絢爛豪華な中身を考えるとどうしても違和感を覚えてしまう。ウルグアイ人には理解できないかもしれないが、少なくとも私にとってアルバムというのはパッケージングも含めてのトータル作品なのだ。
 盤の方は UK とも US とも違う独自マトで、そのウォーミーで骨太なサウンドから判断するにおそらくチューブ・カッティングだろう。ブライアンのギターが目立っているものの、ジョンのベースはややおとなし目でロジャーのドラミングも律儀そのもの。基本的にバックの演奏とコーラスワークでフレディーのヴォーカルを引き立て、そこにブライアンが切り込んでいくという感じの音作りになっている。独自マトらしいユニークなサウンドと言えるが、そのあたりは好き嫌いがわかれるかもしれない。音圧も十分あるし他では聴けない音なので私的にはこれはこれで大いにアリだと思う。

④イスラエル盤(YAX 5063-4 Q BLAIR'S / YAX 5064-3 Q BLAIR'S)
 ウルグアイ盤「オペラ座」のジャケットは私的には NG だが、同じディフ・ジャケでもこのイスラエル盤「オペラ座」のジャケットは文句なしにカッコイイ(^o^)丿 これは UK 盤のインナー・スリーヴに使われた写真に例のロゴとアルバム・タイトルを組み合わせたもので(←よく見るとアルバム・タイトルの下にミミズが這ったようなヘブライ語が書いてある)、ジャケット・デザイナーのセンスの良さに感心してしまう。私なんかこのジャケットだけで買いを決めたほどだ。中身のサウンドも期待以上で、基本的にはUKマザーの音ながらベース・ラインがよく出ており、Q刻印が効いているのか(←他アーティストの盤にもあるので Queen の Q ではなさそうだ...)、イスラエル・プレスならではのタイトで引き締まった音が楽しめる。

【 最終結果:IND > UK > ISR > URY 】