shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Beatles For Sale」南ローデシア盤

2021-01-16 | The Beatles
 先週の火曜日、新年の挨拶も兼ねて2021年最初の “B-SELS詣で” に行ってきた。私は人混みが大嫌いなので新年早々クソ寒い中わざわざ “初詣で” に行く人の気がしれないが、“B-SELS詣で” なら毎日でも行きたい。とにかくいつもビートルズが大音量の良い音で聴け、しかも店主のSさんとビートルズ話が出来るのだから、ビートルズ・ファンにとってはまさにパラダイスみたいな場所なんである。
 この日の私のお目当ては12月30日の「日記」コラムに書かれていた「Beatles For Sale」の南ローデシア盤。南ローデシアといえば、去年B-SELSで「A Hard Day's Night」を聴かせていただいて、そのスパーン!と竹を割ったような “陽キャ”サウンド(笑)がめっちゃ気に入って即購入し、その後も運に恵まれて「Help!」や「The Big Beat Of The Beatles」と順調にゲットしてきたのだが、「Beatles For Sale」だけがどうしても手に入らず、「For Sale」で八面六臂の活躍を見せるジョージのギターを南ローデシア盤の煌びやかなサウンドで聴いてみたいなぁ... と思っていたのだ。
 そんな南ローデシア盤「For Sale」が年の瀬も押し詰まった30日の「日記」に登場したのだからこれはえらいこっちゃである。Sさん曰く、“盤VG++。わずかなキズはあるが、EXに近い、大変状態の良い盤。キズによるノイズはほとんどなく、音溝の状態も良く、音も素晴らしい。極少数プレスしたため、音の鮮度は非常に高い。なおかつ、この南アフリカ・カッティングは音圧が高く、思い切りの良い、個性的で、煌びやかな音である。” とのこと。私の音の好みを知り尽くしたSさんがまるで私をピンポイントで “狙い撃ち” しているかのような(笑)誘惑的な文章だ。これは是非とも聴かせてもらいに行かねばならない。新年初営業の3日は常連さん達でごった返しそうなので、日をずらして平日5日の夕方を狙って入店するとラッキーなことに他のお客さんはいない。これでじっくりと試聴できそうだ(^.^)
 新年の挨拶を済ませ、早速お目当ての「For Sale」を聴かせていただく。まずはA①「No Reply」... あれ? 想像してたのとちょっと違うぞ... 何か高音が強すぎてサ行が刺さるような感じだし、サーフェス・ノイズもやや大きめだ。とにかく高域寄りのサウンドが耳について、“硬質な煌びやかさ” という南ローデシア盤サウンド一番の美点に耳が行かない。
 しかしB面に行くと、A面で感じた 違和感はほとんど感じられず、B①「Eight Days A Week」からかなりエエ感じの音で鳴っている。これこそまさに私の知る “南ローデシア盤の音” である。この時点で敢えて点数を付けるとすれば、以前こちらで買った「A Hard Day's Night」を100点満点として、A面65点、B面85点というところ。
 う~ん、困った。南ローデシア盤なんてプレス枚数がめちゃくちゃ少ないせいでeBayにも滅多に出てこないので、この機会を逃せば次いつ巡り合えるか分からないし、美盤とは言えないにしてもこれ以上の盤質のレコードを探し出せるという保証はどこにも無い。でもA面がイマイチやったし、どうしようかなぁ... と迷っていると、その様子を見ていたSさんが、“今のはステレオ針で聴いたせいかA面でちょっとノイズを拾ってましたね。いっぺんモノ針で聴いてみましょうか...” と仰った。
 私は常日頃からモノラル盤は必ずモノ針で聴くようにしているので、 “是非お願いします!” とその申し出に飛びついた。ということでもう一度A①「No Reply」から再スタート。おぉ、これはさっきとエライ違いだ。低・中・高域のバランスが取れていて非常に聴きやすいし、サーフェス・ノイズもほとんど気にならないレベルだ。これこそまさに絵に描いたような南ローデシア・サウンドである。私がSさんにサム・アップして “針を変えただけでえらい音が変わりましたね。これはめっちゃエエですわ!” と言うととても嬉しそうな顔をされた。
 結局B面ラストまで聴かせていただいて “これ買います!!!” と即決し、ついに念願の「For Sale」南ローデシア盤が手に入れることができたというワケだ。念のために帰ってから自システムのオルトフォン・モノ・カートリッジで再生してみたところ、申し分ない凛々しい音で鳴ってくれて大満足。それにしても南ローデシア盤ってホンマにエエ音しますな(^.^)