shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ロネッツのカナダ盤ゲット\(^o^)/

2020-08-29 | Wall Of Sound
 私はガイド本「アナログ・ミステリー・ツアー」に各国盤蒐集の面白さを教えてもらった人間だが、実際のところ、そこまでして音の違いを楽しみたいと思えるほど入れ込んでいるアーティストはビートルズを筆頭にほんの一握りで、ほとんどの場合はオリジナル盤さえあればそれで十分だ。そんな私が“アーティスト”ではなく“レーベル”単位で各国盤の音の違いに興味を持っているのがご存知フィル・スペクターのフィレス・レーベルだ。
 ちょうど半年ほど前にも “新春音壁祭り” と題してフィレスのUK盤(ロンドン・レコードのプラム・レーベル)を特集したが、先日フィレスのカナダ盤を手に入れることが出来たので今回はそれを取り上げようと思う。
 ロネッツやクリスタルズがまだ現役バリバリだった60年代当時、オリジナルのUS以外でフィレス・レーベルのレコードがリアルタイムでリリースされていた国といえばイギリス、オーストラリア、カナダ、日本ぐらいだったが、そんな中でもカナダ盤はほとんど市場に出てこず入手が非常に困難なのだ。
 しかしラッキーなことに Discogsから “ほしい物リスト” に登録しておいたロネッツの「Presenting The Fabulous Ronettes Featuring Veronica」のカナダ盤が出品されたという通知が来たのでこれはエライコッチャとばかりに商品説明を見てみると、盤質 VG+で $160というお買い得価格だ。Discogs はeBay と違って写真が無いので普段ならメールで盤面やジャケットの写真を送ってもらうことにしているのだが、そんな悠長なことをしている間に他人に買われてしまっては元も子もないと思い、私は即買いを決めた。
 レコードが届いたのはその2週間後で、コロナのせいで1ヶ月くらいかかるんちゃうかと思っていた私の予想よりもかなり早く到着。急いで中身をチェックすると、盤質もジャケットも説明通りのコンディションで一安心だ。センター・レーベルはカナダ独自の黒レーベルで、初めて実物を手にできてめっちゃ嬉しい。60年代中期から後期のカナダ盤に多く見られるDG(←いわゆるひとつの深溝ですね)は無い。
 盤の重さは139gでUS盤(163g)UK盤(158g)OZ盤(160g)に比べると圧倒的に軽く、ビニールの材質も他国盤とはかなり違っているようだ。肝心の音の方はUSオリジナル初版の青レーベル盤ともUKプラム・レーベル盤ともOZ黒レーベルとも微妙に異なるカナダ独自のドライなサウンドで、こってりした濃厚な音が魅力のUS盤との聴き比べが楽しい。もちろんUS盤の方が王道の “ウォール・オブ・サウンド” だがこのカナダ盤の音も魅力的だし、ビートルズの場合と同じくロネッツもUS盤とカナダ盤で音が違うというのが実に面白い。
 ロネッツのこの「Presenting The Fabulous Ronettes Featuring Veronica」はビートルズ関連を除けば無人島ディスクの最有力候補と言ってもいいくらい大好きなレコードなので、それを各国盤の色んな音で取っかえひっかえ楽しめるというのが何よりも嬉しい。各国盤蒐集の楽しみは尽きませんな...(^.^)
THE RONETTES (HIGH QUALITY) - BABY I LOVE YOU