shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Let It Be」UK BOXの極美品ゲット②\(^o^)/

2020-08-03 | The Beatles
 B-SELSに行った時はレコードを聴き終えた後も時間の許す限りSさんとビートルズ談議に花を咲かせるのだが、UKボックスを聴かせていただいた日は “じゃあ今日はこれくらいで...” とそそくさとお店を出た。何としてもこの逸品を手に入れたいという思いで頭が一杯で、一刻も早く家に帰って財布と相談したかったからだ。
 しかしそんな私を待っていたのは厳しい現実だった。ここのところ、車の修理代やらパソコンの修理代やら(←冷却ファンがぶっ壊れたのでアイスノンを下に敷いて使ってたらマザーボードが焼けてもうて起動せんようになった...)の高額出費が重なって、とてもじゃないが79,800円のボックス・セットをポンと衝動買いする余裕などない。私は “やっぱりアカンか...” と一旦は諦めかけた。
 しかしその日の晩ふとんに入って目を閉じると数時間前に聴かせていただいた “あの音” が頭の中で鳴り出して中々寝付けない。その翌日も同様で、ふとんの中で悶々とするハメに...(*_*) そこで私は考えた。こんなに気になるんやったら少々無理をしてでも買ってしまおうと。試聴ができないネット・オークションであれほど完璧なコンディションの「Let It Be」を見つけるなんて砂漠の真ん中で針を探すようなもの。もしもこうやって二の足を踏んでいるうちに売れてしまったら、今後ずーっとあのジャケットを見るたびに後悔するハメになるのは目に見えている。幸いなことに月曜は B-SELS の定休日なので、火曜に行けばまだお店にある可能性は高い。予定になかった79,800円の出費は確かに痛いが、来月レコードを一切買わなければ何とかなるだろう。去年 SGT ニンバス盤や PPM 1G 盤を買った時と同じく今年の夏もレコード断食をすることになろうとは夢にも思わなかったが、こんな千載一遇のチャンスを逃す手はない。
 そうと決めたら善は急げだ。翌日、私は仕事を早めに切り上げて有休を取り、ATM でお金を下ろしてから B-SELS に直行した。4月に転勤になったおかげで職場から20分で行けるようになったのもラッキーだ。もう一生今の職場でエエわ(^.^) 
 お店に入っていくと “えっ? 今日はどうしはったんですか?” と驚かれる Sさん。平日の午後4時すぎに行ったのなんて多分初めてだろう。“実は例のボックス・セットの音が忘れられませんねん。ふとんに入ってもアタマの中で鳴りっ放しやし、仕事中も気になってしゃあないしで、仕事を早めに切り上げて来ましたんや。もう一回聴かせて下さいm(__)m” とお願いすると快諾して下さった。
 う~ん、やっぱりミント盤はエエのぅ... と悦に入る私。Sさんも気持ちよさそうに目をつむって聴いておられる。やっぱり今日来て大正解やったわと思いながら、お店のスピーカーから飛び出してくる “すさまじい音” を堪能する。これは間違いなくくれまで聴いてきた中で最高の「Let It Be」... まさに “一生モノ” の音である。Sさんが商品説明に書かれた “極美品! 宝物です!!” という表現が決して誇張ではないことが実感できる究極の音だ。アルバムを聴き終わると同時に “これ、いただきます!” と言うと、Sさんも “ありがとうございます。これほどの美品は滅多に出ないと思います。” と一緒に喜んで下さった。
 早速家に持ち帰って自分のシステムで聴いてみる。う~ん、これは素晴らしい... いや、素晴らしすぎる!!! 手持ちの盤とも聴き比べてみたが、3U 盤との一番の違いは中低域の充実ぶりで、どっしりと腰の据わった豊饒なサウンドは快感そのもの。例の 2G 盤との比較では、A面はやはりボックス盤に一日の長ありで、敢えて点数をつければ10(ボックス)対9(2G)という感じ。B面は「The Long And Winding Road」の微妙な倍音の響きの美しさでは 2G 盤に一歩譲るが「I’ve Got A Feeling」の聴く者を圧倒するアーシーなノリや「For You Blue」の泥臭いグルーヴなど、2G 盤に迫る高音質で、B面は9.5(ボックス)対10(2G)と言えようか。どちらにせよ、B-SELS のおかげで、「Let It Be」50周年の今年ついに望みうる最高音質の盤を手に入れることができてめっちゃ嬉しいヽ(^o^)丿 
 レアなアナログ・レコードを探すのにネット・オークションは確かに便利だが、盤質チェックがいい加減なセラーやマザー/スタンパーの知識すらないド素人セラーも少なくないので、カスをつかまされるリスクを伴うのは避けられない。だから高額な盤はやはりこうやって実際に自分の耳で音を確かめてから買うのが一番だと思っている。そういう意味でも B-SELS のような信頼できるレコ屋さんが近くにあってホンマにラッキーだ。
The Beatles - Rare UK LET IT BE BOX