shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ストーンズのシングル盤特集④【1968-1969】

2020-07-27 | Rolling Stones / The Who
① Jumpin' Jack Flash [F.12782 英Decca / 1968.5]
 器楽アレンジメント面でブライアン・ジョーンズ色の強い「Their Satanic Majesties Request」での迷走(←私個人はこのアルバム結構好きなのだが...)を経て、新たにジミー・ミラーをプロデューサーに起用し、“俺らにはコレしかない” と完全に吹っ切れたかのようなストーンズのノリノリ・ロックンロール宣言がこの「Jumpin' Jack Flash」だ。 “ジャン、ジャン♪” というイントロのギター(←しかもアコギ!!!)から始まるシンプルなリフ攻撃に血湧き肉躍るのは私だけではないだろう。チャーリー・ワッツのツボを心得たドラミングも最高だし、絶妙なアクセントになっているマラカスの使用も心憎い。とにかくすべての楽器が然るべきところで鳴っている感じで、まさにシンプル・イズ・ベストを絵に描いたような名曲名演だ。
Jumpin' Jack Flash (Original Single Mono Version)


② Sympathy For The Devil [F13635 英Decca / 1976.4]
 前回書いたように「Paint It Black」と並ぶ私的№1ストーンズ・ソングがこの「Sympathy For The Devil」だ。「A Night In Tunisia」にインスパイアされたと思しきサンバのリズムを刻むパーカッションとマラカス、要所要所でここぞとばかりに飛来する “フッ フゥ~♪” コーラス、キンキンに尖ったギター、不安をかき立てるピアノの連打、そしてそういったすべての要素が混然一体となってまるでトランス状態に突入したかのように曲の終盤に向かってどんどん盛り上がっていく様はとても言葉では表現できないカッコ良さ(≧▽≦)  歌詞の中の “Who killed the Kennedys?” というフレーズもこの曲の持つ悪魔的雰囲気に拍車をかけている。時代の空気というのもあるのだろうが、この風雲急を告げる緊張感、ただならぬ雰囲気、二度と再現不可能な異様な世界は何度聴いても実にスリリング!!! まさにストーンズ一世一代のスーパーウルトラ大名演だ。尚、私が持っているシングル盤は73年に出たオランダ盤(6103 066)と76年に「Honky Tonk Women」のB面として再発されたUK盤(F13635)の2枚だが(←この曲の発表当時は本国イギリスではシングル・カットされなかった...)、UK盤が6:25のフル・ヴァージョンなのに対し、オランダ盤は4:12のショート・ヴァージョンなので注意が必要だ。
The Rolling Stones - Sympathy For The Devil (Official Lyric Video)

Sympathy for the Devil recording sessions with The Rolling Stones - 1968 (HD)


③ Honky Tonk Women [F.12952 英Decca / 1969.7]
 顎が落ちそうなリフを刻むギターにもう一本のギターが絡み、そこへ迫力満点のバスドラが入ってくる... いやぁ~、これはもうたまりまへんな(≧▽≦) ゆったり流れるリズムも “場末の酒場のオンナたち” にピッタリのルーズな雰囲気を醸し出していて言うことナシ。ブルージーでレイドバックした感じは快感そのもので、随所にカントリー・フレーバーを散りばめたこの曲を聴いて身体が揺れなければストーンズ流 “グルーヴ” の気持ち良さは一生分からないだろう。これこそまさに “音楽は理屈じゃない!” というのが実感できる名曲名演。それにしてもこの曲はどの時代のライヴで聴いても盛り上がれますな(^.^)
Honky Tonk Women (Original Single Stereo Version)


④ Gimme Shelter [TOP-1659 日London / 1971.11]
 この曲はイギリスでもアメリカでもシングル・カットされておらず、私の知る限りでは日本、ベルギー、フランスだけでしかシングルになっていないが、私的にはストーンズを語る上で欠かせない曲なので気にせず紹介。世評の高いアルバム「Let It Bleed」の冒頭を飾ると共にブライアン・ジョーンズ亡き後のストーンズの再出発を高らかに宣言したキラー・チューンで、この曲の存在こそが「Let It Bleed」の過大評価(→正直言ってこの曲以外は印象に残る曲が無い...)につながっていると思う。とにもかくにもこの殺気をはらんだ緊張感がたまらなくスリリングで、ゲスト・ヴォーカルとして起用されたメリー・クレイトンのソウルフルで存在感抜群の歌声もこの曲の泥臭いグルーヴ増幅に一役買っているし、ひんやりとした感触にゾクゾクさせられるイントロもカッコイイ。前半の “War, children, it's just a shot away.(戦争なんてたった一発の銃声で始まるものさ。)” と後半の “I tell you, love, sister, it's just a kiss away.(1つのキスから愛が芽生えるのさ。)” というフレーズの対比の妙がたまらなく好きだ。
The Rolling Stones - Gimme Shelter (Official Lyric Video)