shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ストーンズのシングル盤特集①【1963-1964】

2020-07-11 | Rolling Stones / The Who
 10年間愛用しているパソコン(Lifebook AH550)の冷却ファンが先週壊れてしまって修理に出していたのだが、そいつが昨日やっと返ってきた。“ガリガリ...” “ギギギ...” と凄まじい異音がしているのに使い続けた私が悪いのだが、その代償は修理代24,000円(←ファンだけでなくマザーボードまで熱でやられてたのでそっちも交換するハメに...)と結構高くついてしまった(*_*)  まぁ今となっては貴重なwindows7機なのでwindows10(←使いにくいので嫌い!!)に買い替えずにすんで正直ホッとしたし、これでネット・オークションもブログ更新も再開できるので良しとせねば... 
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 私はローリング・ストーンズの大ファンというわけではないが、レコードは結構持っている。ビートルズに比べるとアルバム曲のクオリティーに大きな差があるように思えるので(←あくまでも私見です...)ビートルズのようにスタンパーに拘ったり各国盤を集めたりするところまではいかないのだが、シングルに限って言えばそのほとんどが名曲名演のオンパレードで、かなりのレベルにあるのではないか。というワケでこれから数回に亘って“ビートルズ者” の視点からストーンズのシングル盤を特集していきたいと思う。

① I Wanna Be Your Man [F.11764英Decca /1963.11]
 レノン&マッカートニーがストーンズに贈ったとされるこの曲は本家ビートルズも「With The Beatles」の中で演っているのだが、両者のヴァージョンを聴き比べてみると、筋金入りのビートルマニアの私でさえもこのストーンズ・ヴァージョンに軍配を上げざるを得ない。ビートルズのヴァージョンにはリンゴのヴォーカルがロックンロールに向いていないという弱点があるが、それ以上に違いを生んでいるのがストーンズの尋常ならざるアグレッシヴなサウンドだ。まるでヘビー級ボクサーのパンチの乱打のような圧力で迫ってくるビル・ワイマンのゴツゴツしたベースがうねりまくって凄まじいグルーヴを生み出し、バンドが一体となって疾走するさまはまさにガレージ・パンクそのもので、理屈を超えた原始的なロックンロールの初期衝動がマグマのように押し寄せる...(≧▽≦)  初期ストーンズを聴くというのはつまりそういうことなのだ。
I Wanna Be Your Man ((Original Single Mono Version))


② Money [DFE 8560 英Decca / 1964.1]
 ビートルズ vs ストーンズのカヴァー対決(?)第2弾はバレット・ストロングの「Money」だ。ジョン・レノンのドスの効いたシャウト・ヴォイスによってこれ以上ないと思えるぐらいヘヴィーに仕上げたビートルズのヴァージョンこそが史上最強だという確信は1ミリたりとも揺るがないが、原曲を換骨奪胎して暴力的とさえ言えるパンキッシュな演奏で対抗したストーンズもかなりいい線いっていると思う。尚、この曲はイギリスではアルバムにもシングルにも入っておらず、4曲入りEP盤「The Rolling Stones」でしか聴けない貴重な音源なのだが、ドイツでは上記の「I Wanna Be Your Man」とのカップリング(←凄い!!!)でシングル・カットされているので、そちらを狙うのもいいかもしれない。
The Rolling Stones - Money (EP version)


③ Carol [72.025 フランスDecca JukeBox用プロモ・シングル/ 1964.6]
 ビートルズと同様、いやそれ以上にストーンズ(特にキース)のチャック・ベリー愛はハンパない。カヴァーした曲数も(オフィシャル・リリースに限って言えば)ビートルズが「Rock & Roll Music」と「Roll Over Beethoven」の2曲なのに対し、ストーンズはデビュー・シングルの「Come On」を始め、「Bye Bye Johnny」「Carol」「Around And Around」「You Can’t Catch Me」「Talkin’ ‘Bout You」「Little Queenie」「Let It Rock」「Don’t Lie To Me」と、私の知っているだけで9曲も演っている。そのどれもが名演なのだから恐れ入るが、中でもこの「Carol」の出来は群を抜いている。切れ味抜群のキースのギターといい、お約束のハンド・クラッピングといい、ノリ一発で一気呵成に駆け抜けるようなハイ・テンションの演奏は圧巻で、ビートルズの「Live at the BBC」ヴァージョンに比肩するベスト・カヴァーだと思う。
Carol (Mono)


④ Route 66 [23.536 ベルギーDecca / 1964.8]
 私が最も愛聴しているストーンズのアルバムは名盤の誉れ高い「Let It Bleed」でも「Exile On Main St.」でもなく、ほとんど話題にも上らない彼らのUKデビュー・アルバムなのだが(←UKオリジナル盤とは似て非なるUS盤は論外...)、そんな愛聴盤の1曲目を飾るのが他でもないこの「Route 66」だ。この曲のオリジナルはジャズ・ピアニストのボビー・トゥループで、多分ナット・キング・コールのヴァージョンが一番有名だと思うが、ストーンズはチャック・ベリーがカヴァーしたものをベースにしながら、ラウドなギターやハンド・クラッピングを加えてノリノリのロックンロールに仕上げている。この後も様々なロック系アーティストがこの曲をカヴァーしているが、その原型はすべてストーンズにあると言っても過言ではない。
Route 66 (Mono)