shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Beatles For Sale」UKモノとステレオの最初期盤

2020-01-11 | The Beatles
 私がハマっているスタンパー・コード1桁盤というヤツは毎日ネットをチェックしていても中々出てこない。マトリクスまで書いてくれるセラーの数は最近になって少しずつ増えてきたように思うが、さすがにマザー/スタンパー・コードとなると、そこまで明記してくれるセラーは稀だし、何よりもまずブツの数自体が非常に少ないのだ。
 不思議なことに、そういったレア盤が市場に出るときは何故かまとまってドバーッと出ることが結構多く、先月も「Beatles For Sale」のモノとステレオ、「Help」モノ、「Please Please Me」ステレオの計4枚のスタンパー・コード1桁盤がほぼ同時期にeBayに出品され、“もしも全部取れたら来月の支払いどないしよ???” と贅沢な悩みを抱えたものだった。
 幸いなことにそれら4枚すべてをゲットでき、支払いも何とかなりそうなのだが、今日はその中から「Beatles For Sale」の2枚を取り上げよう。まずは先に届いたステレオ盤をB-SELSに持って行った時の話から...

 私:今日は「For Sale」ステレオの両面1G盤でっせ。
 Sさん:両面1Gって、こりゃまたスゴイの手にれはりましたねー。おぉ、A①「No Reply」、めちゃくちゃクリアーですね。これは素晴らしい...
 私:盤質がエエからスタンパーの若さが引き立つんでしょうね。
 Sさん:(A②「I'm A Loser」のイントロでうんうんとうなずくと曲の途中でかぶりつきの席へと移動し、首を振り振りリズムを取りながら)めちゃくちゃ良い音ですね~、声もギターも。
 私:A③「Baby's In Black」も音が澄んでますよ、これ。A④「Rock And Roll Music」の質感が良いですね。
 Sさん: A⑤「I'll Follow The Sun」ですけど、こういう曲で一番ハッキリ差が出ますよね。私はギターの音が好きなんですけど、これは本当にキレイな音がしますね。さすがは 1G!
 私:音溝の状態が抜群に良いんでしょう。
 Sさん:当時ちゃんとステレオ針で聴いてたんでしょうね。
 私:そうそう、ビートルズの黄パロ・ステレオって時々溝がモノ針でやられてる盤ありますもん。
 Sさん:B①「Eight Days A Week」のクラッピングの音が違いますね... 特に良いですね、これ。聴く前 “1G盤ってどれくらい良い音するんかなー?” って思ってたら本当に期待通りの音でした。
 私:ギター好きのSさんが純粋にギターの音を楽しむには最高のアルバムじゃないスか?
 Sさん:(B③「Honey Don't」を聴いて“ほぉ~”と感心しながら)キレイな音やなぁ...
 私:B⑤「I Don't Want To Spoil The Party」ってビートルズの曲の中でもわりと地味な存在だと思うんですよ。でもこれを聴いたら評価が爆上げになるんとちゃいますかね。
 Sさん:これだけギターがエエ音しとったら、これはもうジョージのアルバムって言ってもいいですね。モノラル盤ではジョンの声ばっかり目立ってましたけど、このステレオ盤はジョージのギターが一番目立ってます。ギター・ソロの方ばかりに耳が行ってしまいますからね。
 私:ギターが縦横無尽に鳴ってますもんね。ジョージが活き活きとプレイしているのがよくわかります。
 Sさん:ジョージのギターをここまで聴かせる盤って他にないですよ。
 私:1GのGはジョージのGということで...(笑)

尚、その数日後に届いた「Beatles For Sale」モノラル盤はスタンパーが 1G/1RM だったが、盤質がほぼミント状態の極美盤ということもあって、最初からほぼノイズレス状態。こんなトップ・コンディションの盤には滅多に出会えないのでもう嬉しくってたまらない。これも後日超音波洗浄してから B-SELSに持って行ってSさんに聴いていただいたのだが、曲間の無音部の静けさに開口一番 “静かやなぁ...” と驚かれ、曲が始まると “ギターの煌めきが違いますねー、やっぱり....” とニコニコしながら聴いておられた。結局2人ともほぼ無言で全曲聴き終わった後、Sさんの発した“う~ん、スゴイですね。ブラボーです。” という言葉と、何よりもその満面の笑みがすべてを物語っていた。