ちょうど今から40年前の今日、ウイングス初の日本公演のために成田に到着したポール・マッカートニーが大麻不法所持で逮捕された。“寝ても覚めてもビートルズ” だった高2の私にとってポール・マッカートニーという人はまさに “現人神” と言ってもいい存在。そんなポールをナマで見れるのが楽しみで楽しみで、私はなけなしの小遣いを叩いてチケットを買い、1月28日のフェスティバルホールのコンサートを一日千秋の思いで待っていた。あの日、学校から帰ってきてテレビをつけたらちょうど晩のニュースをやっていて、手錠をはめられたポールの姿が目に飛び込んできた時は一瞬時が止まったような感じでアタマの中が真っ白になった。
しかし私は公演中止のショックよりもポールが留置場に入れられていることの方が心配で、数日間拘留された後無事釈放されて国外強制退去になった時はむしろホッとしたというのが正直なところだった。その後、2月の寒空の下、新大阪にあったウドー音楽事務所までチケットの払い戻しに行ったのだが、払い戻し窓口のちょうど真横で幻となった来日公演のパンフレットを売っており、返金されたお金はその場でパンフに化けたのだった(笑)
それから数ヶ月して「マッカートニーII」がリリースされ、例の「Frozen Jap」という曲のタイトルが物議を醸したが、私にとってポール逮捕の記憶を何よりも鮮明に思い出させるのは伊武雅刀と小林克也をフィーチャーしてシュールな笑いを追求したアルバム「スネークマンショー」の中に入っていた「はい、菊地です」という寸劇で、 “ポール逮捕をネタにすんなよ...” と思いながらもそのバカバカしいまでの面白さにハマってしまい、何度も何度も繰り返し聴いたものだった。まぁ “寒空に鼻水垂らして、なけなしの小遣い叩いて切符買った” 一人としては今聴いても高2の冬にタイムスリップしてしまう。
私にとっては後輩刑事が “先輩、イギリスと戦争するつもりですか!” と菊地を制しながら小声で(笑)“すみません、私にも1枚お願いします...” と自分もサインをもらおうとするくだりが一番のツボ。“さっきカツ丼とってやったら喜んで食っとりました...” って、ポールがカツ丼食ってる姿を想像しただけで何だか笑えてきて、ポール逮捕のショックで凹んでいた私は何となく救われたような気がした。
それにしてもこんなコントが成立するのって音楽界ではポールぐらいしかいないのではないか。警視総監がサインを欲しがるほどの人気と知名度を誇るスーパースターなんてどう考えても他にはちょっと思いつかない。ミック・ジャガーやフレディ・マーキュリーでは貫目が足らんし、やっぱりビートルズは格が違うなぁと改めて感じ入った次第。
Snakeman Show - はい、菊地です
スネークマン/ YMO 関連のポール・ネタではもう一つ、YMOの10インチLP「増殖」に入っていた「ナイス・エイジ」の間奏部分に挿入された福井ミカ(←言わずと知れたサディスティック・ミカ・バンドのヴォーカル)のナレーション “ニュース速報;22番は今日で1週間経ってしまったんですけれども、でももうそこにはいなくなって、彼は花のように姿を現します... Coming up like a flower...”(←22番とはポールの拘置所内での番号)も忘れられない。「増殖」リリースの2ヶ月前に出たばかりのポールの最新シングル「Coming Up」のフレーズをさりげなく挟み込むあたりはさすがYMOだ。
Nice Age - YMO
【おまけ①】ワシが初めて「スネークマンショー」を知ったのはのぉ、ラジオ番組で偶然耳にした「スター・ウォーズ」のパロディーじゃった。色んな方言が飛び交う「帝国の逆襲」の吹き替えをやっとったんじゃがのぉ、こいつがまたえっとぉオモロぉて、カセットに録音して擦り切れるほど聴いたもんじゃった。「スター・ウォーズ」シリーズは何ちゅーてもよぉ、クソネズミに買収される前のⅠ~Ⅵが最高なんじゃ。ワシみたいな「仁義なき戦い」好きの「スター・ウォーズ」ファンじゃったら何回聴いても笑いが止まらんのじゃけぇ、かばちたれちょらんといっぺん聴いてみてつかいや。
スネークマンショー 仁義なき帝国の逆襲 方言篇
【おまけ②】「スネークマンショー」の代表作と言えばコレ。レコードやCDに入っている音声のみのヴァージョンももちろん面白いが、2人がテレビの「ドレミファドン」に出た時の貴重な映像(←“ヤングに話題集中のスネークマンショー” というテロップが時代を感じさせますな...)がYouTubeにアップされていたので是非ご覧あれ。尚、後半に入っている西城秀樹と桑田佳祐によるレコード店ヴァージョンもめっちゃオモロイ(^.^)
スネークマンショー これなんですか?
【おまけ③】「スネークマンショー」の隠れ名作としてイの一番に頭に浮かぶのが、選挙カーがちり紙交換カーに徐々に洗脳されていく「正義と真実」。伊武雅刀と小林克也の名人芸がジワジワきます...(^.^)
正義と真実/スネークマンショー
しかし私は公演中止のショックよりもポールが留置場に入れられていることの方が心配で、数日間拘留された後無事釈放されて国外強制退去になった時はむしろホッとしたというのが正直なところだった。その後、2月の寒空の下、新大阪にあったウドー音楽事務所までチケットの払い戻しに行ったのだが、払い戻し窓口のちょうど真横で幻となった来日公演のパンフレットを売っており、返金されたお金はその場でパンフに化けたのだった(笑)
それから数ヶ月して「マッカートニーII」がリリースされ、例の「Frozen Jap」という曲のタイトルが物議を醸したが、私にとってポール逮捕の記憶を何よりも鮮明に思い出させるのは伊武雅刀と小林克也をフィーチャーしてシュールな笑いを追求したアルバム「スネークマンショー」の中に入っていた「はい、菊地です」という寸劇で、 “ポール逮捕をネタにすんなよ...” と思いながらもそのバカバカしいまでの面白さにハマってしまい、何度も何度も繰り返し聴いたものだった。まぁ “寒空に鼻水垂らして、なけなしの小遣い叩いて切符買った” 一人としては今聴いても高2の冬にタイムスリップしてしまう。
私にとっては後輩刑事が “先輩、イギリスと戦争するつもりですか!” と菊地を制しながら小声で(笑)“すみません、私にも1枚お願いします...” と自分もサインをもらおうとするくだりが一番のツボ。“さっきカツ丼とってやったら喜んで食っとりました...” って、ポールがカツ丼食ってる姿を想像しただけで何だか笑えてきて、ポール逮捕のショックで凹んでいた私は何となく救われたような気がした。
それにしてもこんなコントが成立するのって音楽界ではポールぐらいしかいないのではないか。警視総監がサインを欲しがるほどの人気と知名度を誇るスーパースターなんてどう考えても他にはちょっと思いつかない。ミック・ジャガーやフレディ・マーキュリーでは貫目が足らんし、やっぱりビートルズは格が違うなぁと改めて感じ入った次第。
Snakeman Show - はい、菊地です
スネークマン/ YMO 関連のポール・ネタではもう一つ、YMOの10インチLP「増殖」に入っていた「ナイス・エイジ」の間奏部分に挿入された福井ミカ(←言わずと知れたサディスティック・ミカ・バンドのヴォーカル)のナレーション “ニュース速報;22番は今日で1週間経ってしまったんですけれども、でももうそこにはいなくなって、彼は花のように姿を現します... Coming up like a flower...”(←22番とはポールの拘置所内での番号)も忘れられない。「増殖」リリースの2ヶ月前に出たばかりのポールの最新シングル「Coming Up」のフレーズをさりげなく挟み込むあたりはさすがYMOだ。
Nice Age - YMO
【おまけ①】ワシが初めて「スネークマンショー」を知ったのはのぉ、ラジオ番組で偶然耳にした「スター・ウォーズ」のパロディーじゃった。色んな方言が飛び交う「帝国の逆襲」の吹き替えをやっとったんじゃがのぉ、こいつがまたえっとぉオモロぉて、カセットに録音して擦り切れるほど聴いたもんじゃった。「スター・ウォーズ」シリーズは何ちゅーてもよぉ、クソネズミに買収される前のⅠ~Ⅵが最高なんじゃ。ワシみたいな「仁義なき戦い」好きの「スター・ウォーズ」ファンじゃったら何回聴いても笑いが止まらんのじゃけぇ、かばちたれちょらんといっぺん聴いてみてつかいや。
スネークマンショー 仁義なき帝国の逆襲 方言篇
【おまけ②】「スネークマンショー」の代表作と言えばコレ。レコードやCDに入っている音声のみのヴァージョンももちろん面白いが、2人がテレビの「ドレミファドン」に出た時の貴重な映像(←“ヤングに話題集中のスネークマンショー” というテロップが時代を感じさせますな...)がYouTubeにアップされていたので是非ご覧あれ。尚、後半に入っている西城秀樹と桑田佳祐によるレコード店ヴァージョンもめっちゃオモロイ(^.^)
スネークマンショー これなんですか?
【おまけ③】「スネークマンショー」の隠れ名作としてイの一番に頭に浮かぶのが、選挙カーがちり紙交換カーに徐々に洗脳されていく「正義と真実」。伊武雅刀と小林克也の名人芸がジワジワきます...(^.^)
正義と真実/スネークマンショー