shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ジョンの「ロックンロール」各国盤バトルロイヤル

2019-04-21 | John Lennon
 ビートルズの各国盤蒐集という魔界にハマってかれこれ3年になるが、今回は初登場のアイルランド盤である。きっかけは各国盤蒐集のターゲットをビートルズのソロにまで広げたことで、とりあえず各メンバーのソロ作品で自分が一番気に入っているレコードに的を絞って収集を開始。ジョンでは何と言ってもヨーコ臭のない「ロックンロール」が一番好きなので、Discogsでどこの国のを買おうかと色々物色していた時に偶然目にしたのがアイルランド盤というわけだ。しかもこれがアップル・レーベルではなく何とシルバー・パーロフォン・レーベルなんである。値段を見ると NM盤にもかかわらず €12というお買い得価格で、送料込みでも2,500円程度だ。私は迷わず ORDER をクリックした。
 届いた盤は A面のマト枝番が UK盤と同じ -1U だったがB面は -3U ということでこちらの面は手持ちの UK盤とは違っている。つまり枝番 -1U/ -3Uというレアな組み合わせの盤なのだ。聴いてみたところ、-1Uの A面はめちゃくちゃ良い音で、例えるなら音の細部まで見えるような感じ。UK 1stプレス盤とも聴き比べてみたが、アイルランド盤の絶妙なステレオ感は UK盤をも凌駕していた。
 しかし -3UマトのB面はというと、音がやや硬くて -1U マトの A面とは微妙に違う感じ。両面 -1U マトのアイルランド盤があったら最強やろなぁ... などと無い物ねだりな妄想をしながら、ものはついでと「ロックンロール」の US盤と NZ盤を引っ張り出してきて聴き比べてみた。
 まず US盤だが、実に骨太で芯のあるサウンドで、そのゴツゴツした質感はまさにラフなロックンロールにピッタリだ。アイルランド盤とはまた違った意味での “良い音” で、ちょうど「レッド・ゼッペリンⅡ」の UK盤と US盤の音の違いに感じが似ている。60年代に多いエコーまみれの US盤はゴミ以下だが、70年代(←特に前~中盤のビートルズ・ソロとゼップ)の US盤に関してはイケイケのロックなサウンドが聴けるので要チェックだ。
 続いてかけたのが NZ盤で、私としては UK、US、アイルランドと四つ巴の戦いを期待していたのだが、スピーカーから出てきた音はめちゃくちゃショボくてガッカリ。音圧は低いし、音像もこじんまりしていて脆弱。これは断じてロックンロールの音ではない。この盤が届いた時は埃やカビでノイズが酷かったので木工用ボンドでクリーニングしたのだが、クリーニング後のチェックではノイズの有無に神経を集中したせいか、プアーな音質に気付かなかったようだ。とにかくこの NZ盤は論ずるに値しない軟弱サウンド盤だった。
 NZ盤が予想外の惨敗だったので、“ほんなら OZ盤はどうなんやろ?” と考えた私はすぐに Discogsで盤質の良さそうなのを見つけて即オーダー、15オーストラリア・ドル(約1,200円)で送料込みでも2,500円弱という安値で買えてラッキーだ。届いた盤を聴いてみたところ、NZ盤とは異次元の素晴らしい音だったので喜び勇んで B-SELSに持ち込み、Sさんにも聴いていただいたのだが、“バスドラの音が強烈で、ほとんどハードロックのサウンドになってますねぇ... いやぁビックリしました...” と驚かれたご様子。“これだけドラムの音が大きいのにヴォーカルがそれに負けてないところが凄いですよね。ブラスが鳴り響くところなんかもまるでジミー・ペイジの歪ませたギターに近い音で鳴ってますし... ほら、「カスタード・パイ」のイントロのあの感じですよ、コレ。” と感心しきりで、二人してジョンの大ロックンロール大会を満喫した。
 ということで私なりの「ロックンロール」音質格付けは アイルランド盤A面1U = OZ盤(10点)> US盤(9.8点)> UK盤 1U/1U(9.5点)> アイルランド盤B面3U(9.2点)>>>>> NZ盤(5点) となった。こうなってくると、“アイルランド盤が良かったからデンマーク盤やスウェーデン盤といった北欧勢もエエんちゃうやろか?” とか “「ロックンロール」以外のレコードも OZ盤で集めたろか...” とかいう風に好奇心が疼いてたまらない。これやから各国盤蒐集はやめられまへんわ...(^.^)

【追記】今回の各国盤対決で惨敗した NZ盤さん、どーしたものかと考えた挙句モノラル再生専用盤として(←さすがにオルトフォンのモノ針でかけたらごっつい音で鳴りよったわ...笑)華麗に転身させました。モノラルのド迫力サウンドで聴くジョンの「ロックンロール」... これはたまりませんで(^o^)丿