shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

アイルランド盤で聴く「アイルランドに平和を」

2019-04-27 | Paul McCartney
 ジョンの「ロックンロール」のアイルランド盤を手に入れた話は前回書いた通りだが、あのレコードがとても良い音で鳴ったこともあって、それ以来アイルランド盤も購入対象へと昇格した。しかしアイルランド盤ってプレス枚数が少ないのか、滅多なことでは市場に出てこない。こうなったらこちらからターゲットを絞ってこちらから積極的に探すしかない。ということで、“アイルランド盤ねぇ... 次は何を狙ったろかな...”と考えていてふと思いついたのがポール&ウイングスのシングル「アイルランドに平和を」だった。
 丸腰のアイルランド市民に向けてイギリス軍が発砲し13人が亡くなったという「血の日曜日事件」に激怒したポールがイギリスを激しく非難した歌詞のせいでBBCでは放送禁止になったという曰く付きのシングルだが、アイルランドでは当然の如く1位になったと聞く。もちろんUKオリジナル・シングルは持っているが、やはりこれはアイルランド盤で聴いてみたい。
 早速ネットで検索してみたところ、ラッキーなことに Discogsに1枚だけ出品されているのを発見。£18とシングル盤にしてはかなりのお値段だったが、この盤は popsikeで調べてみても過去数年間で1枚しか出てきてないほどレアなので、この機会を逃してなるものかと即決。シングルのため送料が安くてすんだおかげでこの貴重盤を約3,000円で手に入れることができた。
 届いた盤をUK盤と比較してみたところ、レコード№やマトリクス№は同じだがレーベル面の “Mfd in UK”のところが“Mfd in R. of I.” になっているのがアイルランド盤の証しだし、字体や緑色の濃淡も違っている。
 肝心の音の方だが、マトが同じせいもあって音質に大きな違いは感じられなかったものの、私の耳にはアイルランド盤の方が少しだけ音圧が高いように聞こえた。一番分かりやすかったのは打楽器系のバン!バン!と叩く音で、特に後半部の一番盛り上がるパートでアイルランド盤の方がより激しく叩いているなと感じられたのだが、これはひょっとするとこのレコードをカッティングしたアイルランド人エンジニアの怒りの感情がこもっているのかもしれない。コレクターの方はもし見つけられたらぜひゲットして自分の耳で確かめてみて下さいな。