shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Live At Budokan [EVSD武道館 BOX Pt. 2] / Paul McCartney

2015-06-16 | Paul McCartney
 Pt. 1 で書いたように圧倒的な高音質を誇るマトリクス音源だが、純粋なAUD録音盤に比べるとライヴの熱気や臨場感といったものがやや希薄に感じられるのは否めない。だから “これさえあれば T&J も SNE もピカデリーも要らない” などと言うのは極端に過ぎるだろう。マトリクス音源は、例えるなら完璧な整形美人を見ているような感じなので、贅沢な物言いかもしれないが、生身のすっぴん / 薄化粧美女たちも傍に侍らせておきたいのだ(^.^) このマトリクス盤の比較対象となるライバルは、ディスク3&4をも含めた他のオーディエンス録音盤というよりはむしろ、来月スカパーで放送されるサウンドボード録音(←どうかカット無しの完全版で放送されますように... スカパーさん、お願い!!!)だろう。
 ということで、マトリクス音源のディスク1&2を聴き終え、次に私が聴いたのは純粋な AUD 録音盤のディスク3&4だ。メーカー・インフォによると、“録音者が思わず目をこすって2度見、3度見をするほどの「神席」からの録音” とのこと。しかも当初はこちらを IEM ソースと組み合わせてマトリクス音源を作成する予定だったのが、そのあまりの音の良さにこちらを単独の AUD 録音ソースとしてリリースすることに決めたのだという。一体どんな凄い音が飛び出してくるのか待ちきれずに、プレ・ショウ・ミュージックをすっ飛ばしていきなりトラック・ナンバー3の「キャント・バイ・ミー・ラヴ」から聴き始めた。
 いやぁ、参りました。EV に限らずブートのメーカー・インフォは話半分に読むようにしているのだが、こちらも素晴らしいとしか言いようのない、AUD 録音としてはもうこれで十分なんじゃないかと思えるハイ・クオリティー・サウンドだ。細かいことを言えば、T&J盤のような重低音が出ていないとか(←録音に対する考え方がこの両者では根本的に異なるんやろね...)、かぶりつきのオンな音とはちょっと違うとか(←臨場感を重視したのでそっちの方はマトリクス音源で、ということか...)、「死ぬのは奴らだ」でのパイロの爆発音の迫力がイマイチだとか(←コレにはちょっと拍子抜けした... LH のギフトにも負けとるで...)、色々指摘することは可能かもしれないが、トータル・サウンドとして考えた場合、この盤は並み居る AUD 録音盤のベストの内の1枚(←あくまでも one of the best であって the one and only ではない...)と言い切ってしまっていいと思う。サウンドボードに近いデッドな響きのマトリクス音源とは対照的に、こちらの AUD 録音の方は適度な臨場感が感じられるライヴなサウンドなので、このボックスがあればその日の気分によってマトリクスか AUD 録音かをチョイスできるというのも嬉しい。
 オーディエンス・ノイズに関しては、先に書いた「アナザー・デイ」前の “アイラブユー、ポール!” という絶叫がマトリクス音源以上に大きく入ってしまっているのが唯一の汚点で(←ココはカットして CD-R に焼き直した...)、それ以外はそれほど気になる奇声は入っていない。因みに手持ちの他の武道館ライヴ盤を全てチェックしてみたが、この部分にアイラブユー絶叫が入っているのはこのボックスの2枚だけだったのが不思議と言えば不思議...(←“神席” って一体どのあたりの席やったんやろ???) もちろんアウアウ君は影も形もありません(^.^)  マトリクス音源との比較用に同じ曲をアップしましたので興味のある方は聴き比べてみて下さいな。 (つづく)
One After 909 [EVSD Aud]

Another Day [EVSD Aud]

Yesterday [EVSD Aud]

Birthday [EVSD Aud]
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