shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Spectre Sounds / Jive Bunny Project

2014-08-25 | Wall Of Sound
 「SPECTRE SOUNDS ~歌謡曲シリーズ~」をみながわさんのブログで知り、どこか試聴できるサイトはないかいなぁとググった時のこと、画面に表示された画像検索結果には例の青いジャケットの盤とは別にもう1種類、ビーハイヴ・ヘアーにウサギ耳のヘアバンドを付けてバニーガールに扮したロネッツの3人のイラストをあしらったピンク色のジャケットの盤がいっぱい出てきた。よくよく見るとタイトルは同じ「スペクトル・サウンズ」なのだが「歌謡曲」の文字はなく、代わりに「STEPPING」「JIVE BUNNY PROJECT」とある。何じゃいコレは??? 早速クリックしてみると、曲目が「歌謡曲シリーズ」とは全く違う。どうやら「スペクトル・サウンズ」には2種類の盤が存在するようだ。アマゾンで全曲試聴できた青盤とは違い、こちらのピンク盤(?)を試聴できるサイトは残念ながら見つけられなかったが、選曲も良いし音壁関連盤ならハズレの確率は限りなくゼロに近い。ラッキーなことにヤフオクで400円で出ていたので私は試しに買ってみることにした。
 盤が届くまでの2日間で色々調べてわかったことは、はせはじむというクラブDJが今の若い世代に昔の洋楽の素晴らしさを知ってもらおうと企画したのがこの JIVE BUNNY PROJECT で、一つのテーマに基づいて過去の名曲をメドレー形式でカヴァーした盤をヴィヴィッド・サウンド・レーベルからリリースしたシリーズの1枚だということ。まず2008年に「Motor Town Beats」「Spectre Sounds」「Swing Set」の3枚にそれぞれ “Hopping” “Stepping” “Jumping” という副題を付けて発売(←なるほど、これで Stepping の謎が解けた...)、翌2009年には「Latin Slide -Dancing-」「Jungle Drums -Bumpping-」を、2010年には「Ska In The World Hits -Driving-」「50’s Swinging with Electro -Swinging-」をリリースして現在に至っているらしい。更に上記7作品中で特に評判が良かった “スペクター・サウンド” と “モータウン・サウンド” のスピンオフ的作品として2012年にリリースされたのが前出の「歌謡曲シリーズ」というワケだ。尚、「歌謡曲シリーズ」のジャケットには JIVE BUNNY PROJECT の文字もウサギ耳も無い。
 “ジャイヴ・バニー・プロジェクト” がオールディーズのヒット曲をメドレー化して80年代に一世を風靡した Jive Bunny & The Mastermixers に由来していることは明らかで、1989年の夏から秋にかけてに大ヒットした2枚のシングル「Swing The Mood」(5週連続全英1位)と「That's What I Like」(3週連続全英1位)、更にオールディーズ・メドレーをいっぱい詰め込んだ彼らのファースト・アルバムを聴きまくっていた私としては、この “ジャイヴ・バニー・プロジェクト” は “よくぞやってくれました(^o^)丿” と快哉を叫びたくなる名企画だ。
Jive Bunny And The MasterMixers - Swing The Mood (12" Version)

Jive Bunny and The Mastermixers - The real videos - That's What I Like


 全12曲中、原由子の「ハートせつなく」とシリア・ポールの「夢で逢えたら」を除く10曲が洋楽ポップスで、土屋浩美(5曲)、小島真由美(1曲)、真城めぐみ(2曲)という3人の女性ヴォーカルと辻睦詞(4曲)という男性ヴォーカルの4人がクレジットされているが、私的には出来ることなら全曲女性ヴォーカルで統一してほしかったところ。やっぱり音壁は女性ヴォーカルに限ります(^.^)
 ストロベリー・スウィッチブレイドの「シンス・イエスタデイ」をアダプトした①「イントロダクション」から②「ウー・アイ・ドゥ」(リンジー・ディ・ポール) → ③「ハートせつなく」(原由子) → ④「サングラシズ」(トレイシー・ウルマン) → ⑤「ドント・アンサー・ミー」(アラン・パーソンズ・プロジェクト) → ⑥「ディス・クッド・ビー・ザ・ナイト」(モダン・フォーク・カルテット) と続く前半部分がこのCDの白眉で、特に⑤「ドント・アンサー・ミー」(5分50秒~)はヴォーカルの土屋浩美の声質が曲にバッチリ合っていてアラン・パーソンズ・プロジェクトのオリジナル・ヴァージョンをも凌駕する屈指の名演になっている。トラックがわずか1分13秒しかないのが惜しい(>_<)
Spectre Sounds


 ラスト曲の⑬「ゼイ・ドント・ノウ」(トレイシー・ウルマン) も土屋さんのヴォーカルが素晴らしく、オールディーズ・ポップスのお手本のようなドリーミーな世界を作り上げている。「ドント・アンサー・ミー」といい、この「ゼイ・ドント・ノウ」といい、丁寧に作り込んだサウンド・プロダクションとオリジナルよりも若干テンポを上げた絶妙なアレンジの勝利だろう。「歌謡曲シリーズ」と共に、音壁ファンの音壁ファンによる音壁ファンのためのカヴァー作品として一頭地抜きん出た感のあるこの元祖「スペクトル・サウンズ」は宇宙猿人ゴリもビックリのミラクルな1枚なのだ。
They Don't Know


【おまけ】こっちがオリジナル・ヴァージョン。クッサクサのアメリカン・コミック風PVが印象的な「Don't Answer Me」(←お月さんの“Ouch!”が懐かしい...)はこの曲がヒットした1984年当時は音壁の“お”の字も知らずに聴いていたが、今の耳で聴くと大瀧師匠が泣いて喜びそうなコテコテのウォール・オブ・サウンドだ。トレイシーの「They Don't Know」はラストでポールが特別出演してるのが見どころデス!!!
The Alan Parsons Project - Don't Answer Me

Tracey Ullman - They don't know (HD 16:9)
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