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shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ビートルズ・ルーツ特集②Marvelettes & Cookies

2015-09-18 | Oldies (50's & 60's)
ビートルズ・ルーツ特集第2弾はマーヴェレッツとクッキーズ。前回に引き続きガール・グループ・オリジナルとの聴き比べでお楽しみください。

①Please Mr. Postman / Marvelettes
 私が最初に買った洋楽のレコードはカーペンターズで、中でも「プリーズ・ミスター・ポストマン」という曲はそれまでコテコテの昭和歌謡しか聴いたことが無かった私にとって実に新鮮なメロディーとサウンドを持っており、たちまち夢中になって来る日も来る日も同じレコードを繰り返し聴いて悦に入っていた。しかしその後しばらくしてビートルズのヴァージョンを聴いた時、頭をハンマーでガツンとやられたような凄まじい衝撃を受けた。
 一聴するとカーペンターズの方が遥かにモダンで、まさに “洗練の極み” とでも言うべきサウンドなのだが、ビートルズによるこのカヴァーは、荒削りながら何か聴き手の気持ちをドンドン叩くようなところがあり、心に引っ掛かって何度も何度も脳内リピートされるのは武骨でエネルギーに満ち溢れたビートルズの方だった。特にジョンの艶々した歌声の吸引力は凄まじく、絶妙な “間” を活かしたバック・コーラスとのコール&レスポンスもたまらんたまらん(≧▽≦)  この曲はアルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」の中でも三指に入る名曲名演だと思っている。
 そんな私がこの曲のオリジナルであるマーヴェレッツのヴァージョンを聴いたのはかなり後になってからのことで、その典型的なデトロイト系黒人ガール・グループ・サウンドのグルーヴが大いに気に入り、魅力的なジャケット・デザインに魅かれたこともあって、この曲が入った彼女らのデビュー・アルバム(←しかも白レーベル!)を買ってしまったほどだった。今回45回転7インチ盤を $6.78(約820円!)で手に入れたのでLPの音と聴き比べてみたところ、予想通りシングル盤の方がギザッとくる荒ぶった音(?)がして大喜び(^o^)丿 ビートルズやロネッツでもそうだったが、状態の良い初期プレスの45回転盤をモノ針で聴く、というのが今の私にとって最高の贅沢なのだ。
Please Mr. Postman - The Marvelettes (1961) (HD Quality)

The Beatles - Please Mister Postman (2009 Mono Remaster)


②Chains / Cookies
 クッキーズはキャロル・キングやリトル・エヴァが所属していたディメンション・レコードから数枚のシングルを出したNYブルックリンの黒人ガール・グループで、リトル・エヴァの「ロコモーション」でバック・コーラスを担当したことでも有名だ。この「チェインズ」は「ロコモーション」と同じくキャロル・キング=ジェリー・ゴフィンの作品で、そのせいか同じブラック・ミュージックでも上記のマーヴェレッツのようなモータウン系グループとは少し肌合いが異なり、ブリル・ビルディング系ならではの音作りがなされている。黒人音楽に傾倒し、ガール・グループをこよなく愛し、ゴフィン=キングをリスペクトするビートルズがクッキーズをカヴァーしたのも当然の成り行きと言えるだろう。コーラス・ワークだけでなく、初期ビートルズの大いなる魅力の一つとなったハンドクラッピングの効果的な使い方にもガールグループからの影響が見て取れるが、この曲なんかはその典型と言ってもよさそうだ。
 リード・ヴォーカルのアール・ジーンのソフトでちょっとハスキーな歌声は “コテコテの黒人音楽はちょっと苦手...(>_<)” という人でも抵抗なく楽しめそうな心地良さで、バック・コーラスとの掛け合いも絶妙だ。あの竹内まりや姐さんにも大きな影響を与えた名ヴォーカル・グループ、クッキーズの真骨頂とでも言うべき名曲名演になっている。尚、このシングル盤も上記のマーヴェレッツと同じレコード屋からまとめて大人買いしたもので、こちらは更に安くてたったの $5.00(約600円)だった。アメリカからの送料を考えると7インチ盤は10枚単位でごそっと買った方が断然安上がりだ。
 ビートルズのヴァージョンはクッキーズのオリジナルよりもアップテンポで演奏されており、ジョージの生硬な歌声とジョンとポールの変幻自在なバック・コーラスが生み出すコントラストの妙が一番の聴き所。偶然そうなったのか、あるいは意図的にジョージのヴォーカリストとしての “青臭さ” を巧く利用したのかは分からないが、いずれにせよビートルズのコーラス・ワークの素晴らしさを堪能できる1曲であることは間違いない。歯切れの良いギター・ストロークもこの曲の名演度アップに大きく貢献していると思う。
The Cookies - Chains (1962)

The Beatles - Chains (2009 Mono Remaster)
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ビートルズ・ルーツ特集①The Donays

2015-09-12 | Oldies (50's & 60's)
 最近オールディーズのオリジナル・シングル盤にハマっている。去年のちょうど今頃のことだったと思うが、たまたま手に入れたビートルズのUKシングル盤を聴いてリマスターCDが逆立ちしても敵わないアナログ45回転盤ならではの音の生々しさにすっかり心を奪われた私はビートルズのUKシングルを全部いった後も、ロネッツやクリスタルズ、スプリームズといったお気に入りガール・グループのシングル盤を次々とゲットしていった。
 そんなアナログ・シングル盤蒐集は4月のポール来日とその後の武道館祭りでしばらく中断していたのだが、ルビジウム盤CDとSNEの総集編BD-Rでポール祭りが一段落したこともあって、45回転盤フィーバーが再発したという次第。で、ガール・グループの次のターゲットはビートルズがカヴァーした曲の、オリジナル・アーティストによるシングル盤である。レアで高価なアルバム盤とは違い、オールディーズのシングル盤というのは eBay でも二束三文で出品されていることが多く、盤質VGなら99¢スタートというアイテムも珍しくはないのだが、ビートルズがカヴァーした曲はやはり人気が高くてそれなりの値段がするし、盤質の良いブツにはビッドが集中して更に値段が吊り上るという按配だ。
 そんな中で私がまず目を付けたのがドネイズの「デビル・イン・ヒズ・ハート」である。実を言うと1~3月にかけて買いまくったガール・グループのシングル盤の中で唯一連敗を喫して手に入れることが出来なかったのがこのドネイズ盤で、その悔しさは武道館祭りの最中でも常に頭の片隅にあったのだが、スカパー放送が終わってeBayで検索を再開してみたところ、幸いなことに1枚出品されているのを発見、しかも嬉しいことに音の良い白レーベル盤(←オリジナルは同デザインの赤色レーベル)ではないか! 白レーベルというのはシングル発売前にラジオ・ステーションetcに配られるプロモ盤のことで、最初期プレスということもあって実に鮮度の高い音が楽しめて私的には最高なのだが、どういうワケか由緒正しい(?)コレクター諸氏の間では人気が無い。私にとってこれは千載一遇のチャンスである。
 このレコードはほとんど売れなかったこともあって市場に出回っている数が非常に少なく、アイテム説明には "Very hard to find” とか “Highly sought-after” といった言葉が並んでいるし、過去の落札価格を調べてみてもかなりの出費は覚悟せねばならない。MusicStackのセット・プライスでは何と$166.90というオドロキの高値がついている。私は何とか5,000円以内で手に入れたいなぁと思いながら日曜の朝6時に起きて渾身のスナイプを敢行したところ、何と£14.51で落札! やはり白レーベルは人気がないのかライバルは3人のみで、日本円にして約2,750円、しかも2位に£0.01差(←約2円!)という僅差でこの激レア盤が手に入ったのだから笑いが止まらない(^o^)丿
 そもそもこのドネイズというのはデトロイトを中心に活動する4人組ガール・グループで、1961年にローカル・レーベルのコレクトーンにデビュー曲「デビル・イン・ヒズ・ハート」を吹き込み、翌62年にニューヨークのブレント・レーベルからリリースされたが全くヒットせず、結局これ1枚でグループは解散してしまったようだ。普通ならこの時点でドネイズというグループも、「デビル・イン・ヒズ・ハート」という曲も人々の記憶に残ることなくこのまま埋もれてしまうところだったが、リバプールの船員経由なのか、それともブライアン・エプスタインが経営していたレコ屋経由なのかは分からないが、全米トップ100にすら入らなかったこの激レア・レコードを遠く離れたイギリスで手に入れたジョージ・ハリスンが「ウィズ・ザ・ビートルズ」でカヴァーし、この隠れ名曲は一躍有名になったのだ。
 オリジナルのドネイズ・ヴァージョンは、リード・ヴォーカルのイヴォンヌの伸びやかな歌声が一番の聴き所。、深~くエコーを効かせたマッタリ感溢れる演奏も、聴き手を優しく包み込むようなコーラス・ハーモニーも、フランキー・ライモンを想わせるような彼女の溌剌としたヴォーカルを見事に引き立てている。それにしてもこんなマイナーな曲に目を付けたジョージの慧眼には脱帽するしかない。
 ビートルズのヴァージョンはオリジナルへの愛情あふれるカヴァーに仕上がっており、特にバックのコーラス・ハーモニーの付け方を聴いていると、彼らがいかにガール・グループから強い影響を受けたのかがよく分かる。そして出藍の誉れよろしく、彼らはそれを見事に自家薬籠中の物としてオリジナルを超えてみせたのだ。とにもかくにもこの「デビル・イン・ハー・ハート」、ビートルズのコーラス・ハーモニーのルーツはガール・グループにあり、と声を大にして言いたくなる名カヴァーである。
Devil In His Heart - The Donays

The Beatles - Devil In Your Heart (Mono)
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Girl Groups - The Story Of A Sound - [DVD]

2015-02-11 | Oldies (50's & 60's)
 去年の12月初め頃、ビートルズのUKシングル盤蒐集を通してすっかり45回転パワーの魅力にハマってしまった私は次なるターゲットを探し始めた。ビートルズが完結した時点でやめておけばいいモノを、と自分でも思うのだが、大好きな音楽のことになると自分を抑えられなくなってしまうのが私という人間なのである。 “もっともっと色んな曲をシングル盤の鮮烈な音で聴いてみたい...” という欲求が “音源は同じなんやからLPやCDでエエやん...” という理性を上回ったのだ。
 シングル盤ならではのラウドな音の魅力が最も活きてくるのはやはり60年代のモノラル盤である。60年代といえばビートルズ登場以前に百花繚乱の時代を謳歌していたブリル・ビルディング系アメリカン・ポップスが真っ先に頭に浮かぶが、そんな中でも私が愛してやまないのが一連のガール・グループスだ。60年代のUSシングル・チャートで唯一ビートルズに対抗しうる存在だったスプリームズを始め、ロネッツやクリスタルズといったフィレス勢、そしてシフォンズ、エンジェルズ、シャングリラス、ディキシー・カップスといったワン・ヒット(?)ワンダーズに至るまで、彼女達の残したウキウキワクワクするようなヒット曲の数々が放つ魅力は50年の時を経た今でも色褪せるどころかますます輝きを増している。
 私は80年代のヒット曲と共に育ったと言っても過言ではないので、60年代ガール・グループスに関しては「レット・イット・ビー」のフィル・スペクター経由でロネッツを、「マイ・スウィート・ロード」の元ネタとしてシフォンズを、フィル・コリンズやキム・ワイルドによるカヴァー曲でスプリームズを知っていたぐらいで、それ以外の知識は皆無に等しかった。そんな私をガール・グループ・マニアの道に引きずり込んだのがコレクター仲間が貸してくれた1本のビデオで、それがこの「ガール・グループス ~ザ・ストーリー・オブ・サウンド~」だった。
 この作品はアラン・ベトロックが書いた上記タイトルの本に基づいて、エリー・グリニッチやジェリー・リーバー、マイク・ストーラー、ドン・カーシュナーといったヒット曲の仕掛け人たちによる証言をもとに60年代ガール・グループスの隆盛を時系列に沿って分かりやすく紹介したもので、エンジェルズ、シャンテルズ、シュレルズ、ディキシー・カップス、エクサイターズ、マーサ&ザ・ヴァンデラス、マーヴェレッツ、シャングリラス、ロネッツ、クリスタルズ、ブロッサムズ、スプリームズらの貴重な映像をはさみながら見応え十分なドキュメンタリー作品に仕上げてある。
 特に興味深かったのがロニー・スペクターが語るフィル・スペクターの狂人ぶり、そしてメアリー・ウィルソンが語るフローレンス・バラードのスプリームズ脱退の内幕だ。これらの裏話はその後「モータウン・ミュージック」や「甦る伝説」といった文献で詳しく読んだが、さすがは当事者のインタビュー映像だけあって語られる内容が生々しい...(-。-)y-゜゜゜ 他にもロニーがフランキー・ライモンの美声に憧れてシンガーになった話とか、ブリル・ビルディングの映像が出てきたりとか、ディメンションやレッド・バードといったマイナー・レーベル誕生の経緯とか、フィル・スペクターが重厚なオーケストラ・サウンドが大好きでそれがウォール・オブ・サウンドへと発展していった話とか、とにかくガール・グループ・マニアには見どころ満載の逸品だと思う。個人的には動物園でシロクマ相手に歌わされているエクサイターズのビデオ(←1963年1月のヒット曲だというのにPVが作られ、それも白黒ではなく何故かカラーというのがビックリ...)がツボだった(^.^)
 ラストの部分でガール・グループ・ブーム衰退の最大の要因としてビートルズを始めとする自作自演のイギリス系ビート・グループの台頭、つまりブリティッシュ・インヴェイジョンが挙げられているが、そういったブリティッシュ・グループの多くが彼女達のファンだったというのは運命の皮肉と言えるかもしれない。中でもビートルズはガール・グループが大好きだったようで、マーヴェレッツの「プリーズ・ミスター・ポストマン」を始めとしてシュレルズの「ベイビー・イッツ・ユー」やクッキーズの「チェインズ」、更に超マイナーな存在だったドネイズの「デヴィル・イン・ヒズ・ハート」まで嬉々としてカヴァーするというガール・グループ・マニアっぷりを発揮している。しかもただ曲をカヴァーするだけでなく、コーラス・ハーモニーの付け方やハンド・クラッピングの効果的な挿入法など、初期ビートルズのサウンドにはガール・グループスからの影響が非常に強く感じられるのだ。
 とまぁこのように色んな角度から楽しめるこのDVD(←字幕付きの国内盤リリースはVHSとレーザーディスクのみなのでそちらの方がオススメです...)、オールディーズ・ファンなら1度は見ておくべき傑作ドキュメンタリー作品ではないかと思う。
Girl Groups - The Story of Sound
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Those Were The Days / Mary Hopkin ~UKオリジナル・シングルの誘惑~

2014-11-23 | Oldies (50's & 60's)
 この1ヶ月ほど UKシングル盤にハマっている。そもそものきっかけ9月にこのブログでやったベンチャーズ特集で、「木の葉の子守唄」編のためにメリー・ホプキンのアルバム「ポストカード」を聴いていた時に “そういえばこの UKオリジナルLP には「悲しき天使」が入ってへんかったなぁ... ということは鮮度の高い音であの曲が聴けるのはシングル盤のみということか... 一体いくらぐらいするんやろ???” とほんの軽~い気持ちで eBay をのぞいてみたのだ。すると何と EXコンディションの盤が£0.50で出ているではないか!
 シングル盤とはいえ、UK 1stプレスのオリジナル音源が100円以下で手に入るなんて...(゜o゜)  送料もボッタクリ物流会社のピツニー坊主が幅を利かせているアメリカとは違い、シングル盤1枚で£5.00とリーズナブルなお値段だ。しかも同じセラーから複数買ってまとめて送ってもらえば1枚当たりの送料はもっと安くなる。アホバカ・アベノミクスのせいで円安が進行し、一時は75円までいっていた円が9月末の時点で110円台まで落ち込んでおり、下げ止まりの気配は見えない。このまま円安が進めば海外盤なんて当分買えなくなってしまう。 “いつ買うの? 今でしょ!” という私の心の中に潜む林先生の声に導かれるままに(笑)私は BUY IT NOW(即決)をポチッとクリックしていた。
 それから12日後の10月某日にブツが届いた。最近はヤフオクやアマゾン一辺倒で、海外からレコードが届くのは久しぶりだったこともあってウキウキワクワクしながら梱包を開ける。おぉ、やっぱりオリジナル・アップル・レーベルの緑色は国内盤のそれとは深みが違うわい... と悦に入りながらアンプのスイッチを入れる。せっかくなので同タイトルの国内盤と聴き比べをしてみようと思いつき、UK盤のディスク・クリーニングをしながら国内盤の方を先に聴くことにした。
 この東芝盤はヤフオクで他アイテムを取った時のついでに90円で手に入れたもので久々に聴いたのだが、私の国内盤に対する “音がショボい” という偏見を木っ端微塵に打ち砕くような音圧で、モノラル録音独特のマッシヴな音の塊がスピーカーから勢いよく飛び出してきた。国内盤のくせに何と生意気な...(笑)と思いながらも私は思わず UK盤クリーニングの手を止めて聴き入ってしまった。
 さて、今度はさっき届いたばかりの UK盤だ。一体どんな音で鳴ってくれるのだろうか? 興味津々で針を落とす。出てきた音はいかにもイギリスらしい落ち着きのあるもので、ガツン!とくる勢いは凄いが音がやや平面的でダンゴ状の塊と化す国内盤に対し、こちらは一つ一つの楽器がくっきりとした音像を持ち、音場も明らかに広く感じる。以前ゼップの2ndアルバムのUK盤とUS盤を聴き比べた時も似たような感じを受けたのだが、ステレオではなくモノラル録音でこんな違いが出るというのがオドロキだ。そしてこれこそが私を魅了してやまない UK盤の音作りなのだ。実は昨日ウチで開いた音聴きオフ会G3でこの聴き比べを再現してみたのだが、同席していた 901さんも全く同意見だった。これだからアナログ盤は面白い(^o^)丿
Mary Hopkin - Those were the days (France, 1968)


 B面の「ターン・ターン・ターン」はバーズのカヴァー(←元々はピート・シーガーの作品らしいがフォークを聴かない私の中ではバーズの作品として刷り込まれている...)だが、こちらの方も彼女の透明感溢れる伸びやかな歌声が心に沁みわたるレンジの広いサウンド・バランスが素晴らしく、アコギのピッキングの粒立ちの良さも国内盤を凌駕している。これが送料込みで1,001円だなんてもう笑いが止まらない(^.^)
 そしてここで私の中に抑えがたい衝動が湧き上がってくるのを感じた... “ビートルズも UKオリジナル・シングル盤で聴いてみたい... (≧▽≦)” 彼らのUKオリジナルLPはすべて持っているが、シングル曲ってオリジナル・アルバム未収録のものが結構多いし、後になって出た赤盤青盤や「パスト・マスターズ」ではオリジナルのモノ・ミックスは聴けない。もちろんCDのモノラル・ボックスを持ってはいるが、やはりビートルズに関しては可能な限り良い音、つまりアナログのアーリー・プレス盤で聴きたいのだ。
 こうなると私はもう自分を抑えることが出来ない。いくらでも再プレス可能なCDとは違い、市場に出回るアナログのオリジナル盤というのは基本的に一点モノで、しかも良い状態の盤を入手するのは時が経てば経つほど困難になっていく。手に入れると決めたなら、動くのは早ければ早いほどいい。ということで、ひょんなことから “ビートルズのUKオリジナル・シングル盤蒐集” という名の魔界に足を踏み入れてしまった私。行く手に待ち受けるのは轟音天国か、それとも金欠地獄か... (・。・?
Mary Hopkin Turn Turn Turn
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24 Karat Hits / Elvis Presley

2014-07-06 | Oldies (50's & 60's)
 スティーヴ・ホフマンがリマスターを手掛けたDCC盤、特に90年代にリリースされたGZSシリーズのCDは分厚い中低域とエネルギー感に満ちた押し出しの強いサウンドが私の嗜好にピッタリで、ここ数ヶ月の間にガンガン買い漁って大音響で楽しんでいることは前にも書いた通り。DCC盤はポールのソロ作品を始めとして70年代の名盤がカタログの中心になっているのだが、50~60年代の音源の中にもホフマン・リマスタリングによって見事によみがえったアルバムが何枚かある。そんな中でも断トツに凄かったのがエルヴィス・プレスリーの「24カラット・ヒッツ」だった。
 このアルバムは1956年から1969年までのエルヴィスのヒット曲を集めたベスト盤で、DCC盤の売りの一つである24K蒸着ゴールドCDに引っ掛けて24曲が収録されている。選曲の方は相変わらず十年一日の如しで、初期の「ハートブレイク・ホテル」「ハウンド・ドッグ」「監獄ロック」「ラヴ・ミー・テンダー」から中期の「今夜はひとりかい」「リトル・シスター」「好きにならずにいられない」、そして後期の「イン・ザ・ゲットー」「サスピシャス・マインド」に至るまでお馴染みのナンバーばかりが選ばれているので、手持ちの2枚組ベスト盤CD「トップ10ヒッツ」とどこがどう違うのか聴き比べてみることにした。エルヴィスのCDはモコモコした音の盤が多いので、名匠スティーヴ・ホフマンのお手並み拝見といったところだ。
 CDの1曲目は「ハートブレイク・ホテル」だが、 “Well, since my baby left me ~♪” とイントロ無しでいきなりスピーカーから飛び出してくるエルヴィスのヴォーカルの生々しさにビックリ(゜o゜)  まるで目の前で歌っているかのようだ。彼の十八番である“ベイベー♪”の響きも実に艶めかしい。そしてそんなエルヴィスの歌声に絡んでいくビル・ブラックのウッド・ベースの何とカッコ良いことよ! 通常盤CDでは “ボン、ボン” と平面的に聞こえるベースの音がこのDCC盤では “ドスン、ドスン” と立体的に聞こえるのだ。更にエンディングのソロ・パートではウッド・ベースならではの “ブルン、ブルン” という響きがリアルに楽しめるのだからたまらない(≧▽≦)  物憂げなピアノが醸し出す神秘的な雰囲気も鳥肌モノだ。とにかくこのオープニング・トラックを聴いただけでDCC盤を買って良かったと思った。
ハートブレイクホテル


 因みにビル・ブラックが愛用していたウッド・ベースの現在の所有者は何とポール・マッカートニーだ。何でもリンダがビルの遺族からこのベースを手に入れてポールにプレゼントしたのだという。ポール・ファンには「ケイオス・アンド・クリエイション・アット・アビーロード」の30分過ぎあたりでポールが自慢げに紹介していたあのウッド・ベースと言えばピンとくるかもしれない。アップライト・ベースをつま弾きながら「ハートブレイク・ホテル」を歌うポールにシビレますわ...(^.^)
Paul McCartney on the Upright Bass


 3曲目の「冷たくしないで」もやはりイントロのベースが凄い。まるでヘビー級ボクサーのボディーブローのようにズンズン腹にくるこの感じは通常盤CDでは決して味わえないものだ。こういうウッド・ベースが聴けるのもロカビリーの醍醐味だろう。因みに私はロックだけではなくジャズも聴くのだが、ジャズの大きな魅力はロックのエレキ・ベースでは決して味わえないアコースティック・ベースのリアルな響きにあると思っている。
冷たくしないで


 凄い音がいっぱい詰まったこのDCC盤の中でも最も強烈なインパクトがあったのが4曲目の「ハウンド・ドッグ」だ。とにかく音の密度がハンパなしに高く、パワフルな音の塊がスピーカーから迸り出てくるのがたまらない(≧▽≦)  特にハンド・クラッピングの生々しさは凄まじく、スピーカーに対峙して大音量で聴いているとまるで往復ビンタで顔面をシバかれているようで思わず顔をそむけたくなってくるし、DJフォンタナの爆裂ドラミングも圧巻の一言だ。CDというメディアでオリジナルLPの持つ荒々しさをここまで表現できるとは、スティーヴ・ホフマン恐るべしである。
ハウンドドッグ


 このDCC盤はパワフルなロックンロールだけでなくロマンティックなスロー・バラッドも絶品で、13曲目の「今夜はひとりかい?」なんかもう通常盤CDとはヴォーカルのリアリティーが桁違い。こんな風に口説かれたら女性はイチコロやろなぁ... って思えるカッコ良さで、正直言って男の私でもグラッときそうなぐらい(笑)説得力があるのだ。23曲目の「イン・ザ・ゲットー」でもストリングスの響きが通常盤とは全く別物と言ってもいいくらいナチュラルで、エルヴィスの歌声の深みも月とスッポンほど違う。思わず頭を垂れて聴き入ってしまう歌と演奏だ。とにかくロックンロールであれスロー・バラッドであれ、スティーヴ・ホフマンがエルヴィスの魅力を極限まで引き出してディスクに封じ込めたこのDCC盤、エルヴィスをどれか1枚というなら迷わずコレだ!
今夜はひとりかい

インザゲットー
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The Wonderful World Of Sam Cooke

2012-11-04 | Oldies (50's & 60's)
 早いもので今年も残すところあと2ヶ月である。振り返ってみると、音楽面では音壁やマッシュアップ三昧で相変わらず充実していたのだが、仕事の面では4月に転勤になった新しい職場の水が全く自分に合わずストレスが溜まるばかりの毎日で、特に先月なんかもう最低最悪(>_<)  そのうち忍耐のレッド・ゾーンに突入しそうだ。このように仕事で不満が爆発しそうになった時、私は大きな買い物をしてストレスを発散するようにしており、先月は久々に大物を1枚買ってしまった。
 私が海外オークションのeBayを始めた頃の脳内バブル状態(笑)とは違い、さすがにここ数年は2,000円を超えると “高い!!!” と感じる正常な神経になっているのだが、そんな今の私にとっての大きな買い物というのはちょっと値の張るオリジナル盤LP のこと。これまでも「マイ・ジェネレイション」や「ベガーズ・バンケット」、「ミコ・イン・ニューヨーク」のオリジ盤を “自分へのご褒美”(笑) と称してゲットしてきたが、今回の収穫はそれらに勝るとも劣らない入手困難盤、「ザ・ワンダフル・ワールド・オブ・サム・クック」(Keen 8-6016)である。
 キーン・レコードのサム・クックといえばオールディーズ・マニア垂涎の稀少盤で、同レーベルに6枚ある彼のLP(うち1枚はオムニバス盤)の中で最もレアなのがこのレコード。Goldmine のプライス・ガイド本では $350 が相場となっており、実際に eBay で検索してみても $200~$300ぐらいのニンピニン価格(笑)で手も足も出ず、前々からずーっと欲しかったけど半ば諦めかけていた1枚だ。
 そんなレア盤が何と $60 スタート、BUY IT NOW (←ヤフオクでいうところの “今すぐ落札” です...)なら $75 という信じられないようなリーズナブルなお値段で eBay に出ていたのだ。私は一瞬 “いくら何でも話がうますぎるやろ... ヨーロッパで出た再発盤とちゃうんか???” と疑いの目でセンター・レーベルやジャケットの写真、セラーのフィードバックなどを隅々までチェックしてみたが怪しいところはどこにもない。どうやらロスにあるキーンの倉庫から出てきたオリジナル盤のデッドストック100枚の内の1枚らしく、埃だらけながら盤もジャケットもミント状態というからこんなオイシイ話は今後絶対にありえない。このチャンスを逃せば一生買えないと思った私は迷わず $75 で即決。悠長に構えて他人にかすめ取られでもしたら余計にストレスになりそうだし(笑)、$1=78円として約6,000円ならめちゃくちゃ安い買い物だ(^o^)丿
 発送からわずか4日で届いたのにもビックリしたが、それより何より気になっていたのがホンマにオリジ盤なのかどうかということ。ネットの写真だけで “多分大丈夫やろ...” と判断したものの、やはり現物を見るまでは安心できなかったのだ。ドキドキしながらレコードに針を落とすと、 “ひょっとしてパッチモンやったらどうしよう...” という一抹の不安を木っ端微塵に打ち砕くかのようにパワフルなモノラル・サウンドが部屋中に響き渡った... コレはたまらんわ(≧▽≦) 
 キーンの音源は権利関係がややこしくいらしく(←悪名高いABKCO Records が絡んでる???)正規のマスター・テープからリマスターしたCDは出ていないようだ。私が持っているのも NOT NOW (UK) や COMPANION (Denmark) というヨーロッパの妖しいレーベルから出ているCDばかりでレコードから音録りしたのが丸わかりのペラペラな音が哀しかったが、これでやっと良い音で聴けると思うと嬉しくてたまらない。サム・クックのビロードのような艶のある歌声はやっぱりアナログに限りますな...(^o^)丿
 収録されているのは全12曲、両面一気通聴しても約30分だが中身の濃さはハンパない。まずは何と言ってもアルバム冒頭を飾るA①「ワンダフル・ワールド」である。これは他愛のない学生の恋の唄なのだが、 “歴史も、生物学も、科学の本も、専攻したフランス語もよく分からないけれど、僕が君を愛してることはよく分かってるさ... 君も僕を愛してくれるなら、どんなに素敵な世界になるだろう...” と恋する気持ちをストレートに表した歌詞が秀逸で、思わず口ずさんでしまうキャッチーなメロディーに乗せてサム・クック独特の艶のある歌声で聴ける幸せを何と表現すればいいのだろう? 映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」(原題は“Witness”)のカー・ラジオから流れてくるこの曲をバックにハリソン・フォードがアーミッシュの女性と踊るシーンも忘れ難い。
Sam Cooke - Wonderful World [HD]

witness


 ガーシュウィンの名曲を見事に歌い上げたA③「サマータイム」も素晴らしい。実はサム・クックはこの曲を2回レコーディングしており、初演はキーンからのファースト・アルバム「サム・クック」(A-2001)に入っているのだが(←シングル「ユー・センド・ミー」のB面にも収録)、これがアップテンポの大胆不敵なアレンジで、 “Don't cry... no no no no...♪” のパートを前面に押し出しながら自由闊達な節回しを聴かせるサム・クックのヴォーカルがゴスペル・ソングのようなグルーヴを醸し出していて実にカッコ良いヴァージョンなのだ。マニアの間では通称 “Don't Cry Version” とも言うらしい。
 一方このアルバムに収められたヴァージョンはより原曲に忠実なアレンジでテンポも遅く、世間一般にはこちらが “レギュラー・ヴァージョン” として認知されているようだ。因みに1959年にこちらのスロー・ヴァージョンを「サマータイム・パート1」と題してA面に、上記のファスト・ヴァージョンを「サマータイム・パート2」と題してB面にカップリング、シングル(Keen 2101)としてリリースされている。私的にはどちらかというとアップテンポな方が好みなのだが、端正なブラッシュと幽玄な雰囲気を醸し出す女性コーラスをバックにサム・クックが切ないメロディーをジャジーに歌い上げるこちらのヴァージョンも捨て難い魅力を持っている。あなたはどちらが好きですか?
Sam Cooke - Summertime (Slow Ver. / Keen 8-6016)

Sam Cooke - Summertime (Fast Ver. / Keen A2001)


 上記2曲以外では「ユー・センド・ミー」の三軒隣りに住んでいるようなA②「ディザイアー・ミー」、ロジャース&ハートの名曲をソフトタッチで朗々と歌い上げたB②「ブルー・ムーン」、チャキチャキしたリズムに乗ってノリノリのヴォーカルを聴かせるB③「スティーリング・キッシズ」あたりが気に入った。特に「ブルー・ムーン」はナット・キング・コールやジュリー・ロンドンと並ぶこの曲の三大名唱の一つだと思う。
 家宝とも言えるこのアルバムをゲットして、サム・クックのキーン時代のアルバムは残すところ2nd の「アンコール」のみ... これも中々市場に出てこない稀少盤だが頑張って絶対に手に入れてやるぞ~
Sam Cooke (Desire Me)

Sam Cooke - Blue Moon (1959)

Sam Cooke - Stealing Kisses (1960)
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ゴフィン&キング特集5 【本人歌唱編】

2011-11-26 | Oldies (50's & 60's)
 2週間にわたって続けてきたゴフィン&キング特集もいよいよ最終回。そもそも当初のミッションは “ゴフィン&キングの曲がたくさん聴ける盤を探せ!” だったが、残念ながらコンポーザー別に編集されたコンピ盤を私は1枚も持っていなかった。そこでアマゾンでそういう盤がないか調べてみると、現在出回っている盤はどれも選曲がイマイチなものばかりだったので、自分でテーマを決めて愛聴曲を紹介するという切り口でいくことにした。
 その後の調べで私の嗜好にかなり近い選曲がなされた「ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング・ソングブック」という2枚組 CD を発見、今回の特集で取り上げた曲がほぼ網羅されているお徳用盤で、マイナーなニュージーランド盤ということもあってか日本アマゾンのリストには載っていないが、イーベイで NZ のセラーから買うことができた。
 とまぁこのようにゴフィン&キング関連の盤を色々と調べて楽しんできたのだが、そんな中で予想外の収穫といえる1枚がこの「ブリル・ビルディング・レジェンズ」だった。この CD はブリル・トーン・レコードという謎のレーベルが出しているコンポーザー・レア音源シリーズの1枚で(←他にバリー・マンやエリー・グリニッチなんかも出ている)、キャロルが1958~66年までの職業作家時代に他の歌手に提供した楽曲を自ら歌ったデモ音源を中心に全57曲(←ジェリー・ゴフィンやティナ・ロビン、ハニービーズらの歌もアリ)を収録したもの。うち31曲が未発表音源で、ゴフィ・キンの名曲の数々をキャロル本人の歌声で聴けるというのだからコレはエライコッチャである。厳密に言えばセルフ・カヴァーというのとはちょっと違うが、中島みゆきの「おかえりなさい」や竹内まりやの「リクエスト」のアメリカ版みたいなノリで、オリジナル・シンガーによる定番ヴァージョンとの聴き比べという楽しみも与えてくれる逸品だ。ということで最終回の今日はスペシャル企画、キャロル・キングの【本人歌唱編】です。

①Oh Neil [H.Greenfield-N.Sedaka-G.Goffin]
 キャロル・キングにとって4枚目のシングルにあたるこの「オー・ニール」(1959)は読んで字の如く、ニール・セダカの大ヒット「オー・キャロル」へのアンサー・ソングとして原曲のメロディーはそのままに、夫のジェリー・ゴフィンが歌詞を面白おかしく書き換えたもので、 “テネシーの田舎娘でニールの元カノ” という設定のキャロルが “ニール・セダァキィ!” と南部訛り丸出しで歌ったりとか、 “セダキ野郎のレコードなんか聴くんじゃねぇ!” とお爺ちゃんがエンディングでショットガンをブッ放したりとか、随所に洒落っ気たっぷりの仕掛けがしてあって笑ってしまう。完全に替え歌感覚で遊んでますね、この夫婦...(笑)
Carole King - OH NEIL!


②He Takes Good Care Of Your Baby [C.King-G.Goffin]
 「オー・ニール」は私の知る限り最も有名なアンサー・ソングだが、この「ヒー・テイクス・グッド・ケア・オブ・ユア・ベイビー」の存在はこの盤で初めて知った。この曲は彼女がボビー・ヴィーに提供した「テイク・グッド・ケア・オブ・マイ・ベイビー」へのアンサー・ソングとしてジェリー・ゴフィンが詞を書き換えたものをドラ・ディー&ローラ・リーがリバティ・レコードからリリースしたもので、ココに入っているのはキャロルによるデモ・テイク。 “彼女を大切にしてやってくれよ” という元歌に対し、 “彼、私のことをとっても大事にしてくれるわ... でも私はやっぱりあなたがいいの” という女の子目線の歌詞が面白い。要するに自作曲の続編というかセルフ・パロディー感覚で遊んでいるのだが、この粋なセンスこそがジェリー・ゴフィンの真骨頂なのではないかと思う。
CAROLE KING - He Takes Good Care Of Your Baby - PHILCOLD.wmv


③It Might As Well Rain Until September [C.King-G.Goffin]
 キャロル・キング5枚目のシングル「イット・マイト・アズ・ウェル・レイン・アンティル・セプテンバー」は元々ボビー・ヴィーのために書かれたものだったが、彼のプロデューサーが前作「テイク・グッド・ケア・オブ・マイ・ベイビー」と曲調が似ている(←確かに!)とボツにしたキャロルのデモ・テイクをアルドン・ミュージックのドン・カーシュナーが気に入ってシングルとして発売したところ、彼女にとって60年代で唯一のヒット曲(全米22位)になったという。 “今はあなたと離れ離れで会えないから べつに9月までずっと雨でも構わないわ” という乙女心を見事に表現した歌詞が印象的なこの曲、スローな出だしから一転アップテンポになるところなんか技アリだし、キャロルのぶっきらぼうな歌い方も良い味を出している。ヘレン・シャピロによるカヴァーもオススメだ。
Carole King - It Might As Well Rain Until September

Helen Shapiro - It Might As Well Rain Until September (1966)


④Look Who's Talkin' [C.King-G.Goffin]
 マニアックなガールズ・ポップ・ファンには「ダム・ヘッド」や「アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー・ホワット・ドレス・トゥ・ウェア」でおなじみのジニー・アーネルが1960年にデッカからリリースした「ルック・フーズ・トーキン」もゴフィン&キングの隠れ名曲で、ビートルズ前夜の60's白人ポップスの典型と言ってもいいようなキャッチーなナンバーだ。ティーン・ポップスの王道を行くジニーちゃんの弾けるような歌声もいいが、ティーンエイジャーになりきったようなキャロルの無邪気なヴォーカルも捨て難い。オールディーズ・ファンにとってこの CD は宝の山だ(^o^)丿
Look Who's Talkin'

Ginny Arnell


⑤Breaking Up Is Hard To Do [N.Sedaka-H.Greenfield]
 これはゴフィ・キン作品じゃないけれど、大好きな曲なので気にせず紹介。初めて聴いたのはカーペンターズのヴァージョンで、出だしからいきなり “カマカマ ダンドゥビ ドゥダンダン~♪” という意味不明なフレーズの波状攻撃に “何じゃいこの曲は???” と思ったものだが、コレがいつの間にか脳内リフレインを起こして病み付きになってしまうという麻薬的な魅力を秘めており、気が付けば鼻歌気分で “カマカマ~♪” と口ずさんでいた。もちろんニール・セダカのオリジナル・ヴァージョンも大好きだが、まさかこの愛聴曲をキャロルの歌声で聴けるとは思わなんだ(≧▽≦)  彼女のヴォーカルって決して上手くはないんだけれど聴き手の心を魅きつけてやまない何かがあり、何度も何度も繰り返し聴きたくなってしまう。いわゆるひとつのヘタウマ・ヴォーカルというやつだが、いやはやまったくこれだから音楽は面白い(^.^)
Carole King - Breaking Up Is Hard To Do
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ゴフィン&キング特集4 【番外編】

2011-11-23 | Oldies (50's & 60's)
 山本リンダじゃないが、もうどうにも止まらないゴフィン&キング特集。第4弾は男性/女性/ソロ/グループを問わず何でもアリの【番外編】でいってみます。

①Some Of Your Lovin' / Dusty Springfield
 私はダスティ・スプリングフィールドのかなりのファンで、フィリップスのオリジナル盤を何枚も買うほどその歌声に惚れ込んでいる。初心者の頃はBCRの「二人だけのデート」のオリジナル・シンガーという認識しかなかったが、やがて「風のささやき」や「サニー」を聴くに至って聴き手の心を揺さぶるようなその歌声に完全KOされ、「クロース・トゥ・ユー」や「ジス・ガイ」といった一連のバカラック作品で更なる深みへとハマッていったのだ。そんなダスティがバカラックと並んで数多く取り上げているのがゴフィン&キングのナンバーで、中でもこの「サム・オブ・ユア・ラヴィン」では彼女の持ち味である “ソウルフルでありながら気負いのないナチュラルな感情表現” を心ゆくまで堪能できる。歌詞の一語一語に魂を込めて歌うダスティ... 心に沁み入る歌唱とはまさにこのことだ。
Dusty Springfield - Some Of Your Lovin' [HD video]


②Go Away Little Girl / Steve Lawrence
 日本でスティーヴ・ローレンスと言えば、竹内まりや姐さんが「ロングタイム・フェイヴァリッツ」でカヴァーした「フットステップス」(邦題は「悲しき足音」)が有名だが、彼の最大のヒット曲はゴフィン&キングにとってシュレルズ、ボビー・ヴィー、リトル・エヴァに続く通算4曲目の、そしてスティーヴ自身にとって唯一の全米№1に輝いたこの「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」(1963)だ。この曲は1971年にもダニー・オズモンドによるカヴァーで全米№1になっているが、私的には渋~い男の魅力溢れるスティーヴのオリジナル・ヴァージョンが一番好きだ。派手さはないけれど、何度も聴いているうちに病み付きになるという、ゴフィン&キング作品中屈指のスルメ・チューンだ。
Steve Lawrence - "Go Away Little Girl" (1962)


③Wasn't Born To Follow / Byrds
 バーズというとすぐにフォーク・ロックがスベッただの、サイケデリック・ロックがコロンだだの云々されるが、私的にはあのジョージ・ハリスン直系のリッケンバッカー12弦ギターと独特の浮遊感を誇るコーラスさえ聴ければ大満足。1968年のアルバム「ザ・ノトリアス・バード・ブラザーズ」に入っていたゴフィン&キング作のこの「ワズント・ボーン・トゥ・フォロー」は後に映画「イージー・ライダー」の挿入歌として使われたことでも有名な曲で、カントリー・フレイバーのかかった S&G (?)にモンキーズのポップさを注入し、ピリリと辛いサイケなアレンジでスパイスを効かせてみました、といった感じの面白いナンバーに仕上がっている。それにしてもゴフィン&キングってホンマに色んなスタイルの曲を書きますね。
The Byrds- I Wasn't Born To Follow


④This Little Girl / Dion
 ディオンは1958年にデビューして以降、ベルモンツを従えた「ティーンエイジャー・イン・ラヴ」や「ホェア・オア・ホェン」、デル・サテンズを従えた「ラナラウンド・スー」(全米№1!)や「ワンダラー」とヒット曲を量産していたが、1962年末にそれまで5年間在籍していたローリー・レコードを離れ CBSコロムビアへと移籍、全米2位まで上がった移籍第1弾「ルビー・ベイビー」に続くシングルがゴフィン&キングの「ジス・リトル・ガール」で、バックはデル・サテンズが務めている。ローリー時代のホワイト・ドゥー・ワップ路線を引き継いだようなこの曲ではドゥー・ワップ・ソングの聖典とでも言うべきデル・ヴァイキングスの「カム・ゴー・ウィズ・ミー」を彷彿とさせるような洗練されたコーラスが楽しめて言うことナシ。レコード会社は変わっても “ディオンに駄作なし” なのだ。
This Little Girl - Dion


⑤悪口はやめて / 木の実ナナ
 日本人によるゴフィン&キング・カヴァーの第一人者は「ロコモーション」「オールド・スモーキー・ロコモーション」「ターキー・ダンス」「アイ・キャント・ステイ・マッド・アット・ユー」と4曲も取り上げた伊東ゆかりだろうが、それでは当たり前すぎて面白くないので、珍盤好き(笑)の当ブログとしてはかなりの変化球であるのを承知の上で、若き日の木の実ナナがカヴァーしたクッキーズの「ドント・セイ・ナッシング・バッド・アバウト・マイ・ベイビー」(邦題:「悪口はやめて」)にしよう。彼女に関しては長い間 “女優” のイメージしかなかったので、数年前にジャンニ・モランディの「サンライト・ツイスト」繋がりで彼女の1963年のヒット曲「太陽の下の18才」を聴いた時はビックリ。中々エエやん(^.^) その2ヶ月後に出たシングル「サタデイ・ナイト」のB面に入っていたこの曲でもコーラスのジャニーズとのホノボノした掛け合いの端々に “キカンボ娘” な歌唱が炸裂して聴き手の頬を緩ませる。彼女の場合、ザ・ピーナッツやミコたんカヨたんのような優秀なブレーンに恵まれなかったせいかアレンジも作り込みも中途半端なカヴァー曲が多い中で、この曲はよく出来ている部類に入ると思う。まぁオリジナルのクッキーズには遠く及ばないにしても...(>_<)  尚、バックの演奏は寺内タケシとブルージーンズだ。
悪口はやめて

The Cookies - Don't Say Nothing Bad About My Baby

ゴフィン&キング特集3 【ビート・グループ編】

2011-11-19 | Oldies (50's & 60's)
 まだまだ続くゴフィン&キング特集、第3弾は怒涛の【ビート・グループ編】です。

①Keep Your Hands Off My Baby / Beatles
 この「キープ・ユア・ハンズ・オフ・マイ・ベイビー」はリトル・エヴァの「ロコモーション」に続く2ndシングルで、ヘレン・シャピロやスキーター・デイヴィスなんかもカヴァーしているが、この曲の決定的名演は何と言ってもビートルズの BBC ライヴに尽きるだろう。まるで鼻歌でも歌うかのように気持ちよさそうに歌うジョンのヴォーカルは “一人 GS ” ならぬ “一人ガール・グループス(?)” といった按配で、原曲の魅力を最大限に引き出して聴かせるあたり、さすがは天才ヴォーカリスト、ジョン・レノンである。彼の歌声の前にはリトル・エヴァを始めとする有象無象の同曲他ヴァージョンが瞬時にして砕け散る。しゃあない。何しろ相手はジョン・レノンなのだ。砕け散ってこそ本望と言うべきだろう。バックのコーラス・ワークにもガール・グループ・クラシックスを聴き込んだ者にしかできないワザが散りばめられており、彼らのゴフィン&キングへの傾倒ぶりがよくわかる名演になっている。
The Beatles "Keep Your Hands Off My Baby"

Little Eva - Keep Your Hands Off My Baby


②Don't Ever Change / Beatles
 そもそも今回のゴフィン&キング特集の引き金になったのがみながわさんにとっての“特別な曲”であるこの「ドント・エヴァー・チェンジ」だ。オリジナルはバディー・ホリーのバックを務めていたクリケッツの1962年のヒット曲で、小気味よいシャッフル・ビートを活かした演奏は、彼らの持ち味である “ロックンロールと C&W の融合” の完成形と言えるもの。ビートルズの BBC ライヴではジョージとポールのツイン・リード・ヴォーカルが実にエエ味を出しており、そのまま「ウィズ・ザ・ビートルズ」か「ビートルズ・フォー・セール」のB面真ん中あたり(?)にピッタリ収まりそうなくらいビートリィな雰囲気を湛えている。ゴフィン&キングのポップ・センスがどれほど初期ビートルズに影響を与えたか分かろうというものだ。純真な男心を綴った “どうか変わらずにいて 今のままの君が好きなんだ” という歌詞(← I kinda like you just the way you are というフレーズまで登場!)はビリー・ジョエルの「素顔のままで」を15年先取りしている。
The Beatles "Don't Ever Change"

The Crickets.......Don't Ever Change


③Take Good Care Of My Baby / Silver Beatles
 今日はビートルズ3連発だ。この「テイク・グッド・ケア・オブ・マイ・ベイビー」(邦題は「サヨナラ・ベイビー」)はボビー・ヴィーの1961年の全米№1ヒットで、ディオン&ザ・ベルモンツによるカヴァーなんかも捨てがたいのだが、一番好きなのはやっぱりビートルズのヴァージョンだ。これはシルヴァー・ビートルズ時代に1962年1月のデッカ・オーディションで演奏したもので、リード・ヴォーカルはジョージ。 “僕の涙が落ちている。なぜって君が僕の彼女を奪ってしまったから...” というイントロの語りに続いて “大切にしてやってくれよ...” と男としての度量の広さを感じさせる歌詞をジョージが歌うというのは、その後のパティ、クラプトンとの関係を暗示しているかのようで運命の皮肉を感じさせるが(←考えすぎか...)、それはともかくとして、同オーディションで演奏された「スリー・クール・キャッツ」や「クライング・ウエイティング・ホーピング」etcと同様に原曲の持つ甘酸っぱい雰囲気がジョージにピッタリで、ピート・ベストのスカスカなドラムのマイナス分を差し引いても聴き応え十分なカヴァーになっている。この良さが理解できずにビートルズを不合格にしたデッカのオーデション担当者は後になって大魚を逃がした責任を取らされたということだが、やっぱりクビでっか?
Take Good Care Of My Baby - The Silver Beatles

Bobby Vee - Take Good Care Of My Baby


④I'm Into Something Good / Herman's Hermits
 この「アイム・イントゥ・サムシン・グッド」(邦題は「朝からゴキゲン」)は元々クッキーズのリード・ヴォーカリストからソロに転向したアール・ジーンの為にゴフィン&キング夫妻が書いたものだが、有名なのはハーマンズ・ハーミッツがデビュー・シングルとしてカヴァーしたこのヴァージョンだ。私見だが、ハーミッツは「ミセス・ブラウンのお嬢さん」や「ヘンリー8世君」のようなミュージック・ホール・ソングよりも、「見つめあう恋」やこの「朝ゴキ」のようなバブルガム・ポップ・ナンバーの方が断然合ってると思う。彼らの 2nd シングル「ショウ・ミー・ガール」もゴフィン&キングの作品で、この曲の三軒隣りに住んでいるようなキャッチーなナンバーなのだが、このあたりの選曲はプロデューサーであるミッキー・モストの好みらしい。全然関係ないけれど、ヴォーカルのピーター・ヌーンの笑顔ってどことなくセバスチャン・ベッテルに似てるような気がするのは私だけ?
Herman's Hermits - I'm Into Something Good (1965)_HQ

The Cookies/Earl Jean I'm Into Something Good (ORIGINAL SONG)


⑤Star Collector / Monkees
 ビートルズの登場によってゴフィン&キングやバリー&グリニッチのような職業作家チームによる “ヒット曲製造工場” システムは崩壊し、ブリル・ビルディング時代はあっけなく終焉を迎えたのだが、ブリビルでキャロル・キングが所属していた音楽出版社スクリーン・ジェムズ(元のアルドン・ミュージックです)のボスであるドン・カーシュナーがビートルズへの対抗馬として売り出したのがこのモンキーズ。当然ゴフィン&キングも「テイク・ア・ジャイアント・ステップ」や「プレザント・ヴァリー・サンデー」etc 何曲か提供しているのだが、案外知られていない隠れ名曲がこの「スター・コレクター」だ。この曲は日本のみでシングル・カットされてヒットしたが、シンセを駆使したポップなサウンドといい、ビートルズ直系のコーラス・ワークといい、私のお気に入りの1曲だ。3分20秒を過ぎたあたりから始まるプログレっぽいカオスなサウンドも面白い。尚、この曲のイントロは湯川れい子のアメリカン・トップ40の中でジングルとして使われてたような記憶があるのだが、そういう意味でも個人的に忘れられないナンバーだ。
Monkees- Star Collector
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ゴフィン&キング特集1 【女性ヴォーカル編】

2011-11-13 | Oldies (50's & 60's)
 先日、みながわさんから “ゴフィン&キングの曲がたくさん聴ける盤を紹介してほしい” とのリクエストをいただいた。基本的に私はこれまでずっとアーティストを軸に音楽を聴いてきたが、中村八大や筒美京平といった作曲家に注目することによって昭和歌謡の楽しみ方が広がったように、オールディーズに関してもコンポーザーを視点の中心に据えてみるのも面白そうだ。ということで、唐突ですがゴフィン&キングの特集です。第1回は王道中の王道、【女性ヴォーカル編】から...(^o^)丿

①The Loco-Motion / Little Eva
 “ゴフィン&キング” という名前は知らなくても「ロコモーション」は知ってるぞ、という音楽ファンは多いだろう。この曲こそまさに “ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング” の代表作であると同時に、ブリビル・サウンドのもう一方の雄である “ジェフ・バリー&エリー・グリニッチ” の作品「ビー・マイ・ベイビー」と並ぶガールポップ・クラシックスの最高傑作。元々は「マッシュド・ポテト・タイム」をヒットさせたディー・ディー・シャープ用に作られた新曲で、結局は不採用になったのだが、ゴフィン&キング夫妻のベビーシッターだったリトル・エヴァに歌わせたデモ・テープをアルドン・ミュージック出版のドン・カーシュナーが気に入って、自分が作ったディメンション・レーベルからリリースしたところ、爆発的にヒットして全米№1になったというエピソードは有名だ。グランド・ファンク・レイルロードやシルヴィ・バルタン、伊東ゆかり、カイリー・ミノーグといった様々なジャンルのアーティストにカヴァーされている不朽の名曲である。
Little Eva The Locomotion


②Up On The Roof / Julie Grant
 ジュリー・グラントは “イギリスのバカラック” の異名を取る天才プロデューサー、トニー・ハッチ(←ペトゥラ・クラークの「ダウンタウン」の作者としても有名ですね...)が売り出した女性シンガーで、1963年に全米5位まで上がったドリフターズのヒット曲(←邦題を「屋根の上」(笑)ではなく「小さな幸せ」としたセンスはお見事!)を彼女がカヴァーしたのがコレ。この人のことは全く知らなかったので、今回の “ゴフィン&キング” 特集で一番の収穫といえる1曲だ。こういう隠れ名演との出会いこそが音楽ファンにとっての小さな幸せであり、きっかけを作って下さったみながわさんに感謝感謝である。筒美京平先生にも影響を与えたと思しきトニー・ハッチお得意の軽快なストリングス・アレンジが絶品やし、 “この世界にウンザリした時は屋根の上に登ると悩み事なんて宇宙の何処かへ消えてしまう... ここはとっても平和で下界の煩わしさを忘れさせてくれる素敵な場所... 二人分のスペースは十分あるわ” という歌詞なんかもう最高デス(^.^)
Julie Grant - Up On The Roof


③I Can't Stay Mad At You / Skeeter Davis
 「エンド・オブ・ザ・ワールド」一発でオールディーズ・ファンを虜にしたカントリー・ポップ・シンガー、スキーター・デイヴィス。あの曲のイメージが強すぎたのか、はじめてこの曲を聴いた時はビックリした。ニール・セダカの「ブレイキング・アップ・イズ・ハード・トゥ・ドゥ」、あるいはそのセルフ・イミテーション「ネクスト・ドア・トゥ・アン・エンジェル」にそっくりではないか! イントロに続いて “Don't take your love away from me~♪” とセダカの甲高い歌声が流れてきてもほとんど違和感の無いレベル(笑)  筋金入りのセダカ・マニアを自負し、「オー・キャロル」へのアンサー・ソング「オー・ニール」まで作ってしまったというキャロル・キングらしい1曲だが、私はこの曲が大好き(^.^) 彼女のニール・セダカに対する深い愛情とリスペクトに溢れたオマージュとして愛聴している。
Skeeter Davis - I Can't Stay Mad at You


④Dreamin' About You / Annette
 「パイナップル・プリンセス」や「トレイン・オブ・ラブ」でチャーミングな歌を聞かせるオールディーズ・ポップス界のアイドル、アネットが1961年にリリースしたシングルがこの「ドリーミン・アバウト・ユー」。オリジナル・アルバムには未収録の貴重な音源で、私の知る限りでは彼女が歌う唯一の “ゴフィン&キング” 作品だが、タイトル通り、彼女の持ち味を十分に活かした夢見るようなガールポップに仕上がっている。やっぱりオールディーズはエエなぁ...(^.^)
ANNETTE DREAMIN' ABOUT YOU


⑤The Old Crowd / Lesley Gore
 クインシー・ジョーンズのプロデュースによるデビュー曲「イッツ・マイ・パーティー」がいきなり全米№1に輝き、続く「ジュディーズ・ターン・トゥ・クライ」も全米5位まで上がったレスリー・ゴーアの3rd シングル「シーズ・ア・フール」(邦題は「ラッキー・ガール」)のB面にヒッソリと収められていたのがこの「ジ・オールド・クラウド」。ノリノリのバック・コーラスと弾けるようなハンド・クラッピングがウキウキワクワク感をかき立てる、まさに絵に描いたようなガール・ポップスだ。コレほどの名演がB面というのはもったいない気もするが、60's前半というのはそれだけ楽曲面で充実した凄い時代だったのだろう。
Lesley Gore - The Old Crowd w/ LYRICS
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Elvis: '68 Comeback Special Edition DVD

2010-08-25 | Oldies (50's & 60's)
 エルヴィスとの付き合いを振り返りながらダラダラと続けてきた “エルヴィス・ウイーク” もいよいよ佳境に突入だ。「ザ・トップ・テン・ヒッツ」、「ロッカー」でエルヴィスの火の出るようなロックンロールにシビレまくった私は “エルヴィスといえば50's!” と固く信ずる日々ががしばらく続いたのだが、ある時 BS の “一週間まるごとエルヴィス” みたいな特集で、1968年の「NBC-TV スペシャル」と1970年のラスベガス・ライヴ「エルヴィス・オン・ステージ」を見てそのあまりのカッコ良さにブッ飛んでしまった(゜o゜) 
 もちろん先のベスト盤で「イン・ザ・ゲットー」や「サスピシャス・マインド」のような名唱を聴いてはいたものの、 “60年代に入って以降のエルヴィスは映画スターになってしまい、もう50'sのような反骨精神溢れるロックンロールは歌えない...(>_<)” と信じ込んでいたのだ。しかしそこにいたのは “過去の人” どころかステージ上をエネルギッシュに動き回り “エルヴィス・ポーズ” を次々にキメながらパワフルな歌声を聴かせる “ザ・キング” その人だった。後者のラスベガス・ライヴに関しては以前取り上げたので、今日はエルヴィス復活のきっかけとなった伝説の TV ショーのライヴ DVD「エルヴィス:'68 カムバック・スペシャル・エディション」でいってみたい。
 このショーの DVD はこれまで何度か形を変えてリリースされてきているが、私が持っているのは [1]TVで放送されたオリジナル・ヴァージョン VHS を自分で DVD 化(笑)したもの、[2]未公開映像満載の3枚組 “デラックス・エディション” 、[3]見事な再編集で不世出のロッカー、エルヴィス・プレスリーのエッセンスを1枚のDVDにギュッと凝縮した “スペシャル・エディション” の3種類だ。全貌を知るには[2]に限るが、同じような映像が続くので余程のマニアでない限りは[3]の新編集ヴァージョンが超オススメだ(^o^)丿
 オリジナル版の構成は観客入りのスタジオ・ライヴとミュージカル仕立てのショーが交互に現れるという手の込んだものだったが、この新編集版ではオリジナルの流れを大切にしながらも “ブラック・レザー・ショー” と呼ばれる2つのステージを中心に再編集されており、ロックンローラーとしてのエルヴィスの魅力がよりダイレクトに伝わってくる構成になっているところが何よりも素晴らしい!
 オープニングはいきなりエルヴィスがドスの効いた低い声で “トラブルがお望みなら ちょうどいい所に来たぜ...♪” と歌い出す①「トラブル~ギター・マン」で、そこから続いてオリジナルではカットされていた②「ザッツ・オールライト」へと続く流れが新鮮だ。コレはスコッティ・ムーアや DJ フォンタナといった50's時代のバックバンド仲間たちとの同窓会的セッション、通称 “ブラック・レザー・シットダウン・ショー” で、50年代に勝るとも劣らないグルーヴを生み出すエルヴィスが凄い。③「ベイビー・ホワット・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ドゥ」を歌い終わった後、フロリダでの “小指パフォーマンス” のエピソードを楽しそうに語るエルヴィスのリラックスぶりもエエ感じだ(^・^)
 ここからがこのショーのクライマックス “ブラック・レザー・スタンドアップ・ショー” だ。④「ハートブレイク・ホテル~ハウンド・ドッグ~オール・シュック・アップ」、⑤「好きにならずにいられない」、⑥「監獄ロック」、⑦「冷たくしないで」、⑧「ブルー・スエード・シューズ」、⑨「ラヴ・ミー・テンダー」という究極のエルヴィス・クラシックス連続攻撃が圧巻で、荒々しいロックンロール・スピリットと深いバラッド性、全盛期を彷彿とさせるシャープな動きも健在だ。特に⑦のアタマでマイク・スタンドをモリに見立てて引っつかみ、 “モビー・ディック!” と叫ぶところなんかもうめちゃくちゃカッコイイ(≧▽≦) ⑨の歌詞で “You have made my life complete♪” (君は私の人生を満たしてくれた...)のパートを “You have made my life a wreck♪” (お前のせいでオレの人生台ナシだ...)とおどけて歌うエルヴィスのユーモアがたまらなく好きだ。
 ⑪の「ゴスペル・プロダクション・ナンバー」を挟んで⑫から⑱までは再び “ブラック・レザー・シットダウン・ショー” に戻るのだが、この辺の流れも実に自然で巧みな編集がなされている。ロイド・プライスもブッ飛ぶグルーヴ感に圧倒される⑫「ローディ・ミス・クローディ」、唇が変になるくらい(笑)表情豊かに歌い上げる⑬「今夜はひとりかい?」、エモーショナルで緩急自在なヴォーカルが絶品の⑭「トライング・トゥ・ゲット・トゥ・ユー」、首を振りながら激しくシャウトするエルヴィスにシビレる⑮「タイガー・マン」、言葉の速射砲が堪能できる⑯「ブルームーンがまた輝けば」、歌の途中で立ち上がりイスに脚を乗せて立てヒザで歌う姿がめっちゃカッコイイ⑰「ワン・ナイト」と、立っても座ってもエルヴィスほど絵になる男は他にはいない。
 ミュージカル仕立ての⑪「ゴスペル・プロダクション・ナンバー」やアメリカ版 “ギターを持った渡り鳥” みたいな⑲「ギター・マン・プロダクション・ナンバー」も悪くは無いが、あまり私の趣味ではないのでいつも飛ばしてしまう。エルヴィスの原点はあくまでもロックンロールであり、そのことを雄弁に物語っているのが神がかり的とも言える上記のライヴ・パフォーマンスなのだ。
 このショーがオンエアされた1968年末といえば、60'sを支配してきたビートルズが崩壊への道を突き進み、音楽界は混沌としたニュー・ロックの時代に突入しつつあったが、そんな中で50'sを席巻した伝説のカリスマ・ロッカー、エルヴィスの復活は意義深いモノがある。全米で瞬間視聴率が70%を超えたというのも十分うなずける話だ。そういう意味でもこの “スペシャル・エディション” DVD はすべてのロック・ファン必見の1枚だと思う。

Elvis Presley - That's Alright Mama [1968 Comeback Special]


Elvis Presley - Comeback Special Show Tv.1968 Hearbreak hotel,Hound dog,All shook up


Elvis Presley LIVE (very) - "Don't Be Cruel"/"Love Me Tender" - original VT

Rocker / Elvis Presley

2010-08-18 | Oldies (50's & 60's)
 初めて買った2枚組のベストCD を聴いて “さすがにジョン・レノンが絶賛するだけのことはあるわ(≧▽≦)” とエルヴィスの魅力に開眼した私はもっと色々な曲を聴いてみたいと思い、次に買う盤の選定に入った。 “気に入ったアーティストは徹底的に聴き込む” という習性は今も昔も変わらない。
先のベスト盤は50's、60's、70'sとキャリア全般を見渡せるという意味でもエルヴィス初心者にピッタリの内容だったが、大好きな「ブルー・スエード・シューズ」が入っていないのが玉にキズだった。そこで2枚目に買うエルヴィス盤は “【1】とにかく「ブルー・スエード・シューズ」が入ってて、【2】ベスト盤と出来るだけ被らない選曲で、【3】他にもバリバリのロックンロールが一杯入ってる” 盤にターゲットを絞り、レコード屋でもらった電話帳みたいなCDカタログで彼のCDを片っ端から調べ上げた。そこで網に引っかかってきたのがこの「ロッカー」である。
 このアルバムはエルヴィス生誕50周年を記念して1984年にリリースされた編集盤で、タイトルが示すようにロッカーとしてのエルヴィスに焦点を当て、50年代エルヴィス音源の中からロックンロール・クラシックスのカヴァーを中心にセレクトされている。ビートルズで言えば来日10周年記念として1976年に企画された「ロックンロール・ミュージック」みたいなモンだろう。今と違って当時の私はオリジナル・アルバムと編集盤との違いもあまりよく分かっていなかったし、この CD が上記の条件を全て満たしていたこともあって、即買いを決めた。
 このアルバムは最初 LP フォーマットで発売されただけあって収録曲は12曲、トータル・タイムにしてわずか25分53秒なのだが、これがもう言葉を失うぐらいカッコ良いナンバーのオンパレードで、最近の70分以上入った無味乾燥な CD を聴くのがアホらしくなるくらい密度が濃い。私なんかいつ聴いても次から次へと繰り出される名曲名演の波状攻撃にアタマがクラクラしてしまう(≧▽≦) シングル・ヒット曲の①「監獄ロック」で始め、間にカヴァー曲を挟んで最後は⑫「ハウンド・ドッグ」で締めるという構成も分かりやすい。
 私が拘った②「ブルー・スエード・シューズ」はオリジナルのカール・パーキンスが霞んでしまうくらいのスリルとパワーに満ち溢れたキラー・チューン。ビートルズにせよエルヴィスにせよ、時代を変えたアーティストというのはカヴァー曲でオリジナルを完全に凌駕して自分のモノにしてしまうところが凄い。とにかくコレを聴いて何も感じなければロックンロールには縁が無いと諦めるしかないだろう。
 いきなり “ワッバパ ルマッパ ラッバンブン!” という意味不明なフレーズで始まる③「トゥッティ・フルッティ」も強烈だ。その圧倒的なスピード感、有無を言わせぬエネルギーの奔流は筆舌に尽くしがたい。この曲を始め、⑦「レディ・テディ」、⑧「リップ・イット・アップ」、⑩「ロング・トール・サリー」と、リトル・リチャードのナンバーが4曲も取り上げられているのも当時のアメリカのロックンロール界の状況を雄弁に物語っているようだ。
 ロイド・プライスの④「ローディ・ミス・クローディ」とジョー・ターナーの⑨「シェイク・ラトル・アンド・ロール」はどちらも映画「レット・イット・ビー」でポールが歌っていたナンバー。そういえばこの盤にはソロ時代も含めてビートルズが取り上げている曲が多く入っており、その辺りもビートルズ・ファンの私にとって非常に親しみ易い選曲だった。このアルバム中数少ない非カヴァー曲⑪「ベイビー・アイ・ドント・ケア」は単純明快な歌詞とノリの良い曲想がバッチリ合っていて結構好きなのだが、オトシマエの付け方が今一歩。ココはやはり「テディー・ベア」みたいなカッコ良いエンディングでビシッとキメて欲しかった。
 50年代エルヴィスの、それも全盛期と言える56~57年の音源の中から火の出るようなロックンロールばかりを選りすぐったこのアルバムは、とても60年以上も前の音とは思えない生々しさで我々の前に屹立している。ビリー・ジョエルじゃないが、“やっぱりロックンロールが最高!”と叫びたくなるような衝動に駆られる1枚だ。

Elvis Presley - Blue Suede Shoes


Elvis Presley - Tutti Frutti (live appearance)


Elvis Presley Baby I Don't Care Colour Jailhouse Rock
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The Top Ten Hits / Elvis Presley

2010-08-15 | Oldies (50's & 60's)
 音楽バカの私は我がの誕生日を忘れることはあっても、自分にとって特別な存在の夭折ミュージシャンの命日は決して忘れない。中でもジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、そしてエルヴィス・プレスリーの5人は別格で、その日は一日中彼らの音楽を聴いて過ごすことにしている。
 エルヴィスが8月16日に亡くなったこともあって、私にとってのお盆は毎年 “エルヴィス・ウイーク” と化す。仕事が休みでヒマなのをいいことに思いっ切り音楽三昧で、手持ちのレコードや CD を聴いたり、 DVD を見たりしながら “キング” に思いを馳せるのだ。ということで、今日は彼のオール・タイム・ベスト「ザ・トップ10・ヒッツ」を肴に、改めてその偉大なるキャリアを振り返ってみようと思う。
 私の70年代はほとんどビートルズ一色だったし、80年代に入るとコンテンポラリーなヒット・チャートを追いかけるのに手一杯で、エルヴィスに関してはちょうどベンチャーズと同じように FM で超有名なナンバーを数曲エアチェックしただけで十分満足していた。やがて80年代も後半になると音楽媒体はレコードから CD の時代へと突入、旧譜が相次いで CD で再発されるようになったのをきっかけに、私は50~60年代のいわゆる “オールディーズ・アーティスト” たちのベスト盤 CD を買うことにした。そこでイの一番に頭に浮かんだのがエルヴィスである。
 早速タワーレコードで彼のベスト盤を探し、色々迷った挙句「ザ・ナンバー1・ヒッツ」(18曲入り)と「ザ・トップ10・ヒッツ」(38曲入り2枚組)の2枚に絞った。代表曲をほぼ網羅した前者がお買い得かなぁとも思ったが、トラックリストをよくよく見ると大好きな「好きにならずにいられない」が入っていない(>_<) こんな絶世の名曲がツイスト・ブームとはいえ「ペパーミント・ツイスト」みたいなアホバカ曲に阻まれて2位止まりというのはアメリカ人にとって末代までの恥だと思うが、とにかくこの1曲のためだけに私は高価な2枚組の方を選んだ。ビートルズで言えば「オール・マイ・ラヴィング」の入っていない「1」をやめて「赤盤」にするようなものだろう。結果的にこのチョイスが私のエルヴィス開眼のきっかけになったことを考えると、能天気なツイスト・ブームにも感謝せねばなるまい。
 ディスク1前半は①「ハートブレイク・ホテル」に始まり③「ハウンド・ドッグ」、④「冷たくしないで」、⑤「ラヴ・ミー・テンダー」、⑧「オール・シュック・アップ」、⑩「監獄ロック」と、まさに怒涛の名曲ラッシュで、50年代のロックンロール・オリジネイターとしてのエルヴィスが存分に堪能できる(≧▽≦) 特に56~57年のエルヴィスは社会現象と言ってもいいくらいの圧倒的な勢いでチャートを席巻し、両年ともに年間の約半分にあたる25週にわたって1位を独占するという凄まじさだった。
 58年に入ると兵役に取られたこともあってかブームも一段落、④の焼き直しみたいな⑫「アイ・ベッグ・オブ・ユー」が8位止まりだったのを始め、楽曲のパワーダウンに比例して前年までの勢いに翳りが見え始める。改めて今の耳で聴くと決して悪くはないし、⑪「ドント」(←邦題「ドントまづいぜ」の “づ” がエエ味出してます...笑)、⑯「アイ・ガット・スタング」、⑱「アイ・ニード・ユア・ラヴ・トゥナイト」、⑲「ア・ビッグ・ハンク・オブ・ラヴ」(←邦題の「恋の大穴」にはワロタ...)なんかは結構好きなのだが、なんせ上記のエルヴィス・クラシックスのインパクトが強すぎて58~59年の楽曲群はどうしても小粒に感じてしまう。
 ディスク2は60年に兵役を終えて本格的にカムバックして以降のもので、マネージャーであるパーカー大佐の差し金により、エルヴィスは音楽よりも映画作りに精を出すようになってしまう。しかも楽曲スタイルがロカビリーからポップス中心へと大きく変わったこともあって、エルヴィスというとどうしても50年代の荒々しいロックンロールを期待してしまう私には “ハリウッド時代” と呼ばれるこの頃の曲は少し甘すぎるように感じてしまうし、肝心の曲そのものもツマランものが多い。
 しかし天性のヴォーカリストとしての資質は錆びるどころかより磨きがかかり、名旋律の曲を歌わせたらまさに天下一品(^o^)丿 昔はこの時期のエルヴィスをほとんど聴かなかったが、今ではロッカーというよりも不世出のヴォーカリストとしての彼の歌声を楽しんでいる。特にイタリアの「オー・ソレ・ミオ」、「帰れソレントへ」をそれぞれ英語でカヴァーした②「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー」、④「サレンダー」なんかは有無を言わさぬ説得力だし、⑧「好きにならずにいられない」に至ってはアメリカ音楽史上屈指の名曲名唱だと思う。
 数少ないロック曲では⑥「リトル・シスター」が大好きで、「カンボジア難民救済コンサート」でロバート・プラントがロックパイルを従えて歌った曲のオリジナルがコレだ。叉、タモリの空耳アワードで2006年のグランプリを受賞した⑬「ボサ・ノヴァ・ベイビー」は空耳ファン必聴のキラー・チューンで、1分3秒から炸裂する “お酢をください~♪” には大爆笑だ(^o^)丿
 ハリウッドから足を洗い、音楽活動に専念するようになってからでは69年に3位まで上がった⑮「イン・ザ・ゲットー」が圧倒的に素晴らしい。エルヴィスとしては異色とも言える思索的な深さを持った歌詞が感動を呼ぶこのメッセージ・ソングは何度聴いても背筋がゾクゾクするし、この曲に出会えただけでも「トップ10・ヒッツ」を選んで大正解だったと思う。
 コレに続く⑯「サスピシャス・マインド」は約7年半ぶりの、そしてエルヴィス現役時代最後の全米№1に輝いたゴスペル・フィーリング横溢のカッコ良いロック・ナンバーで、バック・コーラスやブラス・セクションが一致団結して生み出すグルーヴィーなサウンドをバックに成熟したヴォーカルを聴かせるエルヴィスは圧巻の一言。まさに “エルヴィス、ここに完全復活!” と叫びたくなるような1曲だ。
 その後、NBC-TV の「カムバック・スペシャル」やラスベガス公演の模様を収録した映画「エルヴィス・オン・ステージ」を見て益々エルヴィスにハマッていったのだが、私が “キング” の “キング” たる所以を知るきっかけとなったのは他でもない、一番最初に買ったこのベスト盤 CD なのだ。

Bossa Nova Baby


Elvis Presley Little Sister


Elvis Presley - In The Ghetto (That's The Way It Is 1970).avi


【CM】20世紀カップヌードル【エルヴィス・プレスリー編】
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Love Me Tender / Elvis & Linda

2010-05-11 | Oldies (50's & 60's)
 2月にやった “勝手にリンロン祭り” で彼女の「リヴィング・イン・ザ・ USA」を取り上げた時に、エルヴィスとリンロンの “「ラヴ・ミー・テンダー」幻のデュエット盤” をついに eBay でゲット!と書いたのだが、その後色々とあって、今日やっとのことで欲しかった盤が届いたのだ。何じゃい、3ヶ月もかかったんかいな、と思われるかもしれないが、別に郵便屋がサボッていたワケでも、セラーが出し忘れていたワケでもない。2月に落としたブツはとんでもないニセモノだったのだ(泣) ということで今日はホンモノ・ゲットに至る紆余曲折を書いてみたい。
 状況を整理すると、まずリンロンがアルバム「リヴィング・イン・ザ・ USA」(1978年)でエルヴィス・プレスリー1956年のヒット曲「ラヴ・ミー・テンダー」をカヴァー、それをアメリカのラジオ局 WCBM の DJ レイ・クウィンがエルヴィスの未発表ラジオ・テープと合成し、20年の時を超えてデュエットさせ、リスナーの大反響を呼んだという。私は「アメリカン・トップ40」の「ロング・ディスタンス・デディケーション」のコーナーでコレを耳にして鳥肌が立つほどゾクゾクしたのを覚えている。何とかして手に入れたかったが、当時の私には非売品のDJ用プロモーショナル・コピーを入手することなど到底不可能だった。
 それから約20年が経ち、ネットで海外オークションをやるようになって様々なレア盤の入手に成功してきたが、この盤だけは滅多に出てこず、たまに見つけても£40~£50というエゲツナイ値段が付いており、さすがの私も手を出せなかった。そんな中、リンロン祭りで盛り上がっていた折りも折り、$10で出品されているのを発見して有頂天になりよく調べもせずに落札(←アホや...)、あれほど入手困難を極めた盤が格安無競争で手に入り、何か拍子抜けしながらもブツが届くのを楽しみに待っていた。
 1週間ほどで届いた盤は白いレーベルに男女のヘタクソな似顔絵とDUETという赤い文字(←コレがレーベル名か?)、下の方には ELVIS AND LINDA 101 と書いてある。はやる心を抑えて盤に針を落とすと聞こえてきたのはまるで錆びた釘をレコード針に使ってるんちゃうかと思うぐらいの歪んだ音で、私は “何じゃこりゃぁ~!!” の松田優作状態に陥った。これまでの音楽人生で多くの海賊盤をも含めて色々なレコードを聴いてきたが、これほど酷い音はちょっと記憶にない。その場でブチ割ったろかとも思ったが、安物買いの銭失いの教訓として取っておくことにした。まぁ送料込みで千円ちょっとですんだのが不幸中の幸いだったが、このアホバカ盤、今では “鍋しき” として使っている(笑)
 私は “やっぱり激レア盤だけあってそう簡単には手に入らんわ...(>_<)” と心が折れかけたが、3月4月とその後もしつこく eBay で網を張っていた。そして5月の連休に入って時間と気持ちに余裕の出来た私はふと閃いて検索ワードを “Love Me Tender Elvis Linda” から “Love Me Tender Elvis duet” に変えてみた。するとイギリスのセラーから SUN レーベル盤(!)が£9スタートで出品されているのを発見!エルヴィスに関する限り SUN レーベルなら信頼できそうだし、アップされたレーベル写真には “NOT FOR SALE” の文字が見て取れる。コレは間違いないと直感した私は連休中に早朝スナイプを敢行、£13で首尾よく手に入れることができた(^o^)丿
 届いた盤は今度こそ正真正銘の本物で、まさに私が30年前に聴いて感激したあのデュエットだ。う~ん、まさに黄金のデュエットと言えるこのハモり、タマランなぁ... (≧▽≦) このブログを読んで下さってるみなさん用にこっそりアップして貼り付けときましたので、興味のある方はゲシュタポ・ユーチューブに削除される前にご一聴を(^.^)

リンロンのプロモ盤
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Good Vibrations: Thirty Years of the Beach Boys

2009-12-27 | Oldies (50's & 60's)
 今日も“阪神レコードCD バーゲン” の続編だ。単品 CD をほぼ見終えてふと目についたのがいわゆるボックス・セットだった。単品CDに関してはそれほどレアな盤はなかったように思うし価格面でも一部の例外(←plinco さんと 901 さんはブルーノートやプレスティッジの国内盤CDの音の良いヤツを1枚480円でそれぞれ十数枚ずつ買われました... 安っ!)を除いてネットで買う方が安いように思うが、ことボックス・セットに関しては時々入手困難盤を見かけるし、送料を考えればネットよりも割安になるケースも多い。今回もビートルズの「キャピトル・ボックス」を始め、ポールの「フラワーズ・イン・ザ・ダート・ワールド・ツアー・パック」、フィル・スペクターの「バック・トゥ・モノ」、ゼッペリンの「4CD BOX」、スプリングスティーンの「ボーン・トゥ・ラン・30th エディション」etc、色んなボックスが並んでいたが、私が目をつけたのは1993年に出たビーチ・ボーイズの「グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス」だ。
 以前このブログでも書いたように私はビーチ・ボーイズに関しては超初心者である。一応62年のデビュー・アルバム「サーフィン・サファリ」から66年の「ペット・サウンズ」までのオリジナル・アルバムは CD で持ってはいるが、一向にそこから先へは進まない。つまり “サーフィンと車と女の子” を歌った初期の曲はめっちゃ好きなのだが、最高傑作の呼び声も高くポールやジョージ・マーティンが絶賛したという「ペット・サウンズ」のどこが良いのかサッパリわからないのだ。これってちょうど “「シー・ラヴズ・ユー」や「抱きしめたい」、「ア・ハード・デイズ・ナイト」といった初期ビートルズの音楽は何も考えなくても身体が動いてしまうけれど、「リヴォルヴァー」や「サージェント・ペパーズ」はストレートなロックンロール色が後退しててイマイチ楽しめない......” って言ってる人と同じ感覚なのかもしれない。
 このように “気にはなってるけど先へ進まない” 状況だった私のBB5だが、以前 moondreams さんのブログでこのボックス・セットが取り上げられているのを見て、それ以来ずーっと心の隅に引っ掛かっていた。それが今、目の前に並んでいるのだ。価格は4,980円... 貧乏性の私はいつもヤフオクやアマゾンで相場を調べてから買うことにしているのだが、5枚組(実際はもう1枚ボーナスCDが入った6枚組だった...)で5,000円を切るならお買い得(セコイけど、ネットで買ったら送料だけで数百円取られるし...)やし、“previously unreleased”、つまり未発表曲が満載やし、自分の持ってる旧規格のCD(←カッティング・レベル低すぎ!)よりも音が良さそうということもあって、迷わずに買いを決めた。
 この「グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス」、昨日買ってきたばかりでまだ全部聴き終えていないのだが、これは聴き応え十分だ。Disc-1 は「サーフィンUSA」のデモ・ヴァージョンで始まるが、いきなりのブライアンのピアノ弾き語りにビックリ... まるでビートルズの「アンソロジー」を聴いているようだ。音が良くなったせいか、私の大好きなアップテンポの曲はより躍動感に磨きがかかり輝きを増している。「サーフィンUSA」や「ファン・ファン・ファン」、「アイ・ゲット・アラウンド」といった超有名曲は言うまでもないが、「リトル・ホンダ」や「ダンス・ダンス・ダンス」(←この2曲めっちゃ好き!)の楽しさはBB5の魅力ここに極まれりといった感じだし、「409」や「キャッチ・ア・ウエイヴ」といった隠れ名曲の魅力も再認識させられる。「ホワイ・ドゥー・フールズ・フォール・イン・ラヴ」、「ドゥー・ユー・ウォナ・ダンス」、「ハッシャバイ」といったカヴァー曲もオリジナルを凌駕する圧倒的な素晴らしさだ(^o^)丿
 Disc-2 前半は「カリフォルニア・ガールズ」、「ヘルプ・ミー・ロンダ」、「バーバラ・アン」、「スループ・ジョン・B」と怒涛の名曲名演ラッシュが圧巻だが、心底楽しめるのは「ウドゥント・イット・ビー・ナイス」あたりまでで、やはりアルバム「ペット・サウンズ」の内省的な曲~幻の「スマイル」音源になると難解すぎてちょっと辛い。そんな中で「グッド・ヴァイブレーションズ」はまさに地獄で仏(笑)という感じで、あくまでもポップでありながら実はめちゃくちゃプログレッシヴという、狂気をはらんだ天才ブライアン・ウィルソン渾身の一撃であり、ポップス史上に残る大傑作だと思う。Disc-3 以降は未聴だが、これからゆっくり時間をかけて楽しむとしよう。

The Beach Boys - Dance, Dance, Dance