
音楽バカの私は我がの誕生日を忘れることはあっても、自分にとって特別な存在の夭折ミュージシャンの命日は決して忘れない。中でもジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、そしてエルヴィス・プレスリーの5人は別格で、その日は一日中彼らの音楽を聴いて過ごすことにしている。
エルヴィスが8月16日に亡くなったこともあって、私にとってのお盆は毎年 “エルヴィス・ウイーク” と化す。仕事が休みでヒマなのをいいことに思いっ切り音楽三昧で、手持ちのレコードや CD を聴いたり、 DVD を見たりしながら “キング” に思いを馳せるのだ。ということで、今日は彼のオール・タイム・ベスト「ザ・トップ10・ヒッツ」を肴に、改めてその偉大なるキャリアを振り返ってみようと思う。
私の70年代はほとんどビートルズ一色だったし、80年代に入るとコンテンポラリーなヒット・チャートを追いかけるのに手一杯で、エルヴィスに関してはちょうどベンチャーズと同じように FM で超有名なナンバーを数曲エアチェックしただけで十分満足していた。やがて80年代も後半になると音楽媒体はレコードから CD の時代へと突入、旧譜が相次いで CD で再発されるようになったのをきっかけに、私は50~60年代のいわゆる “オールディーズ・アーティスト” たちのベスト盤 CD を買うことにした。そこでイの一番に頭に浮かんだのがエルヴィスである。
早速タワーレコードで彼のベスト盤を探し、色々迷った挙句「ザ・ナンバー1・ヒッツ」(18曲入り)と「ザ・トップ10・ヒッツ」(38曲入り2枚組)の2枚に絞った。代表曲をほぼ網羅した前者がお買い得かなぁとも思ったが、トラックリストをよくよく見ると大好きな「好きにならずにいられない」が入っていない(>_<) こんな絶世の名曲がツイスト・ブームとはいえ「ペパーミント・ツイスト」みたいなアホバカ曲に阻まれて2位止まりというのはアメリカ人にとって末代までの恥だと思うが、とにかくこの1曲のためだけに私は高価な2枚組の方を選んだ。ビートルズで言えば「オール・マイ・ラヴィング」の入っていない「1」をやめて「赤盤」にするようなものだろう。結果的にこのチョイスが私のエルヴィス開眼のきっかけになったことを考えると、能天気なツイスト・ブームにも感謝せねばなるまい。
ディスク1前半は①「ハートブレイク・ホテル」に始まり③「ハウンド・ドッグ」、④「冷たくしないで」、⑤「ラヴ・ミー・テンダー」、⑧「オール・シュック・アップ」、⑩「監獄ロック」と、まさに怒涛の名曲ラッシュで、50年代のロックンロール・オリジネイターとしてのエルヴィスが存分に堪能できる(≧▽≦) 特に56~57年のエルヴィスは社会現象と言ってもいいくらいの圧倒的な勢いでチャートを席巻し、両年ともに年間の約半分にあたる25週にわたって1位を独占するという凄まじさだった。
58年に入ると兵役に取られたこともあってかブームも一段落、④の焼き直しみたいな⑫「アイ・ベッグ・オブ・ユー」が8位止まりだったのを始め、楽曲のパワーダウンに比例して前年までの勢いに翳りが見え始める。改めて今の耳で聴くと決して悪くはないし、⑪「ドント」(←邦題「ドントまづいぜ」の “づ” がエエ味出してます...笑)、⑯「アイ・ガット・スタング」、⑱「アイ・ニード・ユア・ラヴ・トゥナイト」、⑲「ア・ビッグ・ハンク・オブ・ラヴ」(←邦題の「恋の大穴」にはワロタ...)なんかは結構好きなのだが、なんせ上記のエルヴィス・クラシックスのインパクトが強すぎて58~59年の楽曲群はどうしても小粒に感じてしまう。
ディスク2は60年に兵役を終えて本格的にカムバックして以降のもので、マネージャーであるパーカー大佐の差し金により、エルヴィスは音楽よりも映画作りに精を出すようになってしまう。しかも楽曲スタイルがロカビリーからポップス中心へと大きく変わったこともあって、エルヴィスというとどうしても50年代の荒々しいロックンロールを期待してしまう私には “ハリウッド時代” と呼ばれるこの頃の曲は少し甘すぎるように感じてしまうし、肝心の曲そのものもツマランものが多い。
しかし天性のヴォーカリストとしての資質は錆びるどころかより磨きがかかり、名旋律の曲を歌わせたらまさに天下一品(^o^)丿 昔はこの時期のエルヴィスをほとんど聴かなかったが、今ではロッカーというよりも不世出のヴォーカリストとしての彼の歌声を楽しんでいる。特にイタリアの「オー・ソレ・ミオ」、「帰れソレントへ」をそれぞれ英語でカヴァーした②「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー」、④「サレンダー」なんかは有無を言わさぬ説得力だし、⑧「好きにならずにいられない」に至ってはアメリカ音楽史上屈指の名曲名唱だと思う。
数少ないロック曲では⑥「リトル・シスター」が大好きで、「カンボジア難民救済コンサート」でロバート・プラントがロックパイルを従えて歌った曲のオリジナルがコレだ。叉、タモリの空耳アワードで2006年のグランプリを受賞した⑬「ボサ・ノヴァ・ベイビー」は空耳ファン必聴のキラー・チューンで、1分3秒から炸裂する “お酢をください~♪” には大爆笑だ(^o^)丿
ハリウッドから足を洗い、音楽活動に専念するようになってからでは69年に3位まで上がった⑮「イン・ザ・ゲットー」が圧倒的に素晴らしい。エルヴィスとしては異色とも言える思索的な深さを持った歌詞が感動を呼ぶこのメッセージ・ソングは何度聴いても背筋がゾクゾクするし、この曲に出会えただけでも「トップ10・ヒッツ」を選んで大正解だったと思う。
コレに続く⑯「サスピシャス・マインド」は約7年半ぶりの、そしてエルヴィス現役時代最後の全米№1に輝いたゴスペル・フィーリング横溢のカッコ良いロック・ナンバーで、バック・コーラスやブラス・セクションが一致団結して生み出すグルーヴィーなサウンドをバックに成熟したヴォーカルを聴かせるエルヴィスは圧巻の一言。まさに “エルヴィス、ここに完全復活!” と叫びたくなるような1曲だ。
その後、NBC-TV の「カムバック・スペシャル」やラスベガス公演の模様を収録した映画「エルヴィス・オン・ステージ」を見て益々エルヴィスにハマッていったのだが、私が “キング” の “キング” たる所以を知るきっかけとなったのは他でもない、一番最初に買ったこのベスト盤 CD なのだ。
Bossa Nova Baby
Elvis Presley Little Sister
Elvis Presley - In The Ghetto (That's The Way It Is 1970).avi
【CM】20世紀カップヌードル【エルヴィス・プレスリー編】
エルヴィスが8月16日に亡くなったこともあって、私にとってのお盆は毎年 “エルヴィス・ウイーク” と化す。仕事が休みでヒマなのをいいことに思いっ切り音楽三昧で、手持ちのレコードや CD を聴いたり、 DVD を見たりしながら “キング” に思いを馳せるのだ。ということで、今日は彼のオール・タイム・ベスト「ザ・トップ10・ヒッツ」を肴に、改めてその偉大なるキャリアを振り返ってみようと思う。
私の70年代はほとんどビートルズ一色だったし、80年代に入るとコンテンポラリーなヒット・チャートを追いかけるのに手一杯で、エルヴィスに関してはちょうどベンチャーズと同じように FM で超有名なナンバーを数曲エアチェックしただけで十分満足していた。やがて80年代も後半になると音楽媒体はレコードから CD の時代へと突入、旧譜が相次いで CD で再発されるようになったのをきっかけに、私は50~60年代のいわゆる “オールディーズ・アーティスト” たちのベスト盤 CD を買うことにした。そこでイの一番に頭に浮かんだのがエルヴィスである。
早速タワーレコードで彼のベスト盤を探し、色々迷った挙句「ザ・ナンバー1・ヒッツ」(18曲入り)と「ザ・トップ10・ヒッツ」(38曲入り2枚組)の2枚に絞った。代表曲をほぼ網羅した前者がお買い得かなぁとも思ったが、トラックリストをよくよく見ると大好きな「好きにならずにいられない」が入っていない(>_<) こんな絶世の名曲がツイスト・ブームとはいえ「ペパーミント・ツイスト」みたいなアホバカ曲に阻まれて2位止まりというのはアメリカ人にとって末代までの恥だと思うが、とにかくこの1曲のためだけに私は高価な2枚組の方を選んだ。ビートルズで言えば「オール・マイ・ラヴィング」の入っていない「1」をやめて「赤盤」にするようなものだろう。結果的にこのチョイスが私のエルヴィス開眼のきっかけになったことを考えると、能天気なツイスト・ブームにも感謝せねばなるまい。
ディスク1前半は①「ハートブレイク・ホテル」に始まり③「ハウンド・ドッグ」、④「冷たくしないで」、⑤「ラヴ・ミー・テンダー」、⑧「オール・シュック・アップ」、⑩「監獄ロック」と、まさに怒涛の名曲ラッシュで、50年代のロックンロール・オリジネイターとしてのエルヴィスが存分に堪能できる(≧▽≦) 特に56~57年のエルヴィスは社会現象と言ってもいいくらいの圧倒的な勢いでチャートを席巻し、両年ともに年間の約半分にあたる25週にわたって1位を独占するという凄まじさだった。
58年に入ると兵役に取られたこともあってかブームも一段落、④の焼き直しみたいな⑫「アイ・ベッグ・オブ・ユー」が8位止まりだったのを始め、楽曲のパワーダウンに比例して前年までの勢いに翳りが見え始める。改めて今の耳で聴くと決して悪くはないし、⑪「ドント」(←邦題「ドントまづいぜ」の “づ” がエエ味出してます...笑)、⑯「アイ・ガット・スタング」、⑱「アイ・ニード・ユア・ラヴ・トゥナイト」、⑲「ア・ビッグ・ハンク・オブ・ラヴ」(←邦題の「恋の大穴」にはワロタ...)なんかは結構好きなのだが、なんせ上記のエルヴィス・クラシックスのインパクトが強すぎて58~59年の楽曲群はどうしても小粒に感じてしまう。
ディスク2は60年に兵役を終えて本格的にカムバックして以降のもので、マネージャーであるパーカー大佐の差し金により、エルヴィスは音楽よりも映画作りに精を出すようになってしまう。しかも楽曲スタイルがロカビリーからポップス中心へと大きく変わったこともあって、エルヴィスというとどうしても50年代の荒々しいロックンロールを期待してしまう私には “ハリウッド時代” と呼ばれるこの頃の曲は少し甘すぎるように感じてしまうし、肝心の曲そのものもツマランものが多い。
しかし天性のヴォーカリストとしての資質は錆びるどころかより磨きがかかり、名旋律の曲を歌わせたらまさに天下一品(^o^)丿 昔はこの時期のエルヴィスをほとんど聴かなかったが、今ではロッカーというよりも不世出のヴォーカリストとしての彼の歌声を楽しんでいる。特にイタリアの「オー・ソレ・ミオ」、「帰れソレントへ」をそれぞれ英語でカヴァーした②「イッツ・ナウ・オア・ネヴァー」、④「サレンダー」なんかは有無を言わさぬ説得力だし、⑧「好きにならずにいられない」に至ってはアメリカ音楽史上屈指の名曲名唱だと思う。
数少ないロック曲では⑥「リトル・シスター」が大好きで、「カンボジア難民救済コンサート」でロバート・プラントがロックパイルを従えて歌った曲のオリジナルがコレだ。叉、タモリの空耳アワードで2006年のグランプリを受賞した⑬「ボサ・ノヴァ・ベイビー」は空耳ファン必聴のキラー・チューンで、1分3秒から炸裂する “お酢をください~♪” には大爆笑だ(^o^)丿
ハリウッドから足を洗い、音楽活動に専念するようになってからでは69年に3位まで上がった⑮「イン・ザ・ゲットー」が圧倒的に素晴らしい。エルヴィスとしては異色とも言える思索的な深さを持った歌詞が感動を呼ぶこのメッセージ・ソングは何度聴いても背筋がゾクゾクするし、この曲に出会えただけでも「トップ10・ヒッツ」を選んで大正解だったと思う。
コレに続く⑯「サスピシャス・マインド」は約7年半ぶりの、そしてエルヴィス現役時代最後の全米№1に輝いたゴスペル・フィーリング横溢のカッコ良いロック・ナンバーで、バック・コーラスやブラス・セクションが一致団結して生み出すグルーヴィーなサウンドをバックに成熟したヴォーカルを聴かせるエルヴィスは圧巻の一言。まさに “エルヴィス、ここに完全復活!” と叫びたくなるような1曲だ。
その後、NBC-TV の「カムバック・スペシャル」やラスベガス公演の模様を収録した映画「エルヴィス・オン・ステージ」を見て益々エルヴィスにハマッていったのだが、私が “キング” の “キング” たる所以を知るきっかけとなったのは他でもない、一番最初に買ったこのベスト盤 CD なのだ。
Bossa Nova Baby
Elvis Presley Little Sister
Elvis Presley - In The Ghetto (That's The Way It Is 1970).avi
【CM】20世紀カップヌードル【エルヴィス・プレスリー編】
これまた偶然ですね~、僕も昨日“エルヴィス・ウイーク”(笑)中にDVDで映画 アカプルコの海(1963・米)を観てました。勿論キラー・チューンは Bossa Nova Baby!
あっ!映画はもっとアホな物語です・・・観光地で10曲唄えばOKな映画のひとつですが、”スポーツ・カーでは(ナニするのは)狭すぎる”なんてクダラナイ唄まであるんだから!笑っちゃうよ。ぜひご覧ください。
きっと世界中でエルヴィス・ウイークやってるんでしょうね(笑)
エルヴィスの場合、TVショー、ライヴコンサート、映画と
様々な映像が残されているので
ファンとしてはありがたいです。
ご推薦の「アカプルコの海」、早速探してみます。
いつも僕の他愛もないコメントにレスをして下さってありがとうございます。
さて、
ところで、「ビートたけしのオールナイトニッポン」を毎週聞いていた僕は、つい思い出してしまう事があります。たけしさんが言ってた事です。
1980年代のテレビ番組。日本人のロッカー達によるエルヴィス・プレスリー特集。いろんな歌手がプレスリーの曲を歌う。大トリは大御所の内田裕也さん。担当する曲は「監獄ロック」。リハーサルで裕也さんがいろいろ注文する。
たけしさんがその話をしたら、相方の高田文夫先生が爆笑!まあ、裕也さんらしくていいんじゃないですか
「監獄ロック」はエルヴィスにしか歌えない曲ですね。
ガツン!とくるイントロから始まって
後はもうそのダイナミックなヴォーカルにグイグイ引き込まれます。
RCA原盤のシングル聴きましたが凄い音してました。
この頃のエルヴィスは神憑ってますね。
1957年発売。翌年徴兵。1960年除隊。
スポーツ選手が実戦から離れると実力が落ちる。それと似た部分があるかも知れません。
>邦題「ドントまづいぜ」の “づ” がエエ味出してます
同感です。今朝、出勤前に妻と一緒に聴きました。いい曲ですね。
エルヴィスの場合、実力が落ちたというよりは
曲のクオリティーが落ちただけのような気がします。
1968年のカムバック・スペシャルは鳥肌モノでした。