一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

漱石と鴎外 「留学」のちがい

2020-09-11 12:57:07 | 読書
       鴎外の「舞姫」について考えていた折、
       ある人(元大学教授)の方から面白い話を
       聴いていたので、そのことについて。

       鴎外と漱石は生まれた年は 数年ちがい。

       だが、互いの境遇、留学には大きな違いがあり、
       鴎外型と漱石型に分かれる とのこと。

       鴎外がドイツに留学したのは 明治17年、22歳。
       まだ文学には縁がなく、まっさらな気持ちで渡欧。
       踊り子と恋をして、いろいろあったことは
       すでに書いた通り。

       これに対し、
       漱石がイギリスに留学したのは明治33年、33歳。
       すでに家庭をもち、熊本五高で英語を教えていた。

       漢学の素養のあった漱石は 英文学を学ぶつもりで
       あったが、文部省から
       「留学は英文学を学ぶためではなく、英語教育研究
        のためです」といわれ、愕然。

       ここですでにつまづいています。

       イギリスで強度のうつ病にかられ、
       「夏目(漱石)発狂」と文部省でウワサが立つほど。

       ここで詳しくは書かないが、3年で留学は打ち切りに
       なり、帰国して帝大で教鞭をとるも辞職して、
       朝日新聞の小説担当の記者に。

       そこで書いたのが「吾輩は猫である」である。
       それから名作を次々と発表するのは、
       みなさん ご存じのとおり。

       
      
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿