一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

鬼灯と仏壇

2010-06-29 20:33:43 | 雑記
    好きな花、愛着のある花はいくつかあるが、
    ほおずきとなると、好きとか愛着とかを
    超えた、(私のなかで)特別な位置づけと
    なる。ほおずきとは摩訶不思議な植物で
    ある。

    漢字では「鬼灯」と書く「ほおずき」を
    お盆に祭壇に飾る風習があることは、
    関東にきてから知った。
    (私の育った東北ではハスの葉や野菜の
    初物を上げても、鬼灯は使わなかった)
    なんでも仏さまが提灯に見立てた鬼灯の
    灯りを頼りに帰ってくるのだとか。

    話は変わるが、先般、わが家の仏壇を
    小さいものに買い換えた。
    えっ、仏壇を?
    と思う方は多いかもしれない。私だって
    ついこの間までそう思っていたのだから。

    これまであったのは義母が亡くなり、
    誰も住み手がいなくなった家を処分する
    ときに仏壇だけを(九州から)もってきた
    もの。
    信心深い老母の求めたものだからやたら
    大きく、ぎんぎんして、いかにも存在感
    のある代物であった。
    やがて亡くなった我がつれあいも、お墓
    とは別に小さな骨壺におさまって、そこ
    に入っている。
    
    それはともかく、仏壇の金箔をほどこした
    立派さが、我が家には似つかわしくなくて、
    気になって仕方がなかったのである。
    いつかデパートの仏具コーナーを通った
    時に、小型でしゃれた仏壇が並んでいる
    のをみて、折があったら買い換えようと
    思っていたのだ。
    (参考までにいうと、古いのは新しいもの
    と交換という形で、丁重にお経をあげても
    らって処分してくれる)
  
    現在は小さな、本箱とも見間違えそうな
    仏壇がちょこんと鎮座している。
    (まさか仏壇の写真を載せるわけにもいか
    ないので、庭で色づきはじめた鬼灯の
    写真をーー)


         

夏グミ

2010-06-24 07:08:48 | 自然
    詩人で評論家、思想家(などいわれる)谷川雁
    は晩年、

     誰しも幼年時代をもっているが、それが昔 
     懐かしいという気分で取り出されるために、    
     みんな似たカラーに染められてしまう。

    といっている。また、晩年になってから一層
    鮮やかになってくる、そんな思い出を

     自分の身体から排出したい

    とも。
    私の夏グミに寄せる想いは谷川雁流にいわ
    せれば、年老いた者の単なる郷愁なのかも 
    しれない。

    小学生の頃、学校から帰ると夏グミの色づく
    のを今か今かと待ち、いいよいよ赤くなった
    ら、枝ごと切ってもらって、口いっぱいに
    ほおばった思い出。
    実はこの(写真の)夏グミ、植木屋さんには
    なく、花屋の店頭でみつけたもの。
    植木鉢に入っていて観賞用だった。
    欲しくて探しているところだったので、すぐ
    さま買って庭に移したのだが失敗。
    それを2回繰り返して、3度目の正直で
    根づいたのである。

    定位置は、台所の窓から見えるところ。
    今では2階に届くほどの背丈になって、
    梅雨になると写真のように愛らしい実を
    鈴なりに実らせる。
    で、味はどうかって?
    甘くて酸っぱくて、渋みがあって……
    家の者からは
    (へっ、こんなもの美味しいの?)
    といった顔で手ひどい仕打ちにあっている。

    私は、というと、草むしりのときに
    ちょっとつまむだけ。
    やはり昔の思い出は郷愁だけで充分の
    ようである。
    かくて、流しで洗いものをするとき、
    自分ひとりだけの郷愁にひたっている
    のである。
 
     

ポンペイ その6

2010-06-13 13:17:15 | 歴史
     このブログ、なぜか写真が1枚しか載せられ
     ない。(何かやり方があるのかも知れないが、
     その方法が分からないのである)
     1つのテーマに入るとつい長くなってしまう
     のはそのためで、どうかお許し願いたい。

     ポンペイの街が栄えたのは日本でいえば、よう
     やく縄文~弥生時代にかけての頃である。
     こちらが貝を食べたり狩猟をしていた頃、
     すでにポンペイでは上下水道が完備し、噴水も
     あった。
     「猛犬に注意!」なんて表示もあり、ほとんど現代
     と変わらない生活であることが分かる。
     パン屋の跡にはパン焼き釜が並び、道路には
     荷車のわだちの跡も。売春宿もあったらしい。
     (写真は馬車道を乳母車であるく観光客)

     今回、ポンペイといっても遺跡は膨大なもの
     だと分かった。
     一瞬にして街全体がゴーストタウンになって
     しまったのだから当然といえば当然だが。
     実際に訪れても、展覧会をのぞいても、まだ
     まだ観きれないぐらいあるのだろう。

     しかも現在、その8割が発掘されたに過ぎな
     いというから、これから解明されることも
     少なくないに相違ない。
     折しも小惑星探査機はやぶさが7年ぶりに
     帰還して話題になっている。宇宙の不思議
     にもわくわくするが、人類の過去をさかの
     ぼっての旅もたまらない。
    
     
     

ポンペイ その5

2010-06-09 15:45:20 | 歴史


     友人から送られた写真に「秘儀荘へ行く途中
     の~」とあったので、「秘儀荘」とは何ぞや
     と調べたら、分かりました。

     「秘儀荘」とは、ポンペイ遺跡の中でもひと
     きわ大きく、独立した建築物と室内のフレス
     コ画の大作で有名だとか。
     (しかも、広い部屋の三面一杯に描かれてい
     るのは、写真のように「ポンペイの赤」と
     いわれる鮮やかな赤で描かれたフレスコ画)

     でも、なぜポンペイの考古学地区からかなり
     離れたところに建てられたのかは疑問だ
     そうです。
     こんなに学問が発達した現在でも解明でき
     ないことはあるのねえ。

      
  
     

ポンペイ その4

2010-06-02 06:05:04 | 歴史
    ローマは三度世界を征服した、といわれる
    のだとか。
    一度は武力で。
    二度目はキリスト教で。
    今一度は法律で。
    (ある法学者によるため、法律でオチがつきます)

    友人のアルバムから。
    いずれも捨てがたいので、何枚か連続掲載
    とさせていただきます。
    これは「古代の水飲み場」
    

ポンペイ その3

2010-06-01 13:26:41 | 歴史
    2000年近く(正確には1630年だが)も
    地下に眠っていたポンペイ遺跡は、悲劇では
    あるが、ある意味、最も幸運な奇跡なのかも
    しれない。
    その奇跡が「ポンペイ最後の日」や「ポンペイ
    の4日間」という小説になり、それは映画にも
    なっている。

    しかし、ポンペイを観ずしてポンペイを語るな、
    であろう。いずれ機会があったら小説は読ん
    でみたい。
   
    写真は実際に遺跡を訪れた友人が送って
    くれた「リビアのローマ劇場址」。
    えっ、トリポリなのにリビア?
    と思ってしまったが、友人が訂正してくれた
    そっくりそのままの説明を記すと、

    トリポリは古代ローマ支配下時代のリビア地方
    の首都のこと。
    もともとは3つの都市が集まってできたので、
    トリ(3.英語のthree)+
    ポリス(都市。police)

    なのだそうだ。ついでにいうと、
    傍にイタリアーノ(イタリアの男性?)が
    いて、映画の一場面かと錯覚しそう。

    と書いたが、フフフ、ドイツ人かアメリカ人、
    もしくはスペインの男性かもしれない、
    ですって。

    でもいいわ、ジブラルタル海峡を渡ればスペ
    インもポルトガルもひとっ飛び、東京から
    九州か北海道に行くようなもんだろうからね
    (もっと遠いかッ)。
    はからずも私の無知と狭い島国根性が露呈
    してしまったが、
    これで結構、古代首都のロマンを楽しんで
    いるのです。