一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

夏草や

2016-07-31 09:06:05 | 自然


      住宅の端っこに畑がある。
      地元のおじいちゃんが時折耕している畑だ。

      昨日通ったら、草が猛々しく繁茂していた。
      たしか夏前には雑草をきれいに抜きとって
      枝豆やらピーマンの苗が植えられていたはず。

      いつの間に……
      もちろん野菜の影など、あとかたも無い。
      なまじ、肥料があるだけに、雑草もはびこる
      のだろう。

      それにしてもすごい繁殖力だ。
      わが家の庭も雑草だらけだが、この比ではない。

      私は畑の持ち主のおじいちゃんに同情しながら、
      しかし内心ではもしや?
      という期待に胸がふくらんだ。

      なぜならーー
      2~3年前、秋口にここを通ったら、
      いっせいに赤とんぼの群生が飛び立ったのだ。

      私は童話の世界か、夢の中の話ではないかと
      思って立ちすくんだ。
      あれほどの赤とんぼの大群を見たことが無い。
      見事だった。
      息をのんで、しばらくはぼおっとしてその場を
      立ち去りがたかった。

      しかし、この暑さ、雑草はますます丈を伸ばし、
      繁茂する一方だろう。
      おじいちゃんが腹を立てて刈り取ってしまう
      のではないか。
      私がこの畑の持ち主だったら、雑草が気になって
      ぐっすり眠れないに相違ない。

      そうしたら、おじゃん、だ。

      目下の私は、今年も赤とんぼの群生が見たい。
      でも、畑の雑草刈りを一日延ばしたら雑草の思うが
      まま……
      どっちも気になるところである。

     ※ 写真は決して萱野ではありません。
       れっきとした畑なのです。 

また延びた平均寿命

2016-07-30 07:18:19 | 健康


      平均寿命がまた延びて過去最高を記録した。
      女性が87・05歳
      男性が80・79歳 
      である。(2015年データ調査)

      女性は14年まで3年連続で長寿世界一だったが
      今回は香港(87・32歳)に次ぎ世界2位に。
      男性は前年の3位から4位に下がった。

      厚労省は
      「治療や薬の進歩で主要な死因であるガンなど
      の死亡状況が改善され、
      病気になっても長生きできる人が増えた。
      今後も男女の寿命が延びることが期待される」
      としている。

      女性は1984年に80歳、02年に85歳を突破。 
      85年から10年まで26年間も世界一だった。
      11年に東日本大震災の影響で香港に次ぐ2位
      だったが、
      12年からは1位に復活した。

      すばらしきかな長寿である。

      しかし、周囲の話を聞くと、
      必ずしも恵まれた状態で健康に老いている人
      ばかりではないのが現状である。

      一昨日も他県に住む旧友から電話があった。
      ご主人がパーキンソン病で長年闘病している。
      友人は昔、看護婦(かつてはこういった)を
      していた経験から、何とか入院させないで
      自宅介護で頑張っているのだ。

      このご主人も幸せだが、彼女の頑張りには
      脱帽である。
      小さな幸せを見つけて日々、介護にいそしんで
      いるというのだから。
      
      世の中にはそうではない例もいっぱいある。

      平均寿命が延びた、世界〇位といったニュース
      を聞くと白々しくなるのは私だけではないだろう。

      そろそろ<長寿>を競うのではなく、 
      <健康寿命>を指標にしたらどうか。
      毎年、この報道を聞くたびに強くそう思う。
      
       

ラジオ体操

2016-07-24 08:06:54 | 雑記


     今朝ちょっと寝坊して6時半に散歩にいった。
     そしたら通りがかりの公園でラジオ体操を
     していた。

     なつかしい。
     子どもが小学生のころは叩き起こして通わせ
     たものだ。スタンプを押してもらうために。
     それが一日のはじまりだった。

     もはや職場にも学校にも所属していない私は
     ほとんど無縁である。
     だけど、あの音楽を聴くと自然に手足が動く。
     よくしたものだ。

     そもそもラジオ体操がはじまったのは1928
     年(昭和3)という。
     当初は指導員の号令だけで伴奏はなかった。

     それが二代目ラジオ体操として発足したのは
     戦後の1946年(昭和21)。
     服部正作曲でハ長調の曲だった。

     三代目がその五年後で、やはり服部正作曲の
     ニ長調に変更。
     それが現代の「老若男女を問わず誰でもでき
     る」体操の基礎となった。

     ラジオ第二体操はよく覚えている。
     中学になってから先生から教わったのだが、
     始まりはもっと早く、1952年にはできていた。
     ただ、学校では採用しなかったのねえ。

     でも、運動会などで、第一の次に第二体操を
     すると新鮮で、ちょっぴり優越感にひたったも
     のだ。

     これも他愛ない話。
     久しぶりに見たラジオ体操は昔日のことを
     思い出させた。

     

     
     

雨中のガマガエル

2016-07-23 07:29:53 | 雑記


       小雨降るなか、いつもの森を歩いていたら
       ガマガエルに出会った。
       この夏、二度目である。
       
       この藪に棲息しているのか、近くに(200
       ㍍ほど離れている)池があるから、そこから
       やってきたのか。
       私がそばをあるいても、スマホでカシャッと
       やっても身動きひとつしない。
       鷹揚にかまえている。

       私はグリム童話の「かえるの王さま」を
       思い出した。あれはガマガエルではない
       けれど、イメージとしてはこれくらい大きい
       カエルなのだ。

       ある国の王女が泉に金の毬を落としてしまった。
       そこへカエルがやってきて「王女さまのお友達
       にしてくれるなら拾ってきてあげましょう」と
       いう。
       しかし、王女は金の毬を拾ってもらうと、
       さっさと城に帰ってしまう。
  
       カエルは自力で城に着き、王女に約束を守る
       よう迫る。
       わがままな王女は醜いカエルを見るなり、怒り
       のあまりカエルを壁にたたきつけてしまう。

       なんとなんと、その衝撃でカエルの魔法がとけ、
       素敵な青年の王さまの姿にもどる。
       二人はこれまでの非礼をわび、王さまは王女に
       求婚して幸福な結婚生活をおくる。

       ざっとこんな話ではなかったか。
       他愛がないといえばそうだが、ある種の教訓を
       こめた話である。
       カエルにまつわる話は日本昔話にもいくつかあり、
       それだけ民衆に親しまれてきた生き物であった
       という証拠である。

       あのガマガエルに再び会えるか。
       こんな風にブログに書いたらもう二度と出て
       来ないだろう。
       

       
       
 

いつの間にか

2016-07-17 17:35:15 | 雑記



      まだ梅雨が明けていないのに気がついたら
      夕刻になると、カナカナカナとヒグラシが
      鳴くようになっていた。
      すっかり夏である。

      テロ騒ぎがまだ終結しない世相にあって、
      日本は祭り本番に突入しようとしている。
      祭事があるということは平和な証拠。

      ちょうど福岡入りした頃、
      博多では博多祇園祭りの真っ最中であった。
      通称、「博多どんたく」または
      「山笠(やまかさ)」祭りである。
      7月1日~17日までで700年の歴史が
      あるという。

      どおりで航空券もホテルもなかなか取れなか
      ったわけだ。
      3ヶ月前なのに、である。
      ホテルは地元の知人に頼んでなんとか取って
      もらった。

      町の繁華街には飾り山(写真)がいくつか
      飾ってあって、それを曳く若衆のハッピ姿も
      みられ、夜遅くまで賑わっていた。

      たまたま来た博多で山笠が見られて運がよか
      ねえ。
      地元の人たちは口々にいう。

      はあ、で…ご利益は??
      何でも良かとよ。
      結婚、恋愛、夫婦仲、商売繁盛……
      得心しない私の顔をみて知人はあわてて
      付け加えた。
      
      不老長寿!!

      いいえ、長寿は必ずしも幸せではないと
      私は近頃悟りました。
      それを云うなら
      ボケ防止でしょう!!

      私のつぶやきなど、ちょうど差しかかった
      飾り山のうねりと掛け声に消されていました。
      

場所が変わっても

2016-07-16 20:31:27 | 雑記


       およそテロとは無縁と思われる南仏での惨劇、
       花火を楽しんでいたところだったという。
       このところのゲリラ豪雨も日本各地に被害を
       もたらしている。
       
       いつ何が起きても不思議ではない今日、
       のんきな話で恐縮だけれども、
       また旅のつづきをしてみたい。 


       今回泊ったのは福岡市内のホテルであった。
  
       読書会の後、懇親会があり、二次会にも参加、
       さすがに三次会は遠慮してホテルに帰った
       のは10時半。
       (チェックインは先にしておいた)

       それからバスや荷物の整理などしてベッドに
       入ったのはシンデレラタイム過ぎ。

       ホテルは決して嫌いではないし、
       非日常を楽しむ気持ちはあるのだが、
       どこかよそよそしい、
       生活感のないのが災いして、
       いまいち落ち着かないことが多かった。

       ところが今回は多少(?)アルコールも入って
       いたせいか、気持ちよく眠れた。

       そして目が覚めたのが早朝4時半。
       これはいつもと同じである。
       習い性なのか、体内時計がそうなっているのか。

       
       窓のカーテンを開けると写真のとおり、
       ちょうど日の出の時刻である。
       ホテルの下がお堀みたいになっているのに
       昨夜は気づかなかった。

       ホテルの朝食は昨夜、断っていたので、
       散歩を兼ねて近くのコンビニへ。
       24時間オープンのコンビニはこんなとき
       便利である。

       サンドイッチ、牛乳、ヨーグルト、淹れたて
       のコーヒー(ビッグサイズ)を買って自室へ。
       ほぼ日常の朝食となった。
       (実は夕べのうちにホテルの近くにコンビニ
        があるのを確かめておいたのである)

       それから知人と約束した9時半まで、
       持っていった本と、前日の資料に目を通して
       至福のときを持つことができた。
       もしかしたら家にいるより充足していたかも
       しれない。 
       
       いつもの旅より疲れなかったのはそのせいか。
       いつもは旅から帰って2~3日はぼおっと
       して日常に戻るまで時間がかかるのだが、
       今回は切り替えがすぐできた気がする。
       まさかこの齢で旅慣れたというわけでも
       ないだろうが。
       

       

       
       

機内サービス

2016-07-16 07:15:00 | 雑記



     たしか半年前に乗った機内では
     往きは(早朝だったが)
     ドリンクサービスはあった。

     帰りは翌日の夕方だったが無かった。
     あれっ?
     時間帯によって違うのかなと思って、
     それっきり追及することもなく忘れてしま
     っていた。

     そして今回。
     往きも帰りも無かった。

     その代わりにあったのはメニュー表である。
     (以前にもあって気づかなかったのかも
      しれない)

     値段はコーヒーの場合、コンビニ並みである。

     一斉にこうなったのか。
     あるいは航空会社によって異なるのか。
     はたまた座席のグレードや、時間帯によって
     違うのか。

     いずれにしても、業務の合理化につながるの
     だろう。

     いつも満席のお客に一人一人好みを聞き、
     ドリンクのサービスをするCAさんに同情
     していたから、尚更そう思う。

     それに、
     お客はほとんどが水などのペットボトルを
     持っている。
     ペットボトル飲料がこれほど普及した時代、
     たった二時間内ほどの国内フライトで、
     ドリンクサービスは要るだろうか、常々
     そう思っていた。

     見ると、
     オーダーで頼む人もほとんど居なかった。

     時代が変われば機内サービスも替わる、
     そう実感した旅であった。
       
        
 

ノンちゃん雲にのる

2016-07-10 09:35:08 | 雑記

 

       羽田からの国内飛行機、ことに早朝は満席が多い。
       たいがいエコノミークラスだから、小さな身体と
       はいえ、狭いシートに2時間弱すわっているのは
       正直いってきつい。

       さらに、
       隣席に横幅のたっぷりした殿方がすわろうもの
       なら最悪だ。
       今回は帰りの機内がそうだった。
       圧迫感というか、視界まで遮られそうで、
       (実際はそうではないのだが、気持ちの問題)
       息苦しいたらありゃしない。

       そいうったときは瞑想、夢想、妄想にふけって
       ひたすら時間がすぎるのを待つ。

       飛行機が離陸するときの、あのふわっとした
       感覚も気持ちわるい。

       一気に上昇して機体が落ち着いたとき、
       「ノンちゃん雲にのる」を思い出した。

       石井桃子作の名作だが映画化(1955年)も
       された。
       主役ノンちゃんが鰐淵晴子、お母さん原節子、
       おじいさん徳川夢声というから、相当昔だ。

       私も小学校のころ、町の映画館でみた記憶が
       あるが、たしかこんな話ではなかったか。


       ノンちゃんは8歳の女の子。
       ある春の朝、お母さんとお兄ちゃんが自分に
       黙って出かけてしまい、悲しくて泣いていた。
       やがて木の上からひょうたん池に映る空を
       覗いているうちに、誤って池の落ちてしまう。
       気がつくとそこは水の中の空の上。
       雲の上には白いひげをはやしたおじいさんが
       いて、熊手で助けてくれた。
       ノンちゃんはおじいさんに自分や家族の身の
       上を打ち明ける。

       他愛ないといえばそうだが、
       夢見がちな少女にはありそうな話だ。

       あのころは鰐淵晴子がきれいで可愛くて
       いまで云うアイドル以上、手の届かない
       あこがれの大スターだったなあ。

       ……な~んて思っているうちに、
       飛行機は着陸態勢に。
       あれも決して気持ちいいものではない。
       それでも無事着いてくれて、こんどは
       一気に現実にもどされた。

 
       ※ 写真はしばらく並走するように離陸する
         他社の飛行機
       
       
       

上空は晴れ

2016-07-09 08:10:08 | Weblog




      九州は暑かった。
     まだ梅雨の明けていない福岡だったけど、時折
     日差しがさして、関東とはちがった暑さ。
     (関東も相当に暑かったらしいが)


     読書会は盛会に終わりました。
     主宰者によると、一泊二日で開催してもよかった
     ほど充実したテーマだった、ということです。

     私は、現役女子大生が参加してくれたのがうれし
     かった。
     卒論のテーマに「森崎和江」を考えていて、
     前日、紀伊国屋で拙著の『評伝 森崎和江』を
     買って徹夜で読み、参加してくれたのでした。

     思わず、こんなことを強調してしまいました。

     森崎和江はフェミニズムやジェンダーといった
     枠組みではとらえられない、スケールの大きい
     思想家です、と。

     学生はつい大学のエライ先生などの著書を
     読んで、頭でっかちの思想にとらわれがち
     ですから。
     (何を隠そう、私もン十年前の学生時代に
      そんな記憶があるのです。
      いま思うと恥ずかしいかぎり)

     関東に帰っても梅雨のつづき。
     暑さに弱い私は身も心も萎えそう。
     梅雨が明ければ明けたで、もう朝からあの
     ぎらぎら太陽に負けた!! と戦闘力ゼロ
     になるのです。

     こんなことを嘆くのは目の前にテーマが
     三つほど抱えているからです。
     まずは、直前に迫った、ある人との対談を
     準備せねば。
     それには過去に読んだいくつかの本を再度
     通読しなければなりません。

     といいながら、惰眠をむさぼってひたすら
     体力の回復につとめているところです。
     
      
    
     ※写真は梅雨雲を下に快晴の上空のもよう