一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

ビルマの竪琴

2020-10-18 10:27:06 | Weblog

         ちょっと、昔づいているんじゃないの?
         と云われそうだが、
         忘れられない映画を もう一つ。

         「ビルマの竪琴」
         ときは昭和20年 部隊はビルマ(現・ミャンマー)

         ビルマ戦線の日本軍は 英軍に攻められ、
         苦難の撤退を 強いられていた。

         そんな逃避行のさなか、
         井上隊長(映画・三国連太郎)率いる部隊は、
         士気を鼓舞するため 音楽を奏でる。
         (これは 敵を油断させるためでもあった)

         水島上等兵(安井昌二)が 竪琴を弾き、
         歌は 「埴生の宿」

         間もなく敗戦を知った彼らは 投降するが、
         水島は まだ抵抗を続ける日本軍を説得するため
         出かけて、 そのまま帰ってこなかった。

         そう、水島は 日本兵の霊をなぐさめるため、
         僧侶になって、ビルマに独り、
         残る決意をしたのだ。

「老人と海」

2020-08-09 08:52:51 | Weblog

      暑いさなかではありますが、
      今日はヘミングウェイの『老人と海』について。

      これを書かずして、ヘミングウェイを語らず。

      ヘミングウェイは55歳のとき、
      『老人と海』でノーベル文学賞を受賞。
   
      61歳でショットガン自殺するのですから、
      はかないものです。

      この小説のテーマは〈生と死〉〈若さと老い〉
      私は何度読んでも感銘をうけます。

      あらすじを書いてみましょう。
  
      「主人公は老いた漁師。84日間も不漁がつづき、
      仲間からバカにされてきました。
      一人の少年が老人の船に乗って手伝っていたのですが、
      不漁続きのために、両親から別の船に乗るよう、
      命じられます。

      ある日、老人は独りで漁に出た。
      すると沖合いで、6㍍ほどもあるカジキに出会い、
      3日間、死にもの狂いで 闘う。
   
      カジキは船を転覆させるほどの力であらがい、
      老人も必死でくらいつく。

      船には食料がなく、釣りあげた小魚で飢えをしのぐ
      老人。
      とうとうカジキをしとめ、船のともにつないだカジキ
      はサメに襲われて血がしたたり、
      その血をみて、またもサメが襲うという地獄に。

      やがて港に着いた船には、
      骨だけになったカジキと
      闘いぬいて瀕死の老人の姿が。
 
      老人は死んだのでしょうか」

      つづく。

      実はこの続きを一気に書いていたのですが、
      長文になりすぎて 「UPできません」
      という表示が出てしまいました。
      この続きは 次回に。


      

桜桃忌 その2

2020-06-19 13:52:14 | Weblog



          太宰治は子どもの頃から成績優秀であったが、
          若くして文学にとりつかれ、
          東大仏文科に入学するものの、
          故郷で親しくなった芸者を呼んで同棲するなど、
          次第に乱れた生活に。

          第1回芥川賞の候補となるも、落選。
          (このときは石川達三の『蒼氓』が受賞)
         
          選考委員の川端康成に、
          「作者、目下の生活に嫌な雲あり」
          と評され、激怒して反論文を掲載した。

          その後、どうしても賞が欲しくて、
          懇願したのは有名な話である。
          (そのとき太宰は実家から送金をとめられ、
           金と名誉も欲しかったが、
           さいごまで賞とは縁がなかった)

          やがて井伏鱒二の紹介で 石原美知子と結婚。

          この頃が最も安定した時期で、
          『女生徒』『富嶽百景』『走れメロス』など、
          数々の名作を書いている。

          一方、次第に薬物中毒におちいり、
          数回の自殺未遂をおこす。

          うち、3回は女性を道連れにして、
          女性だけ死亡。

          さいごの5回目は、
          愛人の山崎富栄とともに玉川上水に入水し、
          太宰も死亡した。

          (太宰には妻子があり、おまけに
           別の愛人・太田静子にも私生児が生まれている
           というのに!!)