折しも拙著の刊行と合わせるように、
紫琴の生まれた地(岡山県備前市西片上)に
記念碑が建った。
「清水紫琴(豊子)生誕の地」
という標識である。
そして、高校の先生などを中心に「文学道」
といったものが出来ないかといった動きも
ある。
これまで地元でもほとんど知られなかった
紫琴のことが、今回のことで一人でも多くの
方に知っていただけたら、本当にうれしい。
そんな折、朝日新聞備前支局から取材を受け
たのは10月に入ってからだったろうか。
そして掲載された。
(朝日新聞岡山版 2113・ 11・12)
「清水紫琴 実像に迫る」の
出だしはこんな風にはじまる。
「明治時代、雑誌の評論や小説を通して女性
の地位向上を目指した現備前市出身の作家
清水紫琴(1868~1933)の生涯が本になった。
平塚らいてうよりも早く先駆的な論調と作風
で世間に注目されながら、あまり知られてい
ない紫琴の姿を、今も同市に住む支援者の
子孫の記憶を交えて描いている」
私の希(ねが)いは、地元の方に紫琴の
ような女性がいたことを誇りに思ってほしい。
その上、紫琴をよりよく(正しく)知っていた
だければ望外の幸せでもある。