一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

太田治子

2020-07-04 14:44:35 | 読書

         梅雨空。
 
         東京都のコロナ感染者が増え、
         不気味な様相を呈している今日このごろ。

         気分を変えて
         今日は、太宰のもう一人の娘・太田治子について。

         太田治子 (1947~)現在 73歳

         母は『斜陽』の主人公のモデルとなった
         太田静子である。

         当時、妻子ある太宰は 
         文学を志す静子の間に娘をもうけ、
         「治」の字を与えて認知。

         太宰がもう一人の女性・山崎富栄と入水自殺した後、
         静子は炊事婦や寮母をして治子を育てた。
         (生家からも見放され、当然、太宰側からも
          養育費をもらえなかったため)

         母・静子の死後、
         母の思い出をつづった『心映えの記』で直木賞候補
         にもなる。

         幼い頃から母の影響で絵画に親しんだ治子は、
         美術への造詣もふかく、
         NHK「日曜美術館」の初代アシスタントを
         3年も続けている。

         このように、
         それぞれの道で花を咲かせた二人の女性。

         哀しみも深かったろうと想像にかたくないが、
         両者とも 父への恨み、つらみは一切語っていない。

         蛇足だが、
         通俗な編集者が「津島佑子・太田治子」対談を
         幾度も試みたが、実現することはなかった。
         二人の聡明な女性は、
         決して「京雀」(または「江戸雀」)のような
         低俗な誘いはなしには乗らなかったのでしょう。
         


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