新聞の「人生相談」をみていると、
いろいろな人生があるものだなあ、とつくづく思う。
先日はこんなのがあった。
「主人が好きではありません」
ドキッとするようなタイトルである。
相談者は40歳の女性。
かいつまんで話すと、
「結婚して10年。2人の子にも恵まれたが夫のこと
が好きになれない。
時折、モラハラのような扱いも受ける。
このままモラハラに耐えながら、臭い靴下を一生、
洗い続けるかと思うと死にたくなる」
というものだった。
回答者は作家の高橋源一郎氏。
結論からいうと、この問題に正解はない、ということ。
「少々のことは我慢して一生、添いとげるべきだ」
という回答も、
「好きではない人間と共に生きていく義務はないのだ
から別れるべきだ」
という回答も、
どちらが正しいということはできない。
キルケゴールもいっているではないか。
「結婚したまえ、君は後悔するだろう。
結婚はやめなさい。
それでも君はやはり後悔するだろう」
これからしても、
「人生に正解はない」
ということが分かる。
それでも、
我々は選択をしなければならない時がくる。
その時、どんな基準で選択をすればいいのか。
高橋氏は、
「人生の終わりに臨んで振り返った時、
後悔しない選択はなにか」
と考えることにしている、という。
何十年間の後、
後悔しないと思える選択は何ですか?
それに答えられるのは、実は相談者のあなた
なのです、と。
私は、氏のみごとな回答にう~んとうなる
と同時に、
そうだ、相談者は実は、答えは自分の胸の内に
持っていて、ちょっと背中を押して欲しいだけ
なのだ、
と思う。
※ 懲りもせず、家人がメダカを飼いはじめた。
子メダカは水草に隠れていて写真では見えないが。