一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

兆し

2009-01-18 20:23:44 | 季節
     

     今の季節、兆しといえば春の兆し、
     ところがそんな気配など微塵も感じられない
     寒さである。
     ちぢこまって歩いていたら、よその庭の植え
     込みに紅梅が顔をのぞかせている。
     可憐にも凛と咲く花をみて、思わず足を止め
     見入ってしまった。

     万葉集では萩の次に多くよまれている梅だが、
     当時は白梅で、紅梅がもてはやされるように
     なったのは平安時代になってからだという。

     古くはやはり、梅も恋の歌だったらしい。
       
       春されば まづ咲くやどの梅の花
           独り見つつや 春は暮らさむ
                   山上憶良

       梅の花 夢に語らく みやびたる
           花と吾思ふ 酒に浮べこそ
                   大伴旅人(たびと)

     近代に入ってもよまれています。

       春もやや けしきととのう 月と梅
                   松尾芭蕉
 
       しら梅に明(あく)る夜ばかりとなりにけり
                   与謝蕪村

       道ばたの 風吹きすさぶ 野梅かな
                   高浜虚子

     しかしですねえ、
     実感のあるのはやはりコレ!

       梅一輪 一輪ほどのあたたかさ
            服部嵐雪(はっとりらんせつ)

     (写真は前回も今回も友人が送ってくれたものです)
      


      
     
     


     
     
   

冬景色

2009-01-12 16:48:35 | 季節
 


     昨夜、出かけて遅くなった。
     空には鋭くも冴えわたった月。
     秋の月は風情があるけれど、冬のそれはブルッと
     寒気がして、つい足も小走りに。
     冬の月には人を寄せつけぬ迫力のようなものが
     あって、畏怖心すら抱かされる。
     
     新聞をみれば月齢は15.6(11日現在で)。
     ほぼ満月といっていいか。
     しかし、この月も欠ける。
     当たり前だが「満つれば欠ける」
     
     この言葉からつい人生を思ってしまった。
     順風満帆な人などいない、ということを。
     今は欠けても、いつかは満つることもあるだろう。
     まあ、そう思わないとやっていられないのだが。
     そして満ちたと思ったら、また欠ける……。

     放射冷却で翌朝は冷えた~。
     日中もこれこの通り、澄んで寒さ厳しい一日でした。
     
     
     
     
     

自然の恵み

2009-01-09 13:09:25 | 健康
   


     故郷のSさんから丹精こめて育てた鶏の卵と
     柚子が送られてきた。
     写真はその「自然卵」と香り高い柚子。

     一昨年12月のブログと重なるけど、
     「自然卵」とは餌に添加物や薬剤を一切使わず、
     緑餌をうまく調節して、およそ190日目に
     (ヒナから数えて)産ませたものをいう。

     ふつう市場に出回るのは、これと全く逆で、
     動物タンパクなどの添加物や薬剤を豊富に
     あたえて120日くらいで卵を産ませるの
     だという。

     かつて卵は貴重品で、病気見舞いにもみ殻に
     入った卵がよく使われた記憶がある。
     それがアメリカ式の養鶏技術とオスメス鑑別
     の発達によって、いつの間にか「地たまご」が
     「工業卵」になってしまった。

     Sさんのいうところによると、
     こうして鶏の自然のバイオリズムで育った鶏舎
     からは、あの独特の異臭がしないらしい。
     
     現在では趣味の延長線で百数十羽も鶏を育てて
     いるというSさん、
     手紙には「これを食べて健康になって下さい」
     と結んである。
     そんなSさんは今や、地域社会の文化や生活の
     リーダーであり、指南役でもある。
      
     




明けましておめでとうございます

2009-01-04 15:07:21 | 
 
    去年と今年とどれほどの違いがあるだろうか
    と思うのですが、新年が明けました。
    それでも関東地方はお天気にめぐまれ、
    啄木の、

      何となく、今年はよい事あるごとし。
        元日の朝晴れて風なし。

    の心境ではあります。
    その啄木は明治45年、26歳で亡くなった。
    人生50年といわれた時代のことでも若すぎる。

    写真は鳥が運んできた縁起物の千両ーー
    しかし、幸せは鳥頼みとはいかないことは分かって
    います、ハイ。

    今年もよろしくお願いいたします。