一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

犬派、猫派

2015-11-28 14:53:06 | Weblog



   拙著に、
   『イヌ派女VSネコ派女 清少納言 紫式部』
   という本があるが、
   ここでは(現世における)一般の人の話。

   新聞によると、昨今、なぜか猫ブームで
   犬を飼う人より、猫を飼う人が圧倒的に
   多いのだそうだ。

   犬を飼うには散歩や訓練など手がかかり、
   高齢化や単身者増加の現在、それが
   なかなか出来ない。
   そこで、せめて、家の中で飼える猫を!
   という人が増えたのではないかという
   ことらしい。

   作家の町田康さんの分析が面白い。
   猫を好きなのは「犬人間」で、逆に
   犬が好きなのは「猫人間」なんだとか。

   「犬人間」は犬のように誰かに尽くす
   のが好きで、相手に一生懸命、手を
   かけてあげたいタイプ。
   だから猫を世話し、尽くすのが至上の
   喜び、幸せにつながる。  

   一方、「猫人間」は誰かに何かをして
   もらうのが好き。ゆえに犬が忠実に
   なついてくれるのがうれしい。

   う~ん、果たしてこれだけであろうか。

   ある学者の話によると、
   犬は子育て、猫は孫育てに似ている。
   犬はちゃんとトレーニングし、立派な
   大人(犬)に育てなければかわいそう。
   社会(外)に出なければいけないから。


   反面、猫は家の中だけで過ごすので、
   たいした訓練も必要なく
   「猫かわいがり」しやすい。
   単身者や高齢者には猫との付き合いの
   方がしやすいのだろう。

   
   そうなると、人間側の事情、つまり
   世相がペット社会にも大きく反映し
   ていることになる。

   私?
   世話するのも、世話されるのもイヤ。
   
   嗚呼、やんぬるかな。
   


   ※ 寒くなって一つのネコハウスに
    一緒に入るアメリカンショートヘア
    のマロ(♂)と、雑種のソラ(♂)

パソコン替えました

2015-11-22 15:35:56 | 雑記



       原稿と校正のあいまをぬって
       パソコンを替えました。

       ここ何か月か末期症状がつづいていた
       のです。
       聞くと、7年も使ったのはもった方だ
       というのです。

       何ですって、7年でもった方?

       やっと使い慣れたというのに!

       私は唖然としました。なかには結構な
       値段のパソコンを買って1~2年で
       駄目にする人もいるとか。

       IT弱者としては開いた口がふさがり
       ません。
       しかしながら現実にメールが相手先
       に届かなかったり、着くべきはずの
       メールが着かなかったり、
       原稿が途中で消えてしまったりして
       は致し方ありません。

       買うとなると、これまたパンや牛乳
       のようにはいきません。
       メーカーもさることながら型番に
       至っては古いの新しいの、とさまざま
       値段もそれ相応にいろいろあります。

       開き直って、見やすいもの、使いやす
       いもの、と言い張り、手頃なものに
       きめました。

       ということで、写真のようにキーボード
       はノートパソコンで打ち、画面は大きい
       方がいいと、ディスプレイを別につけま
       した(左側の大きいのがディスプレイ)。

       従来のはデスクトップの大きいのでした
       が、ノートパソコンの持ち運びできる
       簡便性も捨てがたいので。
       新しいのはノートパソコンとディスプレイ
       とはケーブルでつながっています。
       
       プロの方に設定していただき、データの
       移動もお願いしました。
       使い方の指導は一応、受けたのですが、
       実際に使ってみると、やはり勝手が違い
       ます。

       以前はこうやればできたはずなのに、
       出来ないということが次々と出てきます。

       これをバージョンUPというのだそうです。
       従来のは古い。
       この世界はどんどん進化しているのです。

       こちらは全然バージョンUPなど望んで
       いない、のにです。
  
       かくして、メール一つ打つのに時間が
       かかり、やっと出来て「送信」ボタンを
       押そうとしたら、これまでのが消えて
       しまったり…訳の分からないことが
       頻繁に起こります。
       ちょっと指先が触れるだけでカーソルが
       どこかへ飛んでいってしまったりも
       しょっちゅうなのです。

       ああ、疲れる!
       しかし、慣れるしかないのでしょう。
       目下、「忍」の一字です。

       
       

マイナンバー

2015-11-21 15:51:18 | 雑記



      着きました、
      マイナンバーが10日ほど前に。
      みなさんのところはいかがですか。

      当初、この発案を聞いたとき、
      何だか徴兵制度のように国から
      管理されるような気がしていや~な
      感じがした。

      けれど、いったん決まったものなら、
      これを利用してあらゆる手続きが
      簡便化され、スムーズにいくなら
      大いに利用しようという気になった。

      一応、添付されている説明書を読み、
      聞きたいこと、確認したいkとが
      あったので、記載されている番号に
      電話をした。

      ところが何度かけてもつながらない。
      「ただいま込み合っています。後で
      お掛け直しください」という
      オペレーターの声が繰り返される
      のみ。

      3日くらいイライラして、夜8時頃
      掛けたら、ようやくつながった。
      (しばらくは夜も受け付けている)

      これをどこに保存するか考えた。
      家においても、どこに仕舞ったか
      忘れてしまう。
      第一、使うべきときに出てこない
      恐れがある。

      迷った末に、免許証と一緒に持ち
      歩くことにした。
      これなら(私のようにボンクラでも)
      失くすことはないだろうし、
      必要なときに出せるだろうと考えた
      のだ。

      写真を貼る個人カードは?
      考えた末に作らないことにした。
      証明書としては、免許証もあるし、
      (個人の)保険証もある。

      聞けば個人カードの有効期限は
      10年だそうだ。

      10年先?

      せめてボケずに自分のことは自分
      で管理できるようにしたいものだ。
      (それまで生きるつもりらしい)

必須アイテム

2015-11-13 19:25:31 | 雑記


     文具好きがこうじて蒐集を趣味
     とする人を
     「ブンボーガー」ということは
     以前に書いた。
     なんでも、ブンボーガーたちが
     集まって、文房具についてあれ
     これ語ったりする会もあるそう
     だ。

     私はそこまでいかないが、結構
     文房具を見るのが好きで、つい
     買ってしまう方かもしれない。

     なかでもずいぶん待って、いよ
     いよ買いにいったのがホッチキ
     スである。

     針の要らないホッチキスが話題
     になってからどのくらい経つか。

     こういうのはどんどん進化する
     から、じっと我慢して、家に
     ある二つの旧式のホッチキスを
     使っていた。

     それが二つともとうとう駄目に
     なって、満を持して(笑)
     文具専門店に駆けつけたので
     ある。

     今度こそ、針のない、上等の
     を買ってやるぞ、と勢い込ん
     でいた。

     ところが、である。

     よく見ると、針のないホッチキス
     はせいぜい、3~4枚の紙しか
     閉じられない。
     値段の高いものでも10枚だ。

     ええっ!
     私はのけぞった。

     それに引きかえ、従来の針を使う
     方は20~30枚から最高70~
     80枚まで閉じられるものまで
     ある。

     納得いかなくて店員さんに聞いた
     ら間違いないという。

     明らかに軍配は従来の「針あり」
     になる。

     な~んだ、これまで待った意味は
     全くなかった。

     私はなんだかガッカリしたような、
     でも一方で納得したような気持ち
     で、「針あり」最大級のやつを
     買った。

     100枚近くのA4紙をガッと
     一瞬で閉じられるのは実に気持
     ちいい。
     いまのところ、すこぶる好調だ。


     ※ 机にある必須アイテム
       左上の青いのがホッチキス

     
     

     
     

ノーベル賞

2015-11-12 20:23:03 | 雑記


      話題としてはやや出遅れた感
      じではあるが、今さらながら
      ノーベル賞のことに触れたい。

      ノーベル文学賞とか平和賞な
      ら、いくらか理解できる感じ
      (あくまでも感じ)ものの、
      物理学賞などとなるともはや、
      この世のものとは思えない
      チンプンカンプンの私である。

      ところが今回の大村智(さとし)
      氏が受賞されたノーベル医学
      生理学賞はいくらか分かりやす
      い感じがして、
      (これも説明の仕方によるが)
      すっと理解できた。

      当時の新聞によると、こういう
      ことらしい。

      蕪村の句に
      <薬堀り けふは蛇骨(だこつ)
       を得たるかな>
      というのがあって、「薬堀り」
      は10月~11月頃の季語。
      つまり山野に薬草を掘ることを
      いう。

      ここでいうのは、
      山野の土の中でひそかに作ら
      れる薬があって、
      微生物によって作られるもの
      が少なくないのだという。

      アフリカのある熱帯病に効く薬
      が静岡県伊東市のゴルフ場近く
      の土から発見されたというから
      驚きである。

      土の中からこの物質を掘り当て
      たのが大村智氏で、毎年何千万
      人もの人に投与され、何万人も
      の失明を防いでいるのだそうだ。

      聞くところによると、大村さんは
      小さなポリ袋を持ち歩き、土を
      採取しては研究室で分析し続けた
      という。

      この小さな営みが大きな発見に
      つながったというから驚くほか
      ない。
      新たに見つかった化学物質は
      イエローブックにまとめられ、
      世界中の研究者が参照している
      のだという。

      大村さんは若き日、定時制高校
      で化学と体育を教えていた。
      そこで働きながら学ぶ生徒の姿
      に「学び直し」を決意し、
      研究者の道を歩きだした。

      こんなエピソードもまた、我々
      凡人には分かりやすく、一層
      親しみが湧いてくるのだった。
  
      
      

サンマと麗人

2015-11-08 18:28:12 | 雑記


    昨日は大和なでしこ風の秋刀魚
    を取りあげたが、今日はまった
    くもって逆の発想で、
    ヨーロッパの貴婦人のような
    扱いである。
    同じサンマが身立てによって
    これほど変わるものかと
    びっくりした。

    私の子供の頃にお魚博士として
    有名な末広恭雄(やすお)氏に
    よると、こうなる。

    「試みに、薔薇の花かなにかを
    こってりとえがいた西洋皿に、
    生きのいいサンマをのせて
    静かに観察してみたまえ」

    先ずもって、サンマを西洋皿
    に盛る発想が私にはなかった。
    なかなか斬新ではある。

    『魚の履歴書』はこう続く。

    「なで肩を思わせるように
    くんねりと弧(こ)をえがいた
    肩、長くてすっきりした胴、
    軽いうけ口に細くとがった顔、
    そしてどことなくコケティッ
    シュな(なまめかしい)目を
    したサンマの感じは、フランス
    絵画などに出てくる麗人を
    しのぶに充分である」

    もう、庶民の味方なんて古い、
    古い。サンマもここまで来る
    と、ゴージャスな貴夫人と
    いったところだ。

    さらにさらに、サンマびいき
    は生半可ではない。

    「細っそりしたスカートの
    洋装に、軽快なハンドバッグ
    かオペレグラスでも持たせて
    みたいところである」

    文章の巧みか、観察眼の意外
    性か、ここまで云われると、
    サンマに敬意を表したくなる。

    こんど魚屋でサンマを見たら
    思わず見とれてしまうに相違
    ない。
    

さんま苦いか塩っぱいか

2015-11-07 15:31:08 | 雑記


     昨今、おいしいサンマを食べて
     いない。
     水揚げが不漁で高価だというが、
     それだけではない。
     家で、煙を出して焼くのがはば
     かられるからだ。
     かといって、焼きサンマをスー
     パーで買ってきてもちっとも
     おいしくない。

     ああ、焼き立てのジュージュー
     いうサンマを食べたいなあ。
     大根おろしをいっぱいつけて。
     スダチか何かで。

     目下の私の念願だが、
     そんなことを思っていたら、
    「秋刀魚の歌」が口から出てきた。
     ご存じ、佐藤春夫の歌である。


      あはれ
      秋風よ
      情(こころ)あらば伝えてよ
      ……男ありて
      今日の夕餉(ゆうげ)に ひとり
      さんまを食らひて
      思いふける、と
       (中略)

      さんま さんま
      さんま苦いか塩っぱいか
      そが上に涙したたらせて
      さんまを食うは いずこの里の
               ならひや
      あはれ
      げにそは問はまほしく をかし

     
     これは佐藤春夫のある女性への
     想いが籠められているのだが、
     あえて、ここでは触れないで
     おこう。

     何しろ私はいま、食いっ気が
     勝ちまさっているのだから。

     
     ※ JR紀伊勝浦駅
       「秋刀魚の歌」歌碑 
     


    

先人にならって

2015-11-02 18:33:58 | 読書



     「先輩作家にならって」とか
     「先輩を目指して」とかは
     とてもおこがましくて云えない。

     ここは「先人にならって」という
     ぐらいにしておこう。


     野上弥生子である。
     明治18(1885)生れ
     昭和60(1985)歿
     99歳。あとひと月で100歳に
     なるところ。


     長命の人はたくさんいるが、
     ほぼ100歳まで現役で書き続け
     る作家もまれであろう。
     先ず、そこに驚く。

     昭和初期から60年あまり、春から
     秋にかけては北軽井沢で一人暮らし
     をしていた。

     書くこともさることながら、生活
     面でも自立しているのである。
     (手伝ってくれる人はいたらしいが)

     野上弥生子といえば
     『秀吉と利久』『迷路』『森』など
     が有名だが、
     死ぬまで惚けずに書けるなんて、
     羨ましいを超えて驚異的である。

     健康でいるために、よほど何かを
     やっていたのだろうと思ったら、
     特別なことはない。

     今回、評伝を読んでびっくりした。
 
     朝早く起きると顔を洗うヒマも惜し
     いぐらい頭がぴーんと冴えてきて、
     すぐ机に向かう。
     二時間ほどして頭が疲れてくると、
     自分でお抹茶をたてて、二杯ほど
     飲む。ついでに、
     カステラか空也もなかを食べる。

     昼食は牛乳二合に、ありあわせの
     果物。

     ご飯は夕食だけ。
     間食はいっさいしない。

     比較するのも恥ずかしいが、
     私は朝起きてパンと牛乳の朝食を
     済ませ、コーヒーをマグカップに
     いっぱい飲んで、しぶしぶ机へ。
     昼食も夕食もたっぷり摂って、
     眠くなるほど。
     おまけに、頭が疲れた、目が痛い
     といっては間食をしている。
     (要するに常に満腹でないと
      気がすまない)


     野上弥生子は運動はどうかと
     いうとーー
     軽井沢にいるときは軽い散歩くら
     いはするが、それだけ。

     東京の自宅にいるときは、家の中
     をこまめに歩き、階段の上り降り
     も面倒がらずにするものの、
     外出するわけでもなく、むしろ
     一歩も家を出ないことが多い、
     という。
     専用トレーナーがいるわけでもな
     く、ジムに通うわけでもなし。

     何がちがうのだろう。
     どうすれば死ぬまで惚けずに現役
     で仕事ができるか。

     それが、目下の私の悩みである。