不可解なことが起きている。
都内の公立図書館で『アンネの日記』
および関連図書300冊以上が切り取ら
れた事件である。
誰が、何のために……?
考えれば考えるほど不可解な事件で、
再発防止のためにも真相を知るべきだし、
知りたいとも思う。
ところでずっと気になっていたこと、
「自炊」の問題。
自炊というと学生などが間借り生活を
して食事は自分で作ること。
と思うのはよほど古い人間であろう。
(私もかつては自炊生活者であった)
現代では書籍の電子化のことをいう。
データを「自ら吸い込む」ことから
「自炊」と呼ばれるようになったらしい。
そして業者に書籍のデータ化作業を依頼
することを「スキャン代行」(自炊代行)
ということも今回はじめて知った。
現段階では自分で利用するためにデジタル
化(自炊)するのは問題ないらしいが、
「スキャン代行ビジネス」については
著作権の関連で法的措置になるケースが
少なくない。
現にいくつか著作権侵害だとして、
訴訟問題にまで発展している。
一方で、時代が時代である。
このままいけばますます若者の本離れ、
読書離れが進むであろう。
手をこまねいているばかりでは能がない。
時代のニーズにあった、何らかの方法を
考えなければならないかな、とも思う。
一部の著作者団体はすでに、
自炊代行を認めるかわりに、
著作権使用料を決めるルール作りに
向けて協議会を設立したというから、
これから状況は変わっていくのかも
しれない。
まだまだ紙の本で活字を追いたい自分
がいる一方で、
タブレット一枚あれば何百冊も読める
といわれると
(想像はつかないが)
複雑な気持になる。