一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

泣き虫ばあさん

2010-09-30 21:24:13 | 雑記
     このところは1日おきに雨だ。
     猛暑から急に寒くなってなかなか秋らしい
     天気が安定しない。
     出かけようとして、あっ雨か!と傘をもち
     出し、ふと新聞で読んだ「泣き虫ばあさん」
     の話を思い出した。

     2人の娘がそれぞれ傘屋と下駄屋に嫁いだ  
     おばあさんが、晴れの日は傘が売れないと
     泣き、雨の日は下駄が売れないと泣き、
     けっきょく毎日泣き暮らしたというお話。

     これって、いわゆる教訓話である。
     発想を逆にすれば、晴れなら下駄が売れて、
     雨なら傘が売れるといって、毎日笑えたの
     に。
     世の中のほとんどのことには、どうせ正解
     なんてないのだそうだ。
     ならば「こうだ」と思い込んだもんが勝ち、
     ということらしい。

     それがなかなか難しい。
     確かに、ポジティブに考えを変えた瞬間に、
     世界はガラッと変わるということはよくある。
     
     しかし、だからといって根拠のないポジティ
     ブもどうだろう。おめでたい気がして、どう
     もしっくりしない。

     傘屋と下駄屋のように単純なことならいいが、
     世の中そう簡単に割り切れることばかりとは
     限らないからだ。
     要はほどほどに、ってことなのだろう。
     だが、年々残された時間が少なくなると思うと、
     負の方にすすむ時間は意識して減らさなくちゃ、
     とも思う今日この頃である。     
      (写真は近所の庭で見かけた白いヒガンバナ)




     
     
     
     

     
   

     
     

ゆきあい

2010-09-23 21:51:06 | 季節
    夏から秋にかけての季節の変わり目を
    「ゆきあい」というが、今年はそんな
    ロマンティックなものではなかった。
    今日は涼しいを超して肌寒いくらい、
    いくらなんでも夏の狂乱は昨日で終わり
    であろう。

    夏の狂乱といえば、高齢者の行方不明
    事件。
    常々100歳がそんなにめでたいのかと
    思ってはいたが(元気な100歳もいる!!)
    やはりそうかという複雑な思い……。

    昨年の統計で日本人の平均寿命は、
     男性 79、59歳
     女性 86、44歳
    いずれも4年連続で過去最高を更新した
    ばかりである。
    とくに女性は25年世界一をキープしており、
    男性は5位。

    それで誰もが思ったであろう、
    「平均寿命は縮むの?」という疑問、
    結論からいうと、変わらないそうだ。
    そもそも一定年齢以上の高齢者については
    「人口が少ないため、一人の生死が統計に
    影響してしまう」として、最初からデータ
    に入れていないのだという。
    たくさんの高齢者が行方不明だというのも
    ミステリーだが、そんなからくりも知らな
    かった。

    それにしても昨日は昼間の室温が34℃、
    今日は一転して21℃しかない。
    台風の影響なのか、冷たい雨で秋の風情も
    まったくなし。
    せめて、というわけでオミナエシの写真を。

    秋の七草のひとつで万葉集や源氏物語にも
    登場する日本人にはなじみの深い草花。
    女郎花ともいう。これも不思議でならな
    かったが、今回ようやく分かった。
    「おみな」が「女」の意、「えし」は古語
    の「へし(圧)」で、美女を圧倒する美しさ
    から名づけたれたのだとか。

    ちなみにオトコエシというのもあり、こちら
    は白い花で、いくらか野性的なのだそうです。
    やはり日本人は春秋の風情が似合う。    
 
    

初秋か冬瓜か

2010-09-16 21:07:22 | 季節


     例年だと8月末から9月の初めにかけて
     さかんに聞こえる虫のすだく声が、暑さの
     せいであろう、大幅に遅れて、昨日今日の
     涼しさでにわかに賑やかになった。
     (明日はまた暑いらしいが)

     こんな変てこなタイトルになったのは、
     今日、車で走っていたら、通り道にある
     無人の野菜売り場に冬瓜(とうがん)が
     ごろっと並んでいたからである。

     実は冬瓜を家で料理したことはなく、
     外で食べたことが何回かあるだけ。
     むしろ高級食材のイメージで、子供
     のころ見たこともなく、実物を見た
     のは成人してからである。
     そのため馴染みがない。

     だからいつだったか知りあいの家に
     行って、庭に植えた冬瓜がごろっと
     なって?いたのにはびっくりした。
     そこで新聞に載っていた俳句をーー。

      冬瓜か石か一(ひ)と雨ごとに秋
               (宇佐美魚目)

     むしろこの句より解説の方が面白い
     ので紹介しよう。
     「冬瓜などというものは、およそウリ
     の中でもいちばん愚かなものである。
     畑でも台所でもただごろりと転がって
     いるだけだし、ことさらうまくもなけ 
     れば、身の足しになりそうもない」
     と、ここまでは良いことなしだが、
     最後に、
     「私はつねづねこの冬瓜のようにあり
     たいと思っている」
     といった解説者(長谷川 櫂)の意図は
     いかに。

     ところで夏の作物なのになぜ冬瓜なのか?
     というと、
     保存に適し、まるごと冷暗所におけば冬
     までおけるのでそんな名前がついたのだ
     とか。

     ああ、冬瓜とは味的にはクセがなくて
     正体不明だが、これでなかなかやっかいな
     代物ではある。
     


          

           

     

晩夏

2010-09-10 12:03:12 | 季節

    10年以上もホーチミン(ベトナム)に住む
    友人から8月半ばにメールが入った。
    超アナログ人間の私は、手紙でもなく電話で
    もなく、瞬時にメールが入ることがまだ信じ
    られないのだが。

    それによると、ベトナムは日本と逆転したか
    のように涼しく、クーラーもいらないほど
    だとか。
    いまは秋の味覚の柿や桃が出まわり、日本
    そっくりのナスもあり、トンボも見られる
    そうだ。

    地球は異変をおこしているのではないか、と
    友人がいうが、ほんと、日本の四季はどこに
    いってしまったのだろう。

    台風がきて猛暑は避けられたが、きょうはまた
    カッと太陽が照りつけ、ここ一両日は夏日らしい。
    今夏の暑さは113年ぶりという。
    そのニュースを耳にするだけで暑苦しくなる。
    皮膚にこびりついた熱が逃げない感じなのだ。

    例年ならとうに「初秋」というべきなのだが、
    あえて「晩夏」にした。
    
    「晩夏」といえば原田康子著の小説を思い出す。
    そして、そういった小説を夢中で読んだ頃をも、
    だ。
    (写真は一昨年行った樋口一葉の故郷の桃畑)
  
    

    
    

創作人形 5

2010-09-04 15:12:34 | Weblog


    太平洋高気圧と、耳慣れないチベット高気圧
    の二つが同時に日本を覆っているので、
    この暑さはあと1週間もつづくのだとか。
    うひゃあ!!

    高橋まゆみ創作人形のどうしても載せたい
    もう1枚。
    それは8月21日に掲載したおばあちゃん
    2人の「ひととき」、その後ろ姿である。

    解説にある通り、
    絶妙な腰の曲がり具合、背中の丸み具合など
    本物そっくり!!
    まさに背中で語る人形たちだ。
    そして、どれも饒舌である。

    ああ、それにしても早く涼しくなって欲しい。