一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

声はすれど

2015-02-28 15:28:38 | 自然


  今年は2月24日に鶯の初鳴き
  を聞いた。
  去年のブログをみると2月28
  日となっているから、
  去年より4日はやい。

  もっとも鶯ばかりに注視してい
  るわけではないから、正確な
  データではない。
  たまたま朝、鎌倉山に面してい
  るゴミ収集所にいったときに
  聞いたということで、
  正しくは「鶯のさえずりを聞い
  た日」ということになろうか。

そして昨日、
  いつもの散歩コースの森の中
  を歩いていたら、
  あちこちで鶯がさえずっていた。
  いま鳴いているのは早熟な一番
  手で、これから7月半ばまで、
  二番手、三番手……が出てくる。

 
  しかし、鶯はなぜ春になると
  あのように美しい声でさえずる
  のだろう。

  
  もちろん恋の季節で繁殖のため
  とは知っているが。

  春のはじめにパートナーを決め
  て卵を産み、孵してヒナを育て
  るためにはエサの豊富な季節
  がいいからだ。

  自然の摂理はほんとうによく
  できている。

  そして子育てが終わるとチャッ
  チャッと笹鳴きをに変わるから、
  人間も鶯のことなど忘れて
  しまう。

  ※声はすれど姿は見えないヤブ
   の中。いくら目をこらしても
   見つけられなかった。
  

文章の距離

2015-02-22 11:36:37 | 雑記


  半世紀以上、朝日新聞に親しんで
  きて、引っ越しと同時に毎日新聞
  に替えた。

  それでまだ馴染みがないといえば
  ないのだが、朝日新聞の「天声人
  語」に当たるのが、毎日の「余録」
  というのである。

  この「余録」を23年間
  (6354回)書かれた人、
  諏訪正人(すわまさと)さんが先日
  亡くなられたと報じていた。

  ある日の「余録」
  「心理学者が上野駅にカメラをすえ
  て、混みあう場所での人と人の離れ
  具合を調べたところ、
  見知らぬ人同士の平均距離は
  127㌢。
  グループの仲間うちのそれは80㌢
  足らずであった」

  このことを引いて諏訪さんは、
  「文章にも適正な距離がある。
  あまり遠ければよそよそしいし、
  かといって近すぎると気持ち悪い。
  <余録>は127~80㌢の距離を
  守っている」
  と書かれた。

  これは私のようなへっぽこ物書きに
  でも分かることで、日々このことに
  腐心しているようなものだ。

  理路整然としているのはいいが、
  余りよそよそしい文章では読者には
  響かないし、かといって、慣れ慣れ
  しくすると、たちまち文章は陳腐に
  なり、清廉さ、品格がなくなる。

  なるほどなあ、文章の間あいという
  か、距離間ですか、と私は大いに
  感じいったのである。

  ※近くの空き地の紅梅、白梅
   いまが盛り。
  
  

  

「米」ちがい

2015-02-21 14:28:38 | 雑記
 

  数日前だったかネットニュースで
  「コレステロールの心配は不要・
   米指針で新発見」
  というタイトルをみて、
  この「米」は「ライス」か「米国
  か、どっちだろうととっさに判断
  できなかった。

  目下、検査でLDL(悪玉コレ
  ステロール)値が高いといわれて
  いる私は、このことばに敏感に反
  応するのだ。

  記事はよくみると
  「厚生省と農務省が5年ごとに
  発行している米国人の食生活に
  関するガイドラインの改訂に
  向けて専門家でつくる諮問委員
  会が、
  コレステロールは過剰摂取を懸念
  すべき栄養素とは見なさない
  とする見解をまとめた。……」
  といったものである。

  この記事が信用できるものなら
  うれしいが、
  今日のブログの趣旨はもっと単純
  なことである。
 
  「米」がおいしいご飯かアメリカ
  か、ということ。

  なぜなら、かなり以前に
  新聞の川柳欄でこんなのを見て、
  いまだ頭から離れないためである。
  

   嫁がきて「仏式」を
       フランス式と呼び

  解説するまでもないだろう。
  思い出すたび、笑いがこみあげる。


  ※ 浄智寺の蝋梅
  

三寒四温

2015-02-15 11:49:13 | 自然


  2月4日の立春から暦の上では春。
  
  「小春日和」は秋の季語であること
  はこのブログでも触れたことはある
  が、では「三寒四温」はどうなのだ
  ろう。

  文字通り、3日ほど寒い日がつづき、
  次の4日間は暖かい日がつづくこと
  をいう。  


  今頃の季節によく使う言葉だと思い
  ながら、これは冬の季語だとは知ら
  かった。

  ならば、今の季節に使うのは間違い
  なのだろうか。

  ところがどっこい、
  暦の上では春でも、気象庁の分類
  では2月中はまだ冬というらしい。

  だから間違いではないとのこと。

  
  日本語の季節のとらえ方は微妙で
  一歩間違うととんでもないことに
  なり、難しい。
  それだけに素晴らしいのだが。

  ※昨日の江の島と富士山
  

メール便

2015-02-14 15:22:22 | 雑記


  今朝もクロネコのメール便を出し
  てきた。

  この間からニュースに出ている、
  メール便の廃止の件、
  本当はどうなんだろうと心配で
  しかたがなかった。

  本来なら郵便局でやるべき仕事を
  民間でやっている。
  (郵便局も民営化されたはず??)
  私個人は書籍の利用が多いが、
  家族は雑貨や日常品などで頻繁
  に利用している。

  だいたい郵便局は土日祭日休み、
  時間も夕方まで。
  これじゃ、使いにくい。
  どうしても宅急便業者を使って
  しまう。
  というわけで郵便局はもっと勉強
  して世の中のニーズに合うように
  すべきだと思っていた。

 
  で、宅配便業者のメール便廃止の
  件、聞きました。

  
  4月1日から新しいシステムで
  「小さな荷物」送付に関しては
  対応するとのこと。

  そもそも廃止の理由は「信書」を
  メール便で送る人がいるからで、
  これは法律違反になるらしい。
  故意に、または知らずにだとして
  も。業者だけでなく、送られた
  お客も罰っせられるという。

  「信書、って何?」と聞いた。
  「パスポートや保険証、免許証
   などの再発行できないもの」
  だという。

  そのようなものを送ったことの
  ない私としては驚いたが、
  新システムについては印刷された
  ものを見てもよく解らない。
  こんど使うときに聞くことにした。

    
  

  

通過点

2015-02-08 13:26:12 | 雑記


  もう私立大学の入試ははじまって
  いるのでしょうか。
  先日、湯島天神のそばを通ったら
  受験生らしい高校生や親子連れを
  たくさん見かけました。

  ほんとに受験生の心情が思いやら
  れます。
  勉強が好きな人はいいけれど、
  (なかにはそういう人もいる!)
  たいていはなんでこんな勉強を
  しなければならないのか、と
  思い悩むものです。
  (苦手な科目はとくに)

  私も田舎の高校で受験弱者では 
  ありましたが、
  いま思うに、
  希望する大学に入ったからと
  いって、決して勝者ではあり
  ません。

  大学は人生の通過点であって、
  目的ではないのです。
  そこを勘違いする人は多い。

  人生の目的は他にあります。
  まだそれを見出せない人は
  大学で見つける。
  
  すでに人生の目的が定まって
  いる人は、その目的に向かって
  研鑽する場、
  それが大学であるべきです。

  不幸にも第一志望、第二志望
  に落ちても、落胆することな
  かれ。
  それから奮起すればいいのです。

  受験生よ、ガンバレ。
  
  

氷紋

2015-02-07 15:01:04 | 自然


  この間お正月を迎えたと思うの
  に早や節分も過ぎて、暦の上で
  は、もう春。

  風は冷たいものの陽射しは明る
  くなって、毎年この頃になると
  ああ春は光からくるのだなあ、 
  とつくづく思う。

  自然界はとても敏感で、
  そこここに春の兆候がみられる。
  モクレンのつぼみは日々にふく
  らんで、サクラの小枝の先端に
  は米粒ほどの芽をつけていた。

  仕事、雑事に追われてゆとりの
  ない日常だが、
  けなげな木々の生命力に生気が
  呼びさまされる感じがする。

  5日は関東地方も雪が降った。
  (雨から雪に変わったので)
  積りはしなかったものの、
  翌朝はかちかちに凍って、
  車で出かけようとしたら、
  フロントガラスも側部も真っ白。

  
  あわてて車のエアコンを「強」
  にして溶けるまで、しばらく
  待つ羽目に。
  

  車の前部(フロント)には
  得もいわれぬ見事な「氷紋」が
  できていて、思わず見とれる
  ほどであった。
  「自然は芸術」と思ったが
  こんな句がある。

  

   氷紋をなぞった指の
          行方かな
           (青木章子)

  
  ※ カメラの腕が悪くて、美しい
    氷紋も半減(以下に)
    残念です。

  
  
  

新潟から京都へ

2015-02-01 13:50:12 | 雑記

  「新潟から京都へ」

  これは友人とも知人ともいうべき
  女性の話である。

  一回しか会ったことがない。
  客船で旅をしたとき、同室だった
  女性。
  私よりいくつか先輩にあたる。

  養護学校の先生をしていらして、
  ちょうど定年を迎えられたばかり
  であった。

  そんなに詳しくはなしたわけでは
  ないが、自立している女性らしい
  しっかりした考えを持ち、
  さらに狭いところに閉じこもらな
  い、向上心も感じさせた。

  年1~2回の便りで、ある年、
  新潟の家を処分して、京都の娘さ
  んのところに引越したという
  お手紙をいただいた。

  新潟から京都へ。
  どういう事情があったのか分から
  ないが、かなりの決断だったの
  だろう、と思った。

  そして先日、住所が変わった葉書
  がきた。
  要点をかいつまんではなすとこう
  なる。

  「昨年、前の住所を取り壊すという
  家主の願いをうけ、表記の所に引越
  した。日当たりは悪くなったが、
  娘のバレー教室に近くなり、
  夜食を届けたり、週一回昼食を一緒
  にして、会話をしている。
  娘は私が人とめったに会話しない
  生活だからか、猫を飼ったらいいと
  勧めてくれています。
  (ペット禁止の住居なのに)
  私は猫を飼う自信がないし、
  無言の生活に慣れているので、
  飼うつもりはないのですが、
  藤田嗣治の猫の本という画集はよく
  みています。
  そのうち、お手本にして描いてみた
  いと思っています」

  猫? やめたほうがいいよ。
  (わが家の猫にはもう……(怒)
  といってしまいそうな文面なの
  だが、何だか気になって仕様が
  ないのである。


  ※ 浄智寺のミツマタ