一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

津島佑子

2020-06-30 15:29:27 | 読書
       

    津島佑子
        (1947~2016)68歳没 正妻の子

        1歳のとき父・太宰を失い 母子家庭に。
        太宰は生家から勘当されていたので
        津島母子も援助を受けられなかった。

        長じて小説で才能を発揮し、
        父の欲しがっていた芥川賞はとれなかったが、
        川端康成賞はじめ、谷崎潤一郎賞、芸術選奨
        など、権威のある賞を多数受賞。

        父・太宰については
        『山のある家 井戸のある家』でこう記している。

        「父について、どうか、誰にも聞かれないように
         といつも願っていました。
         父はいませんといえば、なぜ、とひとは聞きます。
         ……〈自殺〉とは どうしてもいうことはできま
         せんでした」

        「その後、父には他の女性との間に娘がいることも
         知りました。
         私とは異母妹ということになります。
         私はいやな気持は持ちませんでした。
         もしかしたら 異母兄とか、他にぞくぞくと
         兄弟姉妹が現れるかもしれない、と期待
         したりしました」

         これからしても、
         津島佑子は落ち着いた 聡明な女性であることが
         分かります。
         

桜桃忌 その④

2020-06-27 09:25:36 | 読書


         他のテーマをはさみながら、
         太宰のつづきをボツボツ。

         太宰治は女性を道連れに自殺するなど、
         どうしようもなく救い難い人間(失格) 
         ですが、
         もうひとつの罪を犯しています。

         それが罪=咎(とが)といえるかどうか、
         みなさんと一緒に考えたいと思っています。

         津島佑子 と 太田治子。

         前者は妻・美知子の娘。
         後者は愛人・太田静子の娘。

         ともに同年齢、同性。
         1歳で父・太宰と死に別れ。
         (別の愛人・山崎富栄と入水自殺したため)

         これだけで充分、悲劇です。
         しかも2人とも、文学方面にすすむのですから、
         その茨の道は想像にかたくありません。

         しかしながら、2人は見事に才能の花を咲かせます。
         私は敬意を表して、
         ここに取りあげようと思ったのです。

         ※ 太宰が誕生した斜陽館
           一時は旅館になっていましたが
           現在は「太宰治記念館」になっています。
         

商談

2020-06-26 16:24:27 | 雑記


         このところ何回も出かけていたのは
         車の商談のため。

         断っておくが、
         私は車が趣味というわけではない。

         車種なんて、全然分からないし、
         のっけから 車に興味がないのだ。

         だが、
         必要だから乗っている。

         その必要とは、
         都心とはちがって、カマクラのような過疎地にいると、
         特に高齢者は 車がないと不便。

         行動範囲がせまくなるのが困る。
         病院、図書館、買い物ほか外出等々。

         とはいえ、
         後期高齢者の76歳。

         本来なら「免許返納」の年齢である。

         それでも抗(あらが)って乗ろうとするなら、
         サポート・カーだ。
         「自動ブレーキ」というやつである。

         というわけで、
         サポ・カーの仕組みを知るべく、
         ちょっとディーラーに通って勉強中なのである。
         

         

桜桃忌 その3

2020-06-23 10:18:05 | 読書


         太宰治は いま風にいうと完全な”ダメンズ”。

         なのに、代表作である『人間失格』や
         没落華族を描いた『斜陽』は、
         いまだに絶大な人気をほこって、
         若者にも支持されています。

         死後、72年たっても衰えない人気、
         太宰文学の魅力はどこにあるのでしょうか。

         いまも昔も、
         矛盾や理不尽なことばかり多くて、
         生きにくい社会です。

         太宰はあるときは「道化」に走ったり、
         あるときは真正面からぶつかって
         深く傷つき、おおいに挫折します。

         もしかしたら、
         そんな挫折つづきの太宰に
         読者は共感をいだくのかもしれません。

         地獄のような日々でも、
         弱さの中に、ある種の「純粋さ」を失わない
         主人公に加担したくなるような感じ、
         読者の一人として分かるような気がします。
         

桜桃忌 その2

2020-06-19 13:52:14 | Weblog



          太宰治は子どもの頃から成績優秀であったが、
          若くして文学にとりつかれ、
          東大仏文科に入学するものの、
          故郷で親しくなった芸者を呼んで同棲するなど、
          次第に乱れた生活に。

          第1回芥川賞の候補となるも、落選。
          (このときは石川達三の『蒼氓』が受賞)
         
          選考委員の川端康成に、
          「作者、目下の生活に嫌な雲あり」
          と評され、激怒して反論文を掲載した。

          その後、どうしても賞が欲しくて、
          懇願したのは有名な話である。
          (そのとき太宰は実家から送金をとめられ、
           金と名誉も欲しかったが、
           さいごまで賞とは縁がなかった)

          やがて井伏鱒二の紹介で 石原美知子と結婚。

          この頃が最も安定した時期で、
          『女生徒』『富嶽百景』『走れメロス』など、
          数々の名作を書いている。

          一方、次第に薬物中毒におちいり、
          数回の自殺未遂をおこす。

          うち、3回は女性を道連れにして、
          女性だけ死亡。

          さいごの5回目は、
          愛人の山崎富栄とともに玉川上水に入水し、
          太宰も死亡した。

          (太宰には妻子があり、おまけに
           別の愛人・太田静子にも私生児が生まれている
           というのに!!)
           

桜桃忌 その1

2020-06-18 10:03:21 | 読書


       サクランボ(桜桃)の季節ですね。

       桜桃といえば「桜桃忌」(6/19)、
       太宰治の命日(遺体が発見された日)です。

       全国から太宰ファンが集まり、
       若者の多いところから”青春巡礼のメッカ”
       と呼ばれることも。

       太宰治(明治42~昭和23) 38歳没。
       若くして自死したのでした。

       青森県津軽郡金木の大地主・津島家の生まれ。
       父は県知事、衆議院議員、多額納税による
       貴族院議員をつとめる地元の名士。

       津軽家の広大な敷地には鉄道が走り、
       銀行、病院などもあって、
       「金木の殿様」と呼ばれていた。

       もちろん、子ども一人一人に乳母と子守がつき、
       津軽家の子弟は実際の成績に関係なく、
       すべて「甲」だったという。

       ではなぜ、
       何一つ不自由がなく、裕福な家庭に育った太宰が、
       身をもち崩し、自殺までするようになったのでしょうか。

       
       

梅雨の中休み

2020-06-16 15:45:40 | 雑記
        昨日、今日、
        梅雨の中休み。

        気温がぐんぐん上がって
        暑さも半端ない。

        TVニュースも、
        コロナと熱中症と半々くらい。

        マスクを忘れるな、
        熱中症に気をつけろ、
        一体、どうすりゃいいのさ!
        とうそぶきたくもなる。

        当市ではまだ朝夕、
        防災無線でコロナ感染予防のため、
        「三つの〈密〉を避けて」と放送をやっている。

        辛党でもあるが、
        甘党でもある私には、
        「三つの〈密〉をかけて……」
        と聞こえて仕様がない。

        ああ、
        たっぷり蜜のかかった あんみつを食べたい。
        クリームの入ったのもいいなあ。

        それにしても、この暑さ、
        はやく、マスクを外して堂々と歩きたい。

        もはや、私の耳も頭もイカレテいる。      
        
        ※ 〈密〉と〈蜜〉のちがいについて、
          友人からご指摘をいただきました。
          ありがとうございました。

梅雨はしっぽりと

2020-06-13 14:37:57 | 雑記
          今日もいったん出した洗濯物を、
          1時間ほどして家の中に。

          湿度90%

          じめじめとして、
          洗濯物も乾かない。
          (乾燥機はできれば使いたくない)

          扇風機を洗濯物の方にまわし、
          気分だけでも爽快に。

          雨は梅雨らしく、ざあざあ降りではなく、
          しっとりと。

          庭の植物だけは雨に濡れて、生き生きと、
          むしろ精気を増してきているようだ。

          こんなときに考えるコロナ禍。

          あの、あわただしかった、コロナ以前の生活
          にはやく戻りたいか、否か。

          「有事のときこそ、その人の人間性がためされる!」
          というものね。

          そんなことを考えつつ、
          この自粛期間を振りかえって反省ばかり。

          あ、
          ブログタイトルの「しっぽり」は、
          男女の仲をいうのだったかな。

          ※ 大好きな柏葉アジサイ
          
          

          

The 梅雨

2020-06-11 15:57:51 | 自然



        昨日の快晴、夏日から一転して、
        関東地方も今日、梅雨入り。

        朝方、
        お天気がいいので洗濯物を干して外出したら、
        お昼ごろから降り出して、
        みごと濡らしてしまいました。

        しばらくは
        The 梅雨 
        とともに
        The コロナ
        の生活。

        この機を境にコロナ収束を願いたいけど、
        昼過ぎの臨時ニュースでは、
        東京はすでに今日、22人の感染者が出たとか。
        
        夜にはもっと多くなっているかもしれない。

        しつこいコロナ。
        不気味なコロナ。

        雨で植物はうれしそうだけど……。

       ※ いつも夕方、散策する森の風景
        
        

紫蘭

2020-06-07 10:14:33 | 雑記
         植えたわけでもないのに
         庭に群生している紫色の花。

         この花、名前なんだっけなあ、
         と思いつづけてほぼ2ヶ月。

         家人に聞いても「知らんッ」と素気ない。

         本を読んでて、
         「紫蘭(しらん)」だと判明。

         やっとすっきりしました。

         あながち、家人の答えも間違えていなかったし。

         「知らん」 → 「紫蘭」

         この言いでいうと、

         北海道で次の駅を「言わない」 → 「岩内」
         東横線で駅名を「聞くな」 → 「菊名」

         他にもあるかもしれない。

         自粛続きで、ヒマなのね。

      おまけに、いくら直しても写真が寝てしまう。
         (このまま掲載します)