津島佑子
(1947~2016)68歳没 正妻の子
1歳のとき父・太宰を失い 母子家庭に。
太宰は生家から勘当されていたので
津島母子も援助を受けられなかった。
長じて小説で才能を発揮し、
父の欲しがっていた芥川賞はとれなかったが、
川端康成賞はじめ、谷崎潤一郎賞、芸術選奨
など、権威のある賞を多数受賞。
父・太宰については
『山のある家 井戸のある家』でこう記している。
「父について、どうか、誰にも聞かれないように
といつも願っていました。
父はいませんといえば、なぜ、とひとは聞きます。
……〈自殺〉とは どうしてもいうことはできま
せんでした」
「その後、父には他の女性との間に娘がいることも
知りました。
私とは異母妹ということになります。
私はいやな気持は持ちませんでした。
もしかしたら 異母兄とか、他にぞくぞくと
兄弟姉妹が現れるかもしれない、と期待
したりしました」
これからしても、
津島佑子は落ち着いた 聡明な女性であることが
分かります。