一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

空き家対策特別措置法案

2014-11-30 15:15:43 | 雑記


   今春から何となく耳にしていた
   「空き家対策特別措置法案」
   が秋の臨時国会でようやく提出
   された、というが、
   結局あれは通ったのだろうか。

   この法案は、
   ①倒壊や火災の危険がある
   ②衛生上有害
   ③景観や周辺の環境を損なう

   といった家屋を、所有者に取り
   壊しを命ずることができる。
   応じない場合は市町村が代執行
   を可能とする、という法案だ。

   過疎地では望まなくても、 
   空き家になることが少なくない
   であろう。

   新聞の投稿欄にこんなのがあった。
   73歳の男性(埼玉県在住)。

   「家を畳む」
   中国山地のふもとにある実家。
   父母が施設にはいって16年間、
   片道700キロの距離を往復して
   両親を見舞い、家や田畑を管理
   してきた。

   やがて父が逝き、母も亡くなって
   自分も老いた。
   かつては年に数回も行っていたの
   が今では3回がやっと。

   家を継ぐ者はなく、兄弟姉妹たち
   と相談して、売りに出すことに
   した。
   (解体するのは忍びなく、誰かに
    使ってもらいたいと)

   母の7回忌を実家でおこない、
   きょうだい6人が集まって大掃除
   をした。
   幸い、買っていただける方も見つ
   かった。

   最後にみんなで家をバックに記念
   撮影をして、
   「お世話になりました」
   と二度とくることのない家に挨拶
   した。
   家は翌日、引き渡し完了。

   
   という話である。
   これも時代の流れ、この場合は
   きょうだいが皆元気で仲良く、
   恵まれたケースであろう。

   私も地方から都会に出てきた者
   として身につまされる話であった。


   ※ 空き家なのかどうか、
     きれいな家の白壁に赤いツタ
     (本題とは関係ありません)
   

   
   

総論賛成 各論反対

2014-11-29 15:34:08 | 雑記


  どこの地方だったか、
  イチョウの実、つまり銀杏が臭く
  て市民から苦情が殺到し、
  市役所職員が拾って住民に配って
  いるというニュースがあった。

  新聞のコラムにも
  イチョウのことだ、なんとか大目
  にみれないものか、といったコメ
  ントが出ていた。

  私だったらどうだろう。
  あの強烈な臭いには閉口するなあ。
   
  他人事となるとコラム通りだけど、
  朝夕、あの臭いをかがされたら、
  文句の一つもいいたくなるのでは
  ないか、と自信がなくなる。

  そう、勝手なことだが、
  総論賛成、各論反対というやつだ。

  だけど、銀杏は食べるのが大好き
  なのです。
  あの薄緑色の実を素揚げして塩を
  振ったのなんか、酒肴に最高!!

  それで思い出した。
  一時(かなり昔のことだが)
  よくグループで飲みにいくこと
  があった。
  今頃の季節になると、決まって
  銀杏の素揚げを頼んだものだ。

  その日、いつもの居酒屋でなく、
  ちょっとした小料理屋の暖簾を
  くぐった。
  雨の日で他に客はなく、我々だ
  けだった。

  カウンターに坐って、いつもの
  ように頼んだ。
  出てきたのは殻つきの銀杏だった。
  さっと塩が振りかけてあって、
  いい感じだったけど、まいった。

  「わー、これ剥くの面倒なんだよ
   なあ」
  口には出さなかったけど、
  手も油でよごれるし……。

  そしたらカウンターの向こうに
  いたママさんが全部剥いてくれた。
 (他に客がいないのでヒマだった?)

  味?
  格別おいしかったです~。

  以降、銀杏というと、あの雨の日
  を思い出す。
  あれ以来、美味で上品な銀杏に
  出会っていない。

  しかし、です。
  神様は無駄なものは作らないと
  いうけれど、
  イチョウのあの臭いにはどんな
  意味があるのだろう。
  中にある実を簡単に食べられない
  ようにするため?
  う~ん。
  
  
  ※ 雨の日の大イチョウ。
    
  

  
 

木守り柿

2014-11-23 14:34:34 | 雑記


     近所の庭の柿を小鳥たちが突い
     て一個だけになった。
     これを木守り柿という。

     新聞に87歳の女性の投稿が
     載っていた。
     岩手県の久慈出身で、子どもの
     頃の思い出である。

     農家のおばさんが籠に柿を一杯
     入れて売りにくる。
     母が買ってくれて、このときと
     ばかり好きなだけ食べた。
     (昔は冷えるといって、子ども
     がたくさん食べるのを制限した
     ものだが)

     この女性は遠い遠い昔の思い出
     を語り、郷愁とともに母を思い
     だすと結んでいる。

     一方、私も柿が大好きで、
     生家の敷地を囲むように柿の木
     があったので、次から次と食べ
     た。
     丸柿、四角い柿、筆柿、豆柿
     ……早生から晩稲まで種々あ
     り、学校から帰ると、
     すぐ木に登る。

     この運動音痴の私が柿の木に
     登るのだけは得意。
     柿の木は折れやすいというが、
     一度も落ちたことはなかった。
     猿以上である。
     下を知った人が通ると、木の枝
     ごと落として上げたものである。


     そして今や、南相馬市の柿は
     放射能汚染で食べられない。
     鳥も突かない。

     八百屋で買った柿は、種なしで
     やわらかく(私からすれば)
     柿であって、柿ではない。
    
     柿のみのる風景は私の心に
     残る情景である。
     

犬の気持ち

2014-11-22 15:49:15 | 雑記
    

    今日のように日中は小春日和の
    ぽかぽか陽気だと気持ちいい。
    だけど朝晩はかなり冷えるので
    着るものの調節がメンドクサイ。

    さすが夏物は片づいたけど、
    ちょっとした薄物は羽織るのに
    便利なので、しまうわけにも
    いかず……。
    かくして、部屋の中は中途半端
    な衣類がちらかってなかなか片
    づかない。

    我ながら、貧相なミノムシ状態
    だと思う。
    (ミノムシに悪いかッ)

    散歩の途中、犬を連れた人に出
    会うが、最近の犬はおしゃれ。
    (飼い主よりも!!)

    写真の犬は図鑑によると、
    イタリアン・グレーハウンド
    というのか、または
    トイ・マンチェスター・テリア
    かもしれない。
    手脚がほそく、折れそうで、
    ちょっと怖くて触れない。

    もっとも、私は犬を飼ったこと
    がないので、どう扱ったらいい
    のか分からない。
    なるべく犬と目をあわせないよう、
    さっと通り過ぎるのだが。

    犬はどう思っているだろう。
    この薄汚い、愛想のわるいバア
    さんは何だ?!
    くらいが関の山だろうと思って、
    ますます顔を合わせられなくな
    る。

    昨今は「いぬの気持ち」という
    雑誌や「いぬの気持ち、通訳し  
    ます」といった本もあるらしい。
    そして、
    アニマル・コミュニケーター
    という仕事もあるのだそうだ。

    ああ、私の知らない世界。
    未開拓の分野。

    
    
    

 
    

意表を突く

2014-11-16 14:50:29 | 雑記
    

    いつも行くスーパーの出店(?)
    は、ほぼ一週間ごとに変わる。
 
    それは衣類であったり、饅頭、
    餃子、漬物、ハム・ソーセージ、
    お茶、古本、懐メロ類のCD
    だったりと多種多彩だが、
    何といっても意表を突くのは
    カツラ売場だ。

    いや、昨今はカツラとはいわ
    ないで、ウィッグというのだ
    ろうか。

    売り子は中年の女性2人に男性
    1人。
    (そんなに売れないだろうに
     3人もいる)
    いつかは、その女性の1人が
    真っ青なカツラを頭につけて
    (かぶって)ちょっと離れた所
    に立っていたのでギョッとした。

    一瞬、
    マネキン?と思ってしまった。
    動くようで動かない。マネキン
    のような細身ではない。
    かなり重量感のある中年女性が、
    これまた色鮮やかなカツラをつけ
    て腰に手をあて、ポーズ(?)
    をとっているのだ。

    このカツラ屋は3ヵ月に1回くら
    い回ってくる。その間は他の店に
    行っているのだろう。

    それにしても買う人見たことない
    が、それで商売になるだろうか、
    と心配するほど、客は少ない。

    それでも3ヵ月くらいすると、
    また来ている。
    なんだか気になってしようがない。

    ※ 夕べ、買物を思い出して夜
     8時過ぎにスーパーにいったら、
     カツラ屋は無人になっていて、
     網でおおわれていた。これまた
     ギョッとする光景だった。
    

年賀はがき→年賀状

2014-11-15 14:57:52 | 雑記


     今年は忙しくて(余裕がなくて)年賀状
     の販売が始まっていることも念頭になく、
     今朝、郵便局の前を通ってドキッとした。

     おっと、
     「年賀状の販売」というのは間違いなん
     だって。

     正しくは
     売り出しは「年賀はがき発売」で、
     書いて出すときは「年賀状を書く」
     というのだそうだ。
     つまり書く前のものが「はがき」。


     無意識に使っていたけど、そういわれる
     と、そんな気がする。

     郵便局でも「年賀はがき販売中」と
     いっても「年賀状販売中」とはいわない
     ものね。
     
     それに来年の「ヒツジ年」は
     「未年」であって、「羊年」ではない。

     これも深く考えたことなかったけど、
     干支と動物は関係ないのだそうだ。
     そういえば土用の「うしの日」は
     「丑の日」と書き、決して「牛の日」
     とは書かない。

     それじゃあ今年の「午(うま)」って
     どうして牛みたいな字なの?

     これは馬とも牛とも関係なくて、
     穀物をつく「杵(きね)」から来てい
     るのだとか。

     な~るほど。
     といっていますが、年賀はがきを買う
     頃にはすっかり忘れていることでしょう。

 
           

神保町文学散歩

2014-11-09 15:09:18 | 読書


     昨日車に乗っていたら、カーラジオが
     「村上春樹~賞受賞」云々
     といっていた。

     まさか、ノーベル文学賞じゃないよね。
     ノーベル文学賞騒ぎはもう終わったは
     ず……
     と思って夕刊を見たら、
     「村上春樹 ドイツでウェルト文学賞
     授賞 受賞式の後 講演した」
     というニュースだった。

     その村上春樹のベストセラー『ノル
     ウェイの森』には神保町が出てくる。

     37歳の「僕」が大学生時代を回想す
     る物語で、自殺する直子と「僕」が歩
     く散歩道の途中に「神保町交差点」が
     登場するのだ。
     散歩道はJR四谷駅前→市ヶ谷→飯田橋
     →靖国神社前→千鳥ヶ淵・日本武道館前
     →神保町交差点→御茶ノ水→東大前→
     駒込」という長い距離。
     昼過ぎから夜までというから、ずいぶん
     歩いたものだ。


     最近の作でいえば、映画「舟を編む」で
     あろうか。
     三浦しをん著の原作で、本屋大賞2012
     を受賞した作品。
     舞台は神保町で、後楽園遊園地のある
     文京区・春日の下宿に住む編集者の物語
     である。

     馬締は地下鉄で2駅の神保町の出版社に
     通い、辞書編集部で中型国語辞典『大渡
     海』(だいとかい)の編集を進めている
     というストーリー。
     作中には、神保町一軒だけあるという
     銭湯が登場する。

     他にもあるかどうか。
     神保町はエッセイのほうが多いような
     気がする。


      ※ いつか見た神保町の古本市    

神保町かいわい

2014-11-08 15:21:56 | 読書


      秋だからって本を読むわけではない。
      このところは必要に迫られて読むこと
      が多くなった。
      (娯しみというより資料として)

      図書館も利用するが、図書館にない
      もの、あっても借りては間に合わな
      いものなど、今年はかなりの数を
      購入してしまった。
      (引っ越しのとき真っ先に整理処分
      したのが本だったので、またまた増
      えるのに戦々恐々しているのだが)

      本の購入も最近はネット(アマゾン)
      を利用することがほとんどで、
      以前のように書店にいって注文して
      いた時代とは雲泥の差である。

      そのネット注文だが、ときどき操作
      がうまくいかなくてイライラする。
      (笑)
      そんなときは出版社に直接電話して
      在庫があるかどうか確認する。
      (かなり古い本が多いので)
      最近、そうして買ったのが3巻(計
      8冊)ある。

      というわけで神保町は本探しという
      より、会合や人と会うのに利用する。

      通りがかりに見ると、古書店にも
      結構人がいる。
      本離れというけれど、そうでもない
      じゃないかと思ったりする。


      「神保町一誠堂の二階
        イスラム書あり今も変わらず」
              (三井 修)
  
      一誠堂書店は1903年(明治36)
      の創業。三島由紀夫や松本清張も利用
      した。 
      

       「古本の上に散りゆく銀杏の葉
          見つつ急げリ神保町通り」
              (大島史洋)
     

      今の季節にぴったり。

      ※ 神保町の喫茶店や居酒屋のある
        横町 

      

でも老けていくのよね

2014-11-03 14:41:35 | 健康


     毎日余裕のない生活、さいごは健康で
     勝負するしかないと、身体にはそれな
     りに気をつかっている。  
     

     先日、出かけた先で健康チェックなる
     ものをしていたので受けてみた。

     「タニタ」の体重計のようなものに
     乗ると、基礎検査のような数値が出て
     ほとんど分かるようになっている。

     体脂肪率、BMI、内臓脂肪レベル、
     筋肉量、基礎代謝レベル、脚点、
     において、すべて「標準」か「良好」。

     骨密度に関しては別の検査があって、
     年齢に比して136、3%と出た。
     (これは平均値以上とのこと)

     なのに、どんどん老けていくのよね。
     その実感はまぬがれない。
     店で鏡などをみようものなら、己の
     老け「顔」「姿」にぞっとする。

     実は夏に受けた検診の結果、今年も
     血液検査で2つ引っかかって
     (毎年、恒例のようなもので、
      体質でもあるらしい)
     目下、再検査中でもあるのだ。

     ま、考えようによっては、順調に
     老いていっているということか。
     ……と思いなおして、今日も
     カラ元気でいきましょう。

     ※冬を前にもの干し棹にしがみ
      ついていたカマキリ

     

     

深海タコ

2014-11-02 16:07:04 | 雑記


       オタマジャクシで思い出したが、2カ月
       ほど前だったか、「卵抱き4年半」とい
       い深海タコの記事が新聞に載っていた。

       米カリフォルニア州中部沖の深海で、
       マダコ類の一種「ホクヨウイボダコ」の
       母親が約4年半も卵を抱いて成長する
       様子をカメラで撮影することに成功した
       というのだ。

 
       もちろん、動物が産んだ卵を抱いたり、
       体内で成長させたりする期間としては
       最長である。


       ふつうタコ類が卵を抱く期間は
       1~3ヵ月で、タコの寿命は2年以内。


       「ホクヨウイボダコ」は暗くて冷たい
       深海に生息していたため、代謝が遅い
       分、長生きしたのではないかという。


       研究チームは2007年5月に発見し、
       11年9月まで追跡調査をした。
       水深1400㍍、水温3度の世界で
       ある。


       よく深海魚が原始時代さながらに
       進化しない姿で見つかることがある
       が、それもこの原理であろう。


       母ダコが抱いていた卵は長さⅠ・5㌢
       から3・3㌢まで、
       直径0・5㌢だったのが1・6㌢まで
       成長していた。
       充分に成長してから孵化する方が生存
       に有利だと考えたのだろう。

       
       ちなみに卵の数は160個。

       そして母ダコは抱卵中、ほとんどエサ
       を食べず、徐々にやせて死んだという。

       ああ、この母の愛。



       ※ 写真は新聞写真から