一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

菫ほどな小さき人に

2014-04-26 16:26:42 | 雑記


     前回、頭がにぶって機能しない話を
     書いたが、今度は頭がいたい。
     いわゆる頭痛ってやつ。

     3~4日前から左の頭頂部がずき
     ずき痛む。風邪なら悪寒がするとか、
     喉が痛いとかあるだろうに、
     その兆候は全く無し。

     ただ単独で頭が痛いだけ。
     市販の薬を飲んでも一向に快くなら
     ない。一瞬治ったかなと思うが、
     すぐまたぶり返す。

     いわゆる頭痛持ちではないので
     原因が分からず、気持わるい。
     いつかTVで、「頭痛を軽くみては
     いけない。何かのサインだから」
     なんていっていたなあ。

     病院で診てもらった方がいいのだろ
     うが、どこも混んでて待ち時間が長
     すぎる。
     というわけで、まだぐずぐずしている。

    
     前回の「侏儒のひと」で思い出した。
     夏目漱石にこんな句がある。

      「菫ほどな小さき人に生まれたし」

     私は翻訳家で詩人の矢川澄子さんを
     評してよく使うのだが。
     
     矢川さんも小柄で可愛らしい人であ
     った。
     何があったか、71歳で黒姫の自宅
     自死されたが。

     やっと本題にもどった。
     現在は、かつて矢川さんの結婚相手
     であった渋澤龍彦と取り組んでいる
     ところなのです。

     渋澤龍彦はなかなか難物で、
     その人物もさることながら、書いて
     いるものも私ごときヤワな者など
     近づけない手ごわさなのだ。

     もしかしたら、
     私の頭痛も、頭の回らないのも、
     そのせいかもしれない、
     とひそかに思っている。
 
     
     
    
     

     
     

侏儒のひと

2014-04-19 17:43:52 | 自然


     頭がまとまらない。
     机には読まなければならない本がうず
     高く積まれ、
     パソコンの周囲には資料やメモ書きが
     乱雑に置かれている。

     日々押し寄せるこまごまとした用事、
     会合のお知らせ、花見便り等々。
     ○○日までにしなければならない返事、
     書いて提出しなければならない書類も
     あり、一日があっという間に暮れる。

     そんななか、
     ふと訪れる既視感(デジャヴュ)!

     あぶない、あぶない、
     春はものみな狂う季節というから。

     ひとまず、今日見た小さな花に目を
     うつしましょう。


     [チューリップ]
     チューリップの花には侏儒(しゅじゅ)
     が住むといわれる。

 
     侏儒とは小人のこと。
     ほんとうにそんな気がしてのぞきたく
     なる。

     こんな詩もある。

       蜂の羽音が
       チューリップの花に消える
       微風の中にひっそりと
       客を向へる赤い部屋

          三好達治「チューリップ」


     ※ 近くの家の庭先で、
      小さなチューリップ


       
     

     

愛は霧のかなたに

2014-04-12 17:06:04 | 芸術


     新たな万能細胞「STAP」細胞」の論文
     に不正があったとされる問題で、理研の
     小保方晴子さんが反論会見をひらくなど、
     何かと話題になっている。

     私はこの問題に対して何ら語る材料を
     持ちあわせていないが、
     若い女性研究者の芽がこれで折れてしま
     うことがないよう、願うばかりである。

     ふと、いつかDVDで観たアメリカ映画、
     「愛は霧のかなたに」を思い出した。

     アフリカの奥地でマウンテンゴリラの
     保護に半生を捧げた女性学者ダイアン・
     フォッシーの実話を映画化したもので
     ある。

     マウンテンゴリラが絶滅の危機にさらさ  
     れていることに危惧を抱いたダイアンは、
     婚約者をのこし、単身、中央アフリカに
     渡る。
     しかし、同行するはずだった動物学者は
     他の地域にいってしまい、ダイアンは
     自ら現地ガイドをやとい、調査を開始
     する。

     いくつかの困難を乗り越え、ようやく
     ゴリラの生態をつかみ、彼らとの交信
     もできるようになったのだが……。

     ある日、密漁者によってボスゴリラまで
     殺される事件が起きる。
     ダイアンはゴリラを思う余り、密漁者の
     テントに火を放つなど、
     徹底した攻撃に出た。

     こうした過激なやり方が現地の人に
     受け入れられるはずもない。
     ついに、
     ダイアンは18年過ごした小屋で、
     何者かに惨殺されるという悲惨な姿で
     発見された。

     ”森の思索者”ゴリラに魅せられた
     若き女性学者の死、
     非業な最期といったいい方でいい切
     れるものではない。

     ダイアンを殺したのは何者だったのか、
     真相もまた霧の中である。
     

世の中のたえて……

2014-04-06 02:18:38 | 雑記


      ことさら花見と気負わなくても
      ちょっと出かければ車窓から、電車の窓
      からも、また歩いていても桜の花がぱあ
      っと目に飛び込んでくる。

      都心では所によっては散ったよう、
      昨日藤沢方面にいったら、ほとんど葉桜
      になっていた。
      ちょっと遅い鎌倉は昨日今日が見ごろ。

      
      「世の中のたえてさくらのなかりせば
           春の心はのどけからまし」
                   在原業平

      ご存じ、
      世の中に桜などなければ、春の心は穏や
      かでのんびりしたものであろうものを、
      なまじ桜があるばかりに、
      いつ咲くか、咲けば咲いたで今度はいつ
      散ってしまうか……と気が気ではない
      という意味です。

      業平は天皇の嫡流に生まれ、学究にとみ、
      文才にもめぐまれ、歌人としても昇りつ
      めた。
      さらに容姿端麗で、天下一のモテ男。
      希代の浮気者とも噂された業平。

      彼の移り気な恋はまこと桜の花のように
      散りやすく、桜の木のように実りが
      なかったのです。

      そしてこの歌は、
      高貴な娘たちの業平にたいする恨みがま  
      しい恋歌でもあります。

      一体、いつ逢えていつ去ってしまうの?
      不安といらだたしさのない混じった想い。
      恋する乙女たちの叫びなのだ。

      日本人は古来から桜に人生をかさねて
      見てきたのです。

 
      ※ 鎌倉・源氏池の桜