時節柄、スーパーの店頭には節分の豆や鬼のお面が
ならび、恵方巻きの宣伝がでかでかとなされている。
わが家はこの時期、家族が(仕事の都合で)そろわない
ので、豆まきはしばらくやっていない。
私が自分のお腹にまく(食べる)だけである。
昔、節分の豆が余ってご飯に入れて炊いたら、固くて
評判が悪かった。
(私はおいしいと思ったのだけれど)
このように雑食の私はわが胃(ぶくろ)を大事にしない。
「飲食を少なくして胃を養い、言を少なくして気を
養うべし」
江戸時代の本草(ほんそう)学者、貝原益軒の
「養生訓」である。
なるほど、「気」は無駄な言葉と一緒に口から出て
いくらしい。
さすがの私も高齢者の域に達して、暴飲暴食はでき
なくなったが、ちかごろ怖いのは口から出る禍である。
やはり養生訓にもあった。
「古人、禍は口よりいで、病は口より入るといえり」
私個人のことはさておき、
最近気になるのは米国の新大統領、トランプ氏の発言
である。
前大統領のオバマ氏は、
「多様性がこの国の弱みではなく強みだ」
といって、多くの知識人をうならせたが、
トランプ氏はどうだ。
氏がほえるほど社会は亀裂を深め、アメリカという
超大国の行く末がちょっと心配になる。
同盟を強調する日本だって、この先、どうなるかと
気が気ではない。
アメリカには恵方巻きはないだろうから、
どっちの方向を向いて巻きずしをたべようと、
知ったこっちゃないといったところだろうが。