「ブラジャーをはずして食べる すいかだろ」
みさき たまゑ
この句には笑ってしまった。
ブラジャーとスイカの組み合わせが面白い。
ブラジャーをはずして、さあスイカを食べるぞと
意気込んでいるのか、
はたまた、スイカを食べるときくらいブラジャーを
はずしてリラックスしろ、ということなのか。
どちらでもいい。
私もこの夏、
三つのことをやる! と決意した。
友人にいったら「この暑いのに?」といわれたけど、
夏が苦手だからこそ、やる!と決めたのだ。
一つは20年以上、ある会の会員だったが、この夏
自ら退会を申し出てけじめをつけようと思った。
もう、名誉も名声も必要ない。
これからは余計なことはそり落として、
さっぱりと生きたい。
そう願ったのだ。
結果は、
事務局から電話があって、近く理事会が行われる
ので、(退会のことは)そこではかられる、と
いうことだった。
おそらく問題なくすんなりいくだろう。
二つ目は納戸を占領している古い資料を処分すること。
古いといっても、
7年前の引っ越しのときに、英断をふるって大改革
をした。
なのに、いつしかまた溜まってしまったのだ。
これは大げさにいえば、生命の次に大切なもの。
取材で収集した資料や、生(なま)書きの原稿で
捨てるに捨てられないものばかり。
しかし、原稿にも消費期限がある。
時々思い出しては、
ああ捨てよう!
もう処分しなっきゃ!
と思っていたのだ。
これは着手したものの、容易ではなかった。
自分の意識のなかでは、もういい!
とは思っているものの、実態を見ると、
取材した折の光景などが思い出されて、
もとに戻してしまう。
そんなことを何度か繰り返して、
結果、段ボールを三箱カラにして、いくらかすっきり。
ついでに本や雑誌も数十冊処分した。
しかし、しかしである。
ごく最近の資料や本は机の周辺に散乱しているので、
総体的に片付いたとはいえない。
「座右の銘」ならぬ、
「座右の資料」なのである。
こちらは今でも時折、編集者などから問い合わせが
あるので(つい先日もあった!)、
手元から離せないのだ。
三つ目は、
和ダンスに眠っている和服なのだが、
こちらはせっかくの決意もどこへやら、
ちょっと色気を出して、
あと2~3年、様子をみようと思いはじめた。
面倒になったこともあるが。
かくして、私の居室は雑然として、見ようによっては
ゴミ屋敷に一歩一歩近づいているともいえる。